米国空軍は2023年12月から連続5回、嘉手納基地内でパラシュート降下訓練を強行してきた。直近は4月19日。くりかえしになるが、1996年12月のSACO(沖縄特別合同委員会)合意で、パラシュート降下訓練は読谷演習場内から伊江島演習場内に変更されたのだ。場外へのはみ出し降下や、人身事故が度重なったからだ。米軍はこの約束を反故にして伊江島の飛行場の路盤が劣化しているので、嘉手納飛行場でやりたいと言い、強行してきた。しかしC-130系輸送機は、未舗装の場所からでも離発着できる能力をもっており、伊江島は遠いから、嘉手納はすぐそこだから、簡便だという米軍本意の駄々っ子のような屁理屈で強行していると考えるしかないのだ。
駄々っ子ならば、泣いて主張するだろうが、米軍はさも当然の如くに主張している。可笑しな話しだ。と思っていたら、4月26日の沖縄タイムスに「嘉手納基地で不発弾処理ー住民避難、58号通行止め」なる記事が出た。4月23日17時頃、工事中に不発弾(米国製500ポンド砲弾1発)がでたという。それを4月25日20時から22時にかけて現場で処理するという。処理現場から半径480m以内の34世帯、66人の住民に待避しろという。国道58号も嘉手納ロータリーから水釜交差点間の交通を止めたのだ。
米軍は、住民がいるのに何故急いだのか? 自らの危険物をいち早く処理して、工事の円滑な進捗を図るためだろう。米軍は天候によっては危険性があるからだといっていたようだ。如何なる危険性なのか? 「土砂崩れが起きる」って?! 半径480m以内にそんな場所はあっただろうか。私もパラシュート降下訓練を撮るために4月19日現地に行っていたが、見えなかった。そもそも弾薬を日常茶飯に扱っている米軍は、弾薬(不発弾)を仮置きする資材をもっているだろう。いざとなれば、嘉手納弾薬庫がお隣にある。動かせば済むはずだ。どう考えてもこの場所で、発見後2日目にやる必然性はないだろう。屁理屈というか、身勝手な植民者丸出しの姿勢だと、言うしかあるまい。
沖縄防衛局は、日本国の出先機関ならば、このぐらいのことを米軍に問いただせ。嘉手納町も、嘉手納警察署も米軍の出先機関なのか? 米軍の無茶な要請に意見できなかったのだろうか。呆れかえる。
この工事現場とは2026年までに第33救難飛行隊のHH-60救難ヘリの新たな格納庫(整備拠点)を造る現場らしい。米軍は、住民説明会を開かずに強行している。沖縄防衛局もこれを容認している。また、米軍の勝手を通すために、翌日には住民を避難させ、爆破処理したのだ。こんなやり方は、余りにも身勝手だ。
この国も嘗められたものだ。私達沖縄市民は、言うべきことを言おう。可笑しな事はおかしいと。承知できないことはできないと。安全を生み出すのは、私達の努力に掛っているようだ。この際、はっきりと言おうじゃないか。米軍の横暴を丸呑みしている自公政権を打倒しよう。6月の県議選でも基地と住民の安全を様々な具体的なことから主張するべきだ。