UN大浦のブログ

徒然なるままの手記。
大半が、山と猫様、そして妄想の徒然草。

下山してから、歩いた距離=武生〜福井の距離

2015-11-23 20:02:49 | 日記
 
「もし一つの県から一つの代表的な山を選ぶとしたら、という考えが前から私にあった。
 福井県はその県界の白山山脈南半の稜線上に多くの峰を有している。(中略)勝山から大野へ向う間から眺めた荒島岳は、文句なしの立派な山であった。」

 (深田久弥「日本百名山』の一節より)
  


 今回の登山の極みは、終わってから始まった。

 秋も盛りを過ぎてきて、登山口の木々にはもう葉は残っていない。
 枯葉がもたらしてくれた足元の豊かな土壌。踏みしめる毎に足裏に感じるふかふかとした豊かな感触が、命の循環を感じさせてくれる。
 今は動物たちが冬を越えるために蓄えをする大事な時期。



 ある程度道が整備されている一般コースとは異なり、
 上級者コースは誇張でも何でもなく死をいつもより身近に感じられる。
 たとえ1,500m級の登山であっても侮ってはいけない。湿った枯葉で不安定な足元。
 ロープを手繰り寄せながらでないと絶対に上がることができない急な斜面。全身のバネをフル活用して進みながら、足腰にも、上半身にも疲労が徐々に蓄積する。
 途中に何度も出てくる「滑落注意」の警告板。
 少しでも足を滑らしたら、二度と帰れなくなるのは目に見えているので、なおさら神経がすり減っていく。
 しかし同時にこんな貴重な登りは滅多にないという思いも。
 一言、ここは楽しい。
 


 

山頂から望む眺めは圧巻の一言。
雪に覆われている様をまだ伺うことはできないが、白山、赤兎山など、これもまた見事な山々が、雲の向こうに見てとれる。

 
 吹きすさぶ風があまりに強く、動画撮影にも使用していたipadも手を離した瞬間に風の精霊たちのおもちゃにされてしまいそう。
 頂上で読む深田久弥の一節が大野の素晴らしさを教えてくれる。
 下山に向けて食すみたらし団子。暖かい物が食べたい気持ちがあるが、やはりこういった甘い物が私の性質には合っている。


 




 さすがに上級者コースでの下山は無理だと判断し、帰りは一般コースでの下山に。
 上級者コースでは一人しかすれ違うことがなかったのに対し、こちらでは30名ほどとすれ違う。登り時に感じていた一種の寂しさからは解放され、帰りは2時間ほどで下山。

 しかしここからが今回の地獄。
 車を止めた上級者コースの入り口まで戻らなければならない。

 道もわからないが幸いにも時間はまだある。午後2時半。さぁ、目的地に向けただ歩く、歩く。
 下山した時点で足は笑って痙攣していたが、歩く、ただ歩く。
 手持ちの水分も切れてしまったが、お金は車内にあるため、通自動販売機がたとえあっても前を泣く泣く通り過ぎるしかない。
 体の痛み、頭痛具合から体内の水分も切れているのがわかる。これは少し危ない凶兆。

 ただ、歩く。
 ダムの付近のため、傾斜が続く。車がそばを無情にも通り過ぎていく。
 休憩を繰り返し、ただ歩く。この時期の午後4時は危険だ。
 釣瓶落としのこの季節。一瞬で日は落ちてしまう。
 急げ。動け。頑張れ。動け。指示を送るが、もう足も、ザックを背負った肩も限界。
 
 ようやくたどり着いた時には、時計が午後5時半を回っていた。
 下山してから3時間を歩いていたことになる。車中に転がるように倒れこんだ。

 ちょうど車にたどり着いた時点で警察車両が近くを通り過ぎていった。気のせいかもしれないが、こちらを見ていた気もする。
 「さすがにこの時間帯にこの方角へと歩く人の姿をおかしい」と思ってくれた親切な誰かが交番に通報してくれたのかもしれない。
 迷惑をかけてしまったと素直に反省。

 今回は圧倒的に下調べが足りなかった。
 地元福井ということで油断し、地図での下調べをしていなかった。
 山の楽しさ、怖さを痛感した1日だった。登山とは、知識のスポーツだとまた実感。

 しかし、21㎞か・・・歩きましたな・・・

共に腹を壊しに行きませんか。

2015-11-15 19:39:38 | 日記
 冬眠に備える必要があります。

 naturalboneな寒さ嫌いなので、寒冷期は毛布が私の愛しい方リストの上位に食い込みます。
 あまりの貢献具合から、擬人化してしんぜますゆえに。
 ふわふわもふもふの毛布でぬくぬくスヤスヤ。ああ、さようなら。もう帰ってきたくないなぁ

 ・・・時は冬!まだだけど、気分的にはいつも冬! 彼女いないし!
 寒し! 寝たし! 彼女欲し! 動きたくなし! 1日中、ワイン飲みながら、映画見てたし!
 現実を忘れるため冬眠せねば!
 そのためには、御身に宿る毛布も手に入れねば!脂肪という名を冠する毛布を!
 
 次郎系ラーメンが食べたい、そんなお年頃。
 考え出したヤツ頭悪いやろ、と思えるぐらいのギッタギタの醤油ベーススープ。
 過保護なもやしがしゃしゃり、実際はシャキシャキ出てきたために届かない太麺!
 あの、生前の面影すら感じられる厚さをもったトロトロ豚・・・幸せ・・・

 でもね、胃腸がびっくりするのか、
 絶対に!お腹を壊すのだよな・・・二日間トイレに呪縛されるのだよな・・・
 
 
 

連れてかないで。

2015-11-10 23:43:12 | 日記
 朝礼の折、私がいつも立っている位置からは虚(うろ)がよく見える。
 また虚もこちらを覗いている。

 朝礼を行う長方形型のこの部屋は、
 50余名が周囲にぐるりと立ち並ぶと若干の窮屈さを感じる程度の広さであるが、私はいつも長辺の片側を定位置にしている。
 休憩室とは扉一枚越しで隣同士になっていて、ちょうど私の定位置から真正面を見ると、その休憩室側の扉と向かい合う形となる。
 皆が周囲に立って朝礼に臨むため、必然的に扉の前にも人は立つ。
 ただ、風通しが悪いので、扉は開放したままが多い。
 その一箇所だけ、背後が続いている。ぽっかりとした空間に続いている。

 その位置にいるのは、最近では◯◯さんの時が多い。会社には数え切れない程の華が咲き誇るが、◯◯さんも笑顔が素敵な華の一人だ。
 いつも爽やかな光を生み出しているが、その光が「彼ら」の求める元になるのかもしれない。

 いくら朝とはいえ光が行き届かない暗い部分も多いので、朝礼の時には室内灯を照らす。
 そのため、扉が開いていると事の他、休憩室側の闇が私の位置からは際立って見える。その前に立つ女性自身が明るいと、なおさら闇が際立つ。

 休憩室側には水道もあるが、蛇口が閉められてないのか水がしとしと落ちる音も聞こえてきそうだ。
 ぽとっ、ぽと。                ぽとっ、ぽと。                   ぽと。   
 闇が際立つ。

 突然、扉の前に立つ女性が、向こうに連れて行かれるのではないかと考えてしまう。
 虚が連れて行く。
 そしてなぜだか、誰も気づかないのでは、とも。
 
 朝礼が終わっても、お昼になっても、定時になって皆が帰社しても。
 そして翌日になって、自分の空想が空回りしただけだったように、いつも通りの朝の挨拶を携え彼女は現れるだろう。

 ただ、不思議な事に扉の前にはもう彼女が立つ事は無くなる。そこには新たな贄を・・・





 まぁ・・・こんな事を考えながら朝礼に臨んでいるわけではありませんよ (○´―`)ゞ ポリポリ
 考えてるのは大抵が、「あーー、眠し」かな・・・いや、しょうがないです。毎朝、5時半起きだもん。勘弁です!!

道を間違えて。

2015-11-10 07:59:53 | 日記
 11月の異称は種種あれど、
 そのうちの一つに「神帰月(かみかえりづき)」という呼称がありまする。

 神無月(かんなづき)(陰暦10月)に出雲大社に集まった神々がもとの国に帰ってくる月ではありますが、
 そもそもあやつら、縁結びの談をするために全国から一同に会しているのでありますよ。
 Y談好きの神様たちめ・・・実におもしろそうだわいな・・・

 神様、帰り途間違えてこっち来ないかな・・・
 縁結びの神様限定で来ないかな・・・

 むしろ女神様来ないかな・・・

すれ違ったのは、若干3名。

2015-11-08 19:01:55 | 日記
  

 何かがおかしい、とは最初から思っていた事。
 ただ、疑問には蓋をして登って行きました。臭いものには蓋をするのが私の生き方です。
  
 標高1500〜2000m程では、まだ鳥たちの鳴く声も、足跡にびっくりして飛び立つ音もして、
 その度に、「ごめんよ。ちょっくら通らせてもらいます。」と歩き続けていました。

 しかしながらそれも2000mまでの事。天気が優れない事も相まって生き物の気配が徐々に感じられなくなっていきます。
    

 周囲の響きにいくら耳を傾けようとも、音は自分からしか出てきません。
 音を生み出すのは、自らの濶歩と呼気の音。
 行動食を麓でアンパンしか買ってこなかったため、途中何度も体が訴えてきました。「足りないよ。水分も足りてないよ。」と。脚がガクプルガクプルです。
 
 また、この日は生憎の悪天候。
 人に道を譲ることも譲られることも全くなく、室堂もご覧の有様。もう閉じる時期だったのでしょうか。
 

 ちなみに、麓は秋を象徴する紅葉の色が非常に映えておりました。
 
 高低差で自然が見せてくれる景色の対照的なこと。

 
 ちなみに時間による対照はこんな感じです。
 
 


 さぁ、最初に感じていた疑問は何だったのか?
 どうやらですね・・・登山道をそもそも間違えていたようです。
 「白山は道が整備されているため初心者も安心して登ることができます。」

 ・・・んっ、整備???
  ・・・・はてっ???? あれが・・・???? 整備??? 安心??? 

 帰ってからググったら、まずは橋を渡るとの事。
 アーーー、そういやこんなのありましたわ・・・