公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

在宅投票で公営競技復活か?

2006-02-09 00:00:56 | 公営競技論

週間レース2月5日号によると、JRAの電話投票売り上げがついに43%超に達し、しかも前年比3.1%アップ。逆に前年比5.5%減に終わり、ここ数年も不振が続く専用場外売り上げを完全に凌駕し、JRA馬券売り上げの主流を占めるようになった。

対して他競技の電話投票に占める売り上げの割合はせいぜい13~16%程度。

確かにJRAの場合、今や専門紙はコンビニの店舗急拡大により全国くまなく発売を果たし、加えて地上波テレビ中継もほとんど全国をカバーするようになってきている。つまり「情報のインフラ」拡充が大きく牽引している。

公営競技に全く縁のない沖縄であるが、若者を中心にちょっとした「競馬ブーム」になっているのだとか。むろん、JRAであるが。

なぜ沖縄がこうなったかというと、それは「インターネット投票」ができるようになったからである。

沖縄といえばスポーツ紙でさえ公営競技の話題を一切掲載しない地として有名であり、無論専門紙の発売などもありえない地であるが、今やマスコミ媒体など使わなくともインターネットがあれば情報はある程度つかめてしまうし、おまけにジャパンネットなどのネットバンキングがあれば馬券だって買えてしまう。またレースだってJRAビデオインタラクティブなどを使えばハイライトぐらいは見れてしまうわけだし。ま、NHKだと地上波でも年7回ぐらいは中継があるが・・・

そして一番重要なのは、沖縄という地でも公営競技の需要が「ある」ということである。

沖縄では大昔、競輪場を作る計画やはたまた競輪の場外も計画もあったがいずれも頓挫。ということで、沖縄では公営競技はダメなのか?と思われたものだが、実は「違っていた」ということになる。

またJRAとて沖縄への施策を取り立てて施したわけではあるまい。

2月5日に「ファンのため」って何なんだ?と題してお送りしたが、その中で、

「ファンの動向」なんてものは、はっきりいって予測不可能だろ。

と述べた。確かにある意味そうである。まさか「公営競技不毛の地」沖縄でちょっとしたとはいえ、ブームになっているとは誰しも思うまい。

但し、「最低限やっておくべきことはやっておけ。」とも書いた。

ま、電話投票、いまやインターネット&モバイル投票であるが、それを促す情報のインフラなるものもJRAは率先して行なっていたその結果ともいえる。

但しインターネット投票者は概ね買い方が細かく、その結果売り上げは伸びないというジレンマを抱えている。となると、やはりもっと大勢の「ファン」に来てもらおうということで「せめて」ウインズでも、ということになるのだろう。

しかしウインズを建設するとなると地域住民の反対が予想され、しかも今や一部のウインズを除けば有馬記念などの開催日でもない限り客はまばらの状態。はっきりいってウインズ建設はいささか得策ではない現状だ。

ということはJRAの場合、他競技と比較していささか遅れを取っているインターネットインフラを拡充していけばもっとファン拡充はできるかもしれない。

対して、他競技の場合はいささか緩慢な動き。せっかくインターネット投票が存在しても売り上げシェアはほとんど伸びていない。

競輪・競艇・オートレースの場合、一部のレースを除くと競馬みたく「一発勝負」のレース形態とはならないことがネックとなっているわけだが、一方で「慣れれば」、

予想紙なんかいらない!

と豪語するファンも少なくないのが上記3競技の特徴でもある。

とりわけ「もったいない」のが競輪で、オリンピック競技にもなり、ワールドカップや世界自転車選手権といったビッグゲームはNHKのBSでダイジェスト放送もしてくれているというのにそれが全く生かされていない。いわゆる、

「競輪はケイリンとは違いますから。」

という壁を競輪を知る人間が作ってしまっている結果、新規のファンはほとんど増えていないし、競技スタイルも全然違うように思われているから自転車競技ファンからも相手にされない。例えばテオ・ボスの名は知っていても、競輪選手の名前を全く知らない自転車競技ファンは多い。

そしてこんなことを言うのはなんだが、世界への道が事実上ない競艇及びオートレースがどんなに独自のPRをしたところで急なファン拡大など望めないように思う。だとすれば「どうしたらいいのか」?

幸い、オートレースは競輪と業務面において一緒になることが決まっている。ということは、「虎の威を借りる狐」ではないが、ワールドスポーツの競輪の威を借りてPRしていく他ない。

昔みたく、

「競馬はやるけど競輪みたいなガラの悪いバクチはやらん!」

とかいうファンは若い人ほどいないことだろう。だったら競馬ができるんであれば競輪もできるし、ならば競艇もオートレースも「できるはず」である。

となれば、やはり「世界へ通ずる道」が存在する競馬と競輪が牽引していき、それに追随させる形で競艇やオートレースも繁栄させていくというのが一番の筋道といえるわけだが。

今や開催過多やバッティングで客の奪い合いをやっているような場合ではなかろう。

となれば、ジャパンネットやイーバンクでは金銭的な面ではできるわけだが、せめて在宅投票ぐらいはシステム自体も公営競技統一の姿勢は取れないものなのか?そして、在宅投票拡充がひいては公営競技復活への道しるべになるような気がするわけだが。


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