【御嶽山(長野県・岐阜県に跨がる独立峰。日本百名山のひとつ。)】
御嶽山の最高峰・剣ヶ峰。標高は3,067m。
池も含め、一面が火山灰に覆われている。
「あれは...、御嶽山ですね。今日もよく見えるなぁ。」
白山からも、北アルプスをはじめとする他の山頂からも、
天気が良い日に一望するだけで、はっきりと「ソレ」だと山座同定が出来る特徴的な風貌。
「木曽の御嶽山」とも呼ばれ、山頂部は東西1km、南北4kmに広がり、一つの独立峰としては日本最大の山域との事。
ある時点を境に、
かの山は、多くの人にとって「触れてはいけない禁忌の山」となったのでは無いでしょうか。
2014年9月27日。
この日起きた突如の大噴火。未曾有の山岳災害。
山頂近くにいた登山者の内58人死亡、5人行方不明(いまだ捜索中)。
当時、ニュースで大規模な噴煙を目にした時、自然の圧倒的蹂躙力と人間の儚さを感じたのを覚えています。
不謹慎ですが、あまりの自然の力に、噴煙を吐き出している様に、一種の美しさを感じてもしまいました。(圧倒的な息吹)
2017年8月に「警戒レベル1」に引き下げられて二年。
日頃登山をやらせてもらっている矮小な身として、
「戒め」とは違うかもしれませんが、いつか一度は登らなければならない、
そう思っていた山に今回は向かいました。
最近、仕事で悩みが尽きないため、何か巨大なものに触れ、無心になりたかったのかもしれません。
御嶽山の登山口としては、
王滝口(田の原)/黒沢口(中の湯)/開田口/飛騨口・濁河温泉口と複数あるようですが、
今回はアクセスも楽そうな「黒沢口(中の湯)・6合目」を選択しました。
*王滝口(田の原)・・・令和2年8月1日(土)午前8時から 田の原遥拝所~王滝頂上の登山道に限った規制緩和を実施。
いずれのルートもなだらかで登りやすく、
危険箇所はありません。
あの日、大噴火が起きる以前から、そもそもハイキング等で手軽に登れる山でもあったようです。
ちょうど梅雨明けで、山小屋の方曰く、
「7月からずぅっと雨で、今日ようやくお天道様を見た。2ヶ月間の中でも、最高・最良の日!!」とお声を頂きました。
今後の自分の登山も含め、
生き方を考える、不思議な山行になりました。
ここ数ヶ月、
美しいものを、「美しい」と感じられないという精神状態でしたが、
少し、何かを取り戻せたような。そんな心情に、少なくとも登山中だけでもなったような。
自分のオリジンは、なんなのか。
また考えます。
美しい、不思議な空気が漂う山でした。
(登山中になぜかカメラが不具合を起こし、下山後直りました。空気中に漂う火山灰の影響か?なにかか。)
「鋼鉄城のカバネリ」の要塞みたいな山小屋。
標高2800mにある天空の山小屋から、早朝には雲海を眺められます。世界観変わるでしょうね。
山岳信仰(御嶽信仰)の山なので、途中至るところに、関連するものが。
山頂部では、山岳信仰の修行者の方々が読経しています。
読経の側で、この蒼さを見ると、色々な事に心が「寄ります」。
広角レンズでの全貌撮影。
山頂の剣ヶ峰の帰り、
二の池ヒュッテに立ち寄ります。
そこからの摩利支天山の眺め。
摩利支天山方面に向かいます。
摩利支天山からの眺め。
摩利支天山 山頂(2,959m)。
通常であればなんてことの無い、楽道ですが、カメラ機材があるため、バテバテでした。
摩利支天からの戻り。二の池ヒュッテと剣ヶ峰を一望できます。雄大。
途中の分岐路から。三の池が見えます。
三の池。
美しい。と久々に思えました。