2011-0915-man0349
万葉短歌0349 生ける者0305
生ける者 遂にも死ぬる ものにあれば
この世にある間は 楽しくをあらな 大伴旅人
0305 万葉短歌0349 ShuB178 2011-0915-man0349
□いけるもの つひにもしぬる ものにあれば
このよにあるまは たのしくをあらな
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第十二首。
2011-0915-man0349
万葉短歌0349 生ける者0305
生ける者 遂にも死ぬる ものにあれば
この世にある間は 楽しくをあらな 大伴旅人
0305 万葉短歌0349 ShuB178 2011-0915-man0349
□いけるもの つひにもしぬる ものにあれば
このよにあるまは たのしくをあらな
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第十二首。
2011-0914-man0348
万葉短歌0348 この世にし0304
この世にし 楽しくあらば 来む世にも
虫に鳥にも 我れはなりなむ 大伴旅人
0304 万葉短歌0348 ShuB178 2011-0914-man0348
□このよにし たのしくあらば こむよにも
むしにとりにも われはなりなむ
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第十一首。
2011-0913-man0347
万葉短歌0347 世間の0303
世間の 遊びの道に 楽しきは
酔ひ泣きするに あるべかるらし 大伴旅人
0303 万葉短歌0347 ShuB178 2011-0913-man0347
□よのなかの あそびのみちに たのしきは
ゑひなきするに あるべかるらし
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第十首。
2011-0912-man0346
万葉短歌0346 夜光る0302
夜光る 玉といふとも 酒飲みて
心を遣るに あに及かめやも 大伴旅人
0302 万葉短歌0346 ShuB178 2011-0912-man0346
□よるひかる たまといふとも さけのみて
こころをやるに あにしかめやも
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第九首。
2011-0911-man0345
万葉短歌0345 価なき0301
価なき 宝といふとも 一坏の
濁れる酒に あにまさめやも 大伴旅人
0301 万葉短歌0345 ShuB178 2011-0911-man0345
□あたひなき たからといふとも ひとつきの
にごれるさけに あにまさめやも
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第八首。
2011-0910-man0344
万葉短歌0344 あな醜0300
あな醜 賢しらをすと 酒飲まぬ
人をよく見ば 猿にかも似む 大伴旅人
0300 万葉短歌0344 ShuB178 2011-0910-man0344
□あなみにく さかしらをすと さけのまぬ
ひとをよくみば さるにかもにむ
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第七首。
2011-0909-man0343
万葉短歌0343 なかなかに0299
なかなかに 人とあらずは 酒壺に
なりにてしかも 酒に染みなむ 大伴旅人
0299 万葉短歌0343 ShuB178 2011-0909-man0343
□なかなかに ひととあらずは さかつぼに
なりにてしかも さけにしみなむ
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第六首。
2011-0908-man0342
万葉短歌0342 言はむすべ0298
言はむすべ 為むすべ知らず 極まりて
貴きものは 酒にしあるらし 大伴旅人
0298 万葉短歌0342 ShuB178 2011-0908-man0342
□いはむすべ せむすべしらず きはまりて
たふときものは さけにしあるらし
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第五首。
2011-0907-man0341
万葉短歌0341 賢しみと0297
賢しみと 物言ふよりも 酒飲みて
酔ひ泣きするし まさりたるらし 大伴旅人
0297 万葉短歌0341 ShuB178 2011-0907-man0341
□さかしみと ものいふよりも さけのみて
ゑひなきするし まさりたるらし
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第四首。
2011-0906-man0340
万葉短歌0340 いにしへの0296
いにしへの 七の賢しき 人たちも
欲りせしものは 酒にしあるらし 大伴旅人
0296 万葉短歌0340 ShuB178 2011-0906-man0340
□いにしへの ななのさかしき ひとたちも
ほりせしものは さけにしあるらし
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第三首。
2011-0905-man0339
万葉短歌0339 酒の名を0295
酒の名を 聖と負せし いにしへの
大き聖の 言の宜しさ 大伴旅人
0295 万葉短歌0339 ShuB178 2011-0905-man0339
□さけのなを ひじりとおほせし いにしへの
おほきひじりの ことのよろしさ
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第二首。
2011-0904-man0338
万葉短歌0338 験なき0294
験なき ものを思はずは 一坏の
濁れる酒を 飲むべくあるらし 大伴旅人
0294 万葉短歌0338 ShuB178 2011-0904-man0338
□しるしなき ものをおもはずは ひとつきの
にごれるさけを のむべくあるらし
○大伴旅人(おほともの たびと)=原文題詞は「大宰帥大伴卿」(だざいのそち おほともの まへつきみ)。第316歌参照。
【編者注】大伴旅人賛酒歌十三首の第一首。
2011-0903-man0337
万葉短歌0337 憶良らは0293
憶良らは 今は罷らむ 子泣くらむ
それその母も 我を待つらむぞ 山上憶良
0293 万葉短歌0337 ShuB176 2011-0903-man0337
□おくららは いまはまからむ こなくらむ
それそのははも わをまつらむぞ
○山上憶良(やまのうへの おくら)=原文題詞は「山上憶良臣」(やまのうへの おくらの おみ)。第34歌、63歌参照。
【編者注】第337歌原文。題詞「山上憶良臣罷宴歌一首」、詠歌「憶良等者 今者将罷 子将哭 其彼母毛 吾乎将待曽」。
2011-0902-man0336
万葉短歌0336 しらぬひ0292
しらぬひ 筑紫の綿は 身に付けて
いまだは着ねど 暖けく見ゆ 満誓
0292 万葉短歌0336 ShuB174 2011-0902-man0336
□しらぬひ つくしのわたは みにつけて
いまだはきねど あたたけくみゆ
○満誓(まんせい)=原文題詞は「沙弥満誓」(さみ まんせい)、同脚注に「俗姓笠朝臣麻呂也」(かさの あそみ まろ)。「笠朝臣麻呂の出家した時の名。美濃守、尾張守、右大弁等を経て、養老五年(721)五月十二日、元明天皇の病気平癒を祈るため出家。同七年二月、造営を命ぜられて筑紫観音寺別当(大宰府の都府楼近くの観音寺の長官)として赴任し、旅人と親交を結んだ。」 沙弥は「入門したばかりの僧の称。僧侶として最小限の資格であるである十戒を受けたばかりで、それ以上の段階に進んでいない男性をいう。」 第123歌併照。
【編者注】作者名の読みは、岩波版・小学館版とも「まんぜい」。
2011-0901-man0335
万葉短歌0335 我が行きは0291
我が行きは 久にはあらじ 夢のわだ
瀬にはあらずて 淵にしありこそ 大伴旅人
0291 万葉短歌0335 ShuB170 2011-0901-man0335
□わがゆきは ひさにはあらじ いめのわだ
せにはあらずて ふちにしありこそ
○大伴旅人(おほともの たびと)=第316歌参照。
【編者注】「帥大伴卿歌五首」の第五首。