行政実例(昭和2年7月29日)によると、
財産区はその財産又は公の施設の維持管理上必要である場合においては、その限度内において寄附又は補助をすることができる。
とあります。
他方、地方自治法 第296条の5 第1項においては、
財産区は、その財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止については、その住民の福祉を増進するとともに、財産区のある市町村又は特別区の一体性をそこなわないように努めなければならない。
としています。
財産区から、同区域内の自治会や団体などに補助や寄附を行うことによって、財産区住民の福祉の増進している側面は、確かにあろうかと察します。
しかし、財産区住民の福祉の増進という大義名分によって、所有する財産や公の施設の範囲は際限なく拡大していきかねない側面も否定できません。
それだけに、補助金支出の可否は、財産区住民の福祉の増進に寄与するかどうかからのみ、判断できうるものではありません。
財産区の権能の本質から考えて、当該財産区の所有または設置する財産または公の施設の管理上、必要な限度内のものであるかどうかの観点から判断する必要です。
潤沢な財産貸付収入のある町の財産区では、毎回の予算書・決算書にもあるように、瑞穂小学校などに通う その区内の児童の遠距離通学費に対して、補助を出しています。
費用負担の軽減や子育て支援の観点、小学校統合と合わせて、無料化となった近隣市の事例などから、議員各位の一般質問において、全児童・生徒の通学費の無償化をとの訴えがつづいています。坂本議員が複数回、3月議会の一般質問でも、2人から提案がありました。
通学費の一部負担金は、町立小学校及び中学校の遠距離通学費一部負担金に関する徴収要綱 第5条において、
町長は、遠距離通学者の保護者から一部負担金を次のとおり徴収する。
(1) 小学校児童一人当たり 月額 500円
(2) 中学校生徒一人当たり 月額 1000円
ただし、8月分は徴収しない。
と定めています。
したがって、どこの財産区の構成員(区域内の住民)かといった視座でなく、全町的な観点から、子育て世代の負担を軽減する助成が必要な事業と考えます。通学費が就学援助の対象になっている所以も ここにあるはずです。
同法の規定にある 全町的な一体性を損なっているという点を改め、全町的な支援へ拡大すべきという視点から、本日の予算委員会で見解を質していきます。