本日2023年3月25日の沖縄タイムス(一面)に重要な記事。「流弾 米軍跳弾の可能性」だ。本件は昨年7月6日の事件。民家の窓ガラスが銃弾の一部である弾芯が貫通し、割れたのだ。
私がここで本件を取り上げるのは、以下の理由から。事件の真相は、まだ明確でないが、隠蔽されたくないから。弾芯が窓ガラスが割れ、家屋の中に落ちていたのは、誰かしらが発射しない限りありえない。当時在沖海兵隊は沖縄タイムスの取材に「実弾射撃訓練で使用された火気から発射されたはずはない」と答えていた。しかしここ金武町伊芸区では他に考えられない事案であり、在沖海兵隊はそう言うからには根拠を示していただきたかった。原因が存在しない結果はありえない。
時間が経ってしまえば、うやむやになるというモヤモヤ感も嫌だ。県警は科学捜査研究所で発射実験を繰り返し、被弾時の速度や方向を調べているという。既に破損窓ガラスと網戸に着いた溶け跡を確認しているようだ。今後の捜査の進展を期待したい。白黒ハッキリとつけていただきたい。
問題はたかが一発ではない。近くに複数のレンジ(射撃場)があり、下手をすれば落ちてくる可能性がある地域なのだ。現に過去に何度も類似の事件が起きている。このことは私自身が昨年現地を訪れて確認している。高低差と距離だ。通常は跳弾しないというのは当たり前だ。希に跳弾するとすれば、その原因を確定し、防止策をとる。取れない事情があれば、そこのレンジは使用しない。これ住民・市民の常識だ。軍の常識ではないとしてもこれを米軍にも自衛隊にも常識とさせるのが政治力(キャンプハンセンは米軍も自衛隊も使用している)。
それにしても日本政府、沖縄防衛局の米軍下請けの態度を改めさせない限り、類似の事件と隠蔽策は続くだろう。
以下は昨年7月の私の現地調査の報告。一点だけ補正。この弾芯は長さ・口径からいって重機関銃のものらしい。だとするとバタバタ飛び回りながら発射することはないだろう。しかし車両に乗せて移動を伴う発射はありうる。人家に当たって発覚したのは一発だが、場外の森の中などに複数発が落ちた可能性もある。希に発射の方向がズレるとすれば、大問題なのだ。99%ないとしても1%、否、0.1%もあれば大問題だ。