ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

下地敏彦宮古島市前市長が逮捕された(20210513)

2021年05月13日 | 宮古群島

 沖縄県警捜査2課は、2021年5月12日、下地敏彦宮古島市前市長とゴルフ場経営者だった下地藤康を、贈・収賄容疑で逮捕した。

  要件はこうだ。この国は2010年12月の防衛計画大綱で、「島嶼防衛」を打ち出し、島々を軍事拠点にしていく案を立てた。その中で、宮古島はセンターの役割が与えられた。陸上自衛隊のミサイル基地群(他に石垣島と奄美大島)の司令部機能を与えられたのだ。防衛省は、当初、西原の大福牧場を候補に選んでいたが、途中から今の千代田(ゴルフ場)に変更した。このゴルフ場(千代田カントリークラブ)は狭いし、風光明媚な場所でも無く客の入もよくなかった(私も何度も見ている)。赤字を抱えていると聞いていた。

 今回の案件は、敏彦容疑者が2015年1月から3月に、防衛省に「千代田CCを中心に事業を進めて欲しい」と持ちかけ、3回働きかけていたという。16年6月に市議会で陸自配備の受け入れを表明した。事案は18年5月24日、東京都内で藤康容疑者から約650万円を受け取った疑い。

 この背後には、大福牧場周辺が宮古島の水源である地下水に大きな影響があるとの反対論があり、これを考慮した形で、元市長は、かねて懇意だったCC経営者との間柄であり、大福から千代田への橋渡しをしたのだろう、こんな急変は怪しいねと、ミサイル基地反対の陣営は、指摘していたのだ。

 なので驚くには当たらない。元市長はもちろん自民党の支持を得ていた市長であり、沖縄県の中で「チーム沖縄」を結成し、「チーム沖縄」の代表となり、保守市長(首長)を束ねてきた「大物」だ。いわば、この国を代弁する地元頭であったのであり、オール沖縄を否定する先頭を切っていた人物だ。この意味で、私は今回の案件は沖縄を巡る政治全体に影を落とすだろうと思う。

 またこの千代田の土地を私はかねてから疑っていた。確かに空港とも港とも近く便利な土地にある。しかし空自のレーダー基地との距離が1500mしかないのだ。相互に見える位置だ。攻撃されたら、ほぼ同時であり、周辺の民家も巻込まれる。国は、「島嶼奪還作戦」と言っているわけで、住民のことなどなにひとつかまわぬ判断をしてるとはいえ、千代田基地も攻撃を受ける可能性があるわけで、無防備すぎると思っている。

 一方で空自のレーダー基地(野原)は2014年からレーダーの取り替え工事が始まっており、周辺整備も同時に行われていた。この基地はレーダー基地であり、標高100m程の尾根にレーダー群が立ち並んでいる。この下の斜面は案外広く、地下にも基地建造物が造られていることは確かだ。

 私はこの地下に緊急時の設備があるものと睨んでいる。ミサイルは移動式だから、島中を走るにしても、司令部機能は走るわけにいかないだろう。

 今後、贈収賄事件の行方に注目しつつも、私は本体の基地問題に注目していく。軍事とはネットワークで日本中に、米国にも繋がっており、繋がる中で機能していくのだ。私たちは対中最前線をつくりあげない運動を強化していかなければならない。

 くりかえすまでもないが、下地敏彦容疑者が約650万円の贈収賄の私的利益のために、島民の島で生きる安全を売ったとすれば、とんでもないことだ。この続報を待ちたい。



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