ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け35年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

【拡散願います】【補足】「米軍機騒音『気になる』61%(名護の小中学生)」(沖縄タイムス231220記事)に寄せて(20231220)

2023年12月20日 | 名護市内の基地被害

(Ⅰ)紙面から
 2023年12月20日沖縄タイムスは、名護市教育委員会が行なった小中学生への米軍機騒音アンケ-ト調査を報道している。対象は市内の小学5,6年生と中学生の対象者3610人のうち2338人が回答したとある(23年10月17日~11月30日調査実施)。
 学校で飛行機やヘリの音が気になったことがあるか?に対して、よくあるが22%、あるが39,2%、計61%。あまりないが25,4%、ないが13,4%だったとある。このあるある感はメチャクチャ高い割合だと私は考える。

(Ⅱ)名護市の地理的特徴を勘案すべき
 名護市は1970年に周辺市町村が合併して名護市になった。このため、沖縄県内の市町村で3番目の面積(210,9平方キロ)を誇り、東海岸から西海岸までをカバーする沖縄島の市町村は最北部に位置する国頭村と、ここ名護市のみだ。
 名護市の人口は、64553人(23年11月30日現在―名護市HPから)のうち名護地区の人口は36495人、羽地地区は9121人、久志地区は4012人、屋部地区は12910人、屋我地地区は1279人だ(地区人口は23年3月31日現在)。
①名護地区は断然人口が多い西海岸の中心街となっている。ここに瀬喜田小学校、東江小学校、名護小学校、大北小学校、大宮小学校、東江中学校、名護中学校、大宮中学校がある。
②名護市北側を占める羽地地区は、真喜屋小学校、羽地小学校、稲田小学校、羽地中学校がある。
③キャンプ・シュワブ周辺である久志地区には、久辺小学校、久辺中学校、久志小学校と久志中学校(=緑風学園)がある。
④本部半島基部南西側の屋部地区は、屋部小学校、安和小学校があり、屋部中学校がある。
⑤屋我地島の屋我地地区は屋我地小学校と屋我地中学校(=屋我地ひるぎ学園)がある。
 これらの各学校の学年別人数を見ると、大きな偏りがある。例えば①名護地区の小学校5,6年生は812人、中学生は1309人。③久志地区の5,6年生は80人、中学生は130人だ。
 ところで航空機騒音は、市内一律に起きるわけではない。多く発生する地域と少ない地域がある。そして以下概観するように、人口の多い、少ないとは関係ないのだ。
 
(Ⅲ)航空機騒音の原因について
 現在の名護市内に飛行場はない。どうして航空機騒音がもたらされているのだろうか。私の経験と予測から若干の考察を行なう。私が住んでいるのは①の名護地区であり、私が観察してきたのは③の久志地区だ。②、④、⑤の地区にはたまにしか出かけていない。
 騒音は③のキャンプ・シュワブ(久辺小学校、久辺中学校、緑風学園)①キャンプハンセン(瀬喜田小学校)の演習場周辺が圧倒的に頻度が高く、ボリュームも大きいはずだ。他方西海岸と東海岸に、嘉手納飛行場と普天間飛行場を飛び立った航空機群の奄美大島や岩国基地、そして横田基地への飛行経路となっている。西海岸沿いの経路は、①②④⑤がこれにあたる。東海岸沿いの経路には③が当たる。また大浦湾沖から北西に飛び伊江島に向かう演習のための経路もある。これは③、②、⑤が該当しているだろう。
 その上、一昨年辺りから名護市内の広域でF-15等の戦闘機による模擬射撃訓練が行なわれている。上空であり、半ば雲の上だが、半径10km余りの空を飛び回っているようだ。時間が長い(1時間から2時間)ので神経に障る。本来の演習空域の遙か外の市街地上空(周辺)でやっているのだ。腹立たしいし、危険だ。
 頻繁にやっており、際立つ騒音源は、③を飛ぶMV-22オスプレイ、CH-53大型ヘリ、UH-1ヘリ、AH―1対地攻撃ヘリだろう。MV-22の音は異様だ。低周波が起きていると言われているが、この謎はエンジン音とローター音がダブって発生することにあるだろう。普通のヘリは、ローターが回る方向(垂直)と、エンジンの排気音(水平)は異なるのだが、オスプレイはダブル。混成合唱団なら歓迎するが、キモイ音のダブりは堪忍していただきたい。
 また、東海岸から伊江島に向かう航空機は、これらにプラスしてMC-130特殊作戦機(しばしば低空飛行を強行)、KC-135空中給油機などがある。AH-1とUH-1はつるんで模擬対地攻撃訓練をキャンプ・シュワブ周辺でしばしばやっている。急速展開、急上昇、急降下が続き、危険な飛行そのものだ。UH-1もロケット弾発射機をつけていることが多い。ドアを全開しており、騒音のみならず、ブツを落としかねない危険を伴っている。
 
(Ⅳ)マスコミは、アンケート結果をフォローするのみならず、もっと地域の実情を把握して頂きたい
 アンケートの総和としての「気になる」割合が2014年度の調査より上がっているとの指摘は、いいけれど、アンケートへの回答数(生徒数)の少ない、分母の小さな地域と大きな地域があり、①名護地区と③の久志地区の分母は10分の1だ。分母の大きな、飛行回数の少ない地域を含めての61%の生徒が「うるさい」と感じているのだ。ということは、もっと地域に着目した検証が重要だということだ。今後、独自調査を含め、もっと地域に切り込んだ取材をお願いしたい。
 航空機による騒音禍と危険性を伴う地域をなくしていきたいと、私は考える。
 
 



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