公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

グランプリ2019回顧

2019-12-23 06:19:20 | 大レース回顧集












関連記事:12/22 住之江・グランプリ & グランプリシリーズ 各優勝戦




ボートレース住之江のナイターSG「第34回グランプリ」は22日、12Rで優勝戦が行われた。1号艇の石野貴之(37=大阪)がインから押し切って1着。11月の桐生チャレンジカップに続く8度目のSG制覇と共に、悲願のグランプリ初優勝を飾った。黄金のヘルメットと優勝賞金1億円を授与され、今年の獲得賞金は2億円の大台を突破。ランキング1位が確定した。同時開催のSG「グランプリシリーズ」は11Rで優勝戦が行われ、3号艇の馬場貴也(35=滋賀)がまくり差しで快勝。2度目のSG制覇を達成した。

 自らつかんだポールポジションを味方に、石野は絶対的な自信と強い気持ちで臨んだ。「足は完璧だった。ただ普段過ぎて負けるパターンかなと思うくらいだった」。あえて緊張するよう自分を追い込むほど、リラックスして過ごした。1Mのわずかなミスを逃さなかった桐生の鋭い差しをバックで振り切り、2Mで完全に突き放した。割れんばかりの石野コール。「今までで一番凄い歓声だった」。ど派手なガッツポーズで歓声に応えた。

 エンジン出しにも自信があった。トライアル2nd組は何を引いても信頼の好素性機だからだ。「最後は仕上がると思う」。調整すれば出る。走る前からそう確信していた。

 昨年は6、4着で石野の頂上決戦は1stであっけなく終わり、初出場から続いていたファイナル進出は5で途切れた。エンジンも勝ち上がり方式も優遇される2nd組が絶対的に有利ということを思い知らされた。賞金ランク7位でチャレンジカップを迎えた石野は“優勝”へと突き進み、ベスト6入りを決めた。それは今大会Vに向けた強烈なアピールでもあった。

 優勝劇の決定打はトライアル2nd3回戦。激しいコース争いを尻目に石野はカドの5コースを選び、強烈な攻めをサク裂させた。「僕の内に毒島君がいて1号艇を獲るにはまくるしかないと思って腹をくくれた」。毒島からポールポジションを奪い、人目をはばからず1日早いガッツポーズを何度も見せた。それはイン戦に対する絶対的な自信の表れでもあった。そして記者に囲まれると、まるで優勝したかのような晴れやかな笑顔を振りまいた。

 SG連覇で締めくくった19年。松井繁以来、大阪支部が10年ぶりにグランプリのタイトルを奪還した。それも舞台は地元の住之江だ。「周囲の期待を感じながら走ってきて、やっと応えられた。勝てる大会を逃したこともあったし長かった。これからはもっと精進して強くなりたい。グランプリ最多の4回目の優勝を目指していきたい」。浪速のエースの伝説は、この令和元年から始まる。

 ◆石野 貴之(いしの・たかゆき)1982年(昭57)6月3日生まれ、大阪府東大阪市出身の37歳。02年5月に大阪支部所属の90期生として住之江でデビュー。03年10月の宮島新鋭リーグで初優勝。SGは10年まるがめオーシャンカップで初優出、初優勝、26優出8V。通算成績は1227勝、57V。主な同期は吉田拡郎、赤坂俊輔、渡辺雄一郎ら。1メートル65。血液型O。





 ◆住之江SG第34回・グランプリ最終日(22日・ボートレース住之江)

 ボートレース住之江の「SG第34回グランプリ」の「グランプリ優勝戦」は22日、第12Rで行われた。1号艇の石野貴之(37)=大阪支部、90期=が、1コースから逃げて優勝。2号艇の桐生順平が2着、4号艇の白井英治が3着に入った。

 SG8度目、グランプリは初制覇の石野は「ほっとしました。最後まで調整したかいがあった。やっと1回取れた。もっと強くなって2、3、4回と取れるように頑張ります」と笑顔。今回のVで優勝賞金1億円を獲得し、2019年の賞金王にも輝いた。



大阪支部選手のグランプリ(賞金王決定戦)優勝者は、野中和夫(1988、1992、1993)、太田和美(1998)、松井繁(1999、2006、2009)、田中信一郎(2001、2003、2004)に続き、石野が史上5人目。

住之江で開催されることが圧倒的に多いこの大会なだけに、石野も、このタイトルだけは是が非でも獲りたいと、前々から抱いていたわけだが、ついにそのときがやってきた。

しかも、チャレンジカップに続いてSG連覇を達成というおまけ付きだ。

今後も大阪のエース選手として、報知の記事にある通り、2回、3回と獲ってもらいたい。





・気温 5.0℃
・雨
・風速 1m
・水温 9.0℃
・波高 1cm


1 1 4168  石野  貴之 1'46"1
2 2 4444  桐生  順平 1'47"4
3 4 3897  白井  英治 1'49"2
4 5 3783  瓜生  正義 1'50"2
5 3 4238  毒島   誠 1'51"7
6 6 3854  吉川  元浩 1'52"1
スタート情報
1
.17  逃げ
2
.15 
3
.14 
4
.14 
5
.17 
6
.17 

勝式 組番 払戻金 人気
3連単
1-2-4
¥730 2

3連複
1=2=4
¥420 2

2連単
1-2
¥280 1

2連複
1=2
¥240 1

拡連複
1=2
¥140 1
1=4
¥180 3
2=4
¥280 5


単勝
1
¥120

複勝
1
¥100
2
¥150

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有馬記念2019回顧

2019-12-23 06:13:25 | 大レース回顧集















関連記事:12/22 中山・有馬記念




圧巻リスグラシュー、有終V!!G1馬11頭が集結した豪華グランプリ「第64回有馬記念」が22日、中山競馬場で行われた。2番人気リスグラシュー(ファン投票2位)が豪快に突き抜け、5馬身差圧勝。G1・3連勝、牝馬初のグランプリ春秋制覇でラストランを飾り、総獲得賞金(海外含む)は12億円を超えた。騎乗したダミアン・レーン(25=豪州)、管理する矢作芳人師(58)はともに有馬記念初挑戦で初制覇。一方、単勝1・5倍の断然人気に推されたアーモンドアイはまさかの9着大敗。最初で最後の“女王対決”は明暗が分かれた。 【レース結果】
 歓声と悲鳴が交錯した最後の直線。先に動いたアーモンドアイがなぜか伸びない。逆に一瞬で外に出したリスグラシューだけ火が付いた。中山名物の急坂を瞬間移動で駆け上がり、最後は独り舞台。2着サートゥルナーリアに5馬身差。G1馬11頭の豪華決戦の余韻を楽しむように、悠々とゴールを駆け抜けた。

 9万大観衆を前にしたレーンの顔は紅潮していた。

 「偉大な馬です。コックスプレートも勝って、成長を感じていたので自信を持って乗った。でも、今は2つの気持ちが入り交じっている。確かにハッピーなんです。ただ勝ったら次の競馬をすぐ考えるけど…。これまで乗ってきた馬では一番強い。世界一を狙えるかもしれないので残念です」

 ラストランは分かっていた。特例で認められた1日限定免許。だから、悔いのない騎乗を…。逃げたアエロリットが前半5F58秒5のオーバーペースと見るや、中団インで脚をためた。「スタートは出たけど、速いと思って自分のペースを守った。4コーナー?あまりに手応えが良くて外に出した。(自国の)豪州でも1週間通してこれだけ盛り上がるレースはない。素晴らしい有馬記念に乗せていただいたことを感謝しています」

 表彰台で照明を浴びた矢作師は感激に震えていた。

 「感無量ですね」

 開業15年目にして初の有馬記念挑戦。5歳になって、令和に元号が変わり、宝塚記念→コックスプレートと急成長を見せた愛馬で大仕事を成し遂げた。「有馬記念は競馬ファンにとって一年の集大成。特別な思いがあるし、言葉では言い表せないものがあります」

 輸送減に悩んだのは昔話。この日はデビュー以来最高の468キロ。筋肉ムチムチの堂々たるボディーに変貌を遂げていた。指揮官は「豪州遠征の後、有馬に向かう過程でまた一段と成長した。だから、悔いのないようにしっかり仕上げたんです」と目を細めた。

 牝馬による同一年の春秋グランプリ制覇は史上初の快挙。今年G13勝。年度代表馬の座も狙える快進撃で、22戦の華麗な競走生活に終止符を打った。師は「素晴らしい、ありがとう。史上まれに見る名牝だと思う」と愛馬に最大の賛辞を贈った。

 年明けの1月19日、エリザベス女王杯を制した思い出の京都競馬場で引退式が行われる予定。初めての花婿はロードカナロアが候補に挙がっている。香港、豪州も走り抜き、国内も世界も制圧した遅咲きの名牝。小雨降る師走の中山で「優美な百合」は見事に咲き誇った。

 ◆リスグラシュー 父ハーツクライ 母リリサイド(母の父アメリカンポスト) 牝5歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績22戦7勝(うち海外3戦1勝) 総獲得賞金12億1720万100円。





まさか。単勝1・5倍(支持率50・95%)の圧倒的1番人気アーモンドアイは直線で馬群に沈み9着。56日前、府中の天皇賞・秋で見せた衝撃的な強さは中山では見られなかった。「これも競馬」。ルメールは肩を落として検量室の中へ消えた。

 敗因は?鞍上と国枝師の見解は一致した。状態は申し分なし。ゲートも無難に出て、すぐにフィエールマンの直後につけた。しかし、“打倒アーモンド”を掲げるライバルたちも好位置を求めて殺到。激しいポジション争いで隊列が入れ替わり、アーモンドアイは馬群の外へ。前の壁がなくなり平静さを失った女傑は、スタンド前の大歓声にさらにエキサイトした。「1周目でリラックスできなかった。ハミをずっとかんでいた。2500メートルと距離が長いので冷静に走れなければ、いくらアーモンドアイでも最後は疲れてしまう」(ルメール)。道中でスタミナを消費し、直線では全く見せ場なし。指揮官も「いつもの走りが見せられなかった。前に壁がつくれず1周目でスイッチが入ってしまった。最後はガス欠。残念です」と振り返った。

 熱発で香港遠征を中止してのグランプリ電撃参戦。ノーザンファームの吉田勝己代表は「やはり熱発の影響もあったかもしれない。初めての距離もどうだったのか」。今後のプランは白紙。国枝師は「今のところレース後の馬の状態は大丈夫。今後についてはまだ決まっていない。ぼう然自失なので」と話すにとどめた。

 ファン投票ではただ1頭、10万超え(10万9885票)の熱い支持を集めた“競馬ファンでなくとも名前を知っている馬”。16通りある単勝馬券では、2人に1人がアーモンドアイを応援した。今年のグランプリを盛り上げたのは間違いなくアーモンドアイだった。





有馬記念の売得金は468億8971万4600円で前年比107.4%と大幅にアップ。空前の豪華メンバーで購買意欲が上がったと考えられる。一方、22日の中山競馬場の入場人員は雨予報が響いたのか、9万374人で前年比90.2%と大幅にダウンした。


アンカツ(安藤勝己)






 22日、中山競馬場で行われた第64回有馬記念(3歳上・GI・芝2500m・1着賞金3億円)は、中団後方でレースを進めたD.レーン騎手騎乗の2番人気リスグラシュー(牝5、栗東・矢作芳人厩舎)が、直線で一旦は先頭に立った3番人気サートゥルナーリア(牡3、栗東・角居勝彦厩舎)の外から脚を伸ばして一気に突き抜け、最後はこれに5馬身差をつけ優勝した。勝ちタイムは2分30秒5(良)。

 さらにクビ差の3着に4番人気ワールドプレミア(牡3、栗東・友道康夫厩舎)が入った。なお、1番人気アーモンドアイ(牝4、美浦・国枝栄厩舎)は直線で伸びを欠き9着に終わった。

 勝ったリスグラシューは、父ハーツクライ、母リリサイド、その父American Postという血統。D.レーン騎手とのコンビで宝塚記念、コックスプレート(豪)、そしてこのラストランの有馬記念を見事制覇し、GI・3連勝で有終の美を飾った。また、本馬を管理する矢作芳人調教師は有馬記念初出走で優勝を果たした。

【D.レーン騎手のコメント】
 相手が強いことは分かっていましたが、宝塚記念からコックスプレートの間で馬は強くなり、そしてこの有馬記念までにも強くなっていると矢作先生に伺っていましたから自信を持って乗りました。
 ペースが向きましたし、ラチ沿いの良いポジションも取れました。スペースが空いてからは非常に強い勝ち方をしてくれました。



2019年12月22日(日曜) 5回中山8日 発走時刻:15時25分 天候 曇 芝 良 11レース ウインファイブ5レース目 第64回 有馬記念GⅠ 3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 コース:2,500メートル(芝・右)

本賞金(万円)
1着30,000 2着12,000 3着7,500 4着4,500 5着3,000

付加賞(万円)
1着340.2 2着97.2 3着48.6


1 枠3赤 6 リスグラシュー 牝5 55.0 D.レーン 2:30.5 10 10 11 9 34.7 468(前計不) 矢作 芳人 2
2 枠5黄 10 サートゥルナーリア 牡3 55.0 C.スミヨン 2:31.3 5 13 13 11 7 35.4 504(+2) 角居 勝彦 3
3 枠4青 7 ワールドプレミア 牡3 55.0 武 豊 2:31.4 クビ 15 16 16 16 35.0 492(+8) 友道 康夫 4
4 枠3赤 5 フィエールマン 牡4 57.0 池添 謙一 2:31.6 1 1/2 10 10 9 4 36.0 482(前計不) 手塚 貴久 6
5 枠6緑 11 キセキ 牡5 57.0 R.ムーア 2:31.6 クビ 12 12 11 9 35.8 506(前計不) 角居 勝彦 7
6 枠8桃 16 シュヴァルグラン 牡7 57.0 福永 祐一 2:31.9 1 3/4 14 14 14 13 35.8 470(+6) 友道 康夫 14
7 枠4青 8 レイデオロ ブリンカー 牡5 57.0 三浦 皇成 2:32.1 1 1/4 15 14 14 13 36.0 494(+8) 藤沢 和雄 9
8 枠7橙 14 ヴェロックス 牡3 55.0 川田 将雅 2:32.3 1 8 8 9 9 36.7 494(+4) 中内田 充正 8
9 枠5黄 9 アーモンドアイ 牝4 55.0 C.ルメール 2:32.3 ハナ 8 8 7 4 36.9 486(+6) 国枝 栄 1
10 枠2黒 3 エタリオウ ブリンカー 牡4 57.0 横山 典弘 2:32.4 クビ 5 5 5 4 37.2 462(0) 友道 康夫 10
11 枠7橙 13 アルアイン 牡5 57.0 松山 弘平 2:32.8 2 1/2 4 4 3 3 38.0 526(0) 池江 泰寿 15
12 枠1白 2 スワーヴリチャード 牡5 57.0 O.マーフィー 2:33.6 5 6 6 6 7 38.3 526(+10) 庄野 靖志 5
13 枠2黒 4 スティッフェリオ 牡5 57.0 丸山 元気 2:34.0 2 1/2 2 2 2 2 39.9 456(+8) 音無 秀孝 13
14 枠8桃 15 アエロリット 牝5 55.0 津村 明秀 2:35.0 6 1 1 1 1 42.1 514(-2) 菊沢 隆徳 12
15 枠1白 1 スカーレットカラー 牝4 55.0 岩田 康誠 2:35.3 1 3/4 7 6 7 13 39.8 474(-12) 高橋 亮 11
16 枠6緑 12 クロコスミア 牝6 55.0 藤岡 佑介 2:35.3 クビ 2 3 3 12 40.6 444(-4) 西浦 勝一 16


コーナー通過順位
1コーナー 15=(4,12)13,3,2,1(14,9)(6,5)11,10-16(7,8)
2コーナー 15=4,12,13,3(1,2)(14,9)(6,5)11,10-(16,8)7
3コーナー 15=4-(12,13)-3,2(1,9)(14,5)(6,11,10)(16,8)7
4コーナー 15,4-13-(3,9,5)(2,10)(6,14,11)12(1,16,8)7

ラップタイム
100m 300m 500m 700m 900m 1100m 1300m 1500m 1700m 1900m 2100m 2300m 2500m
6.9 18.0 29.4 40.8 52.3 1:04.5 1:16.8 1:28.9 1:40.6 1:52.9 2:06.3 2:18.5 2:30.5
6.9 11.1 11.4 11.4 11.5 12.2 12.3 12.1 11.7 12.3 13.4 12.2 12.0

上り 4F 49.9 - 3F 37.6

払戻金
単勝
6 670円 2番人気
複勝
6 210円 2番人気
10 270円 3番人気
7 390円 5番人気
枠連
3-5 300円 1番人気
ワイド
6-10 850円 8番人気
6-7 1,450円 13番人気
7-10 2,000円 19番人気
馬連
6-10 2,990円 8番人気
馬単
6-10 6,130円 16番人気
3連複
6-7-10 10,750円 29番人気
3連単
6-10-7 57,860円 151番人気


・6 リスグラシュー・・・終始、これが最初で最後の対決となった、アーモンドアイを見ながらの競馬。向正面ではハス向かいにアーモンドを見ながら内目を通り、4角手前で外に持ち出すと、直線で一気に弾け、終わってみれば、2着に5馬身の差をつける圧勝。9着と大敗したアーモンドアイとは対照的な成績となった。また、宝塚記念と有馬記念の同一年制覇馬は史上10頭目だが、牝馬はリスグラシューが初めて。

4歳でエリザベス女王杯を制する前までのリスグラシューは、「万年2着」馬だった。阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、秋華賞、ヴィクトリアマイルにおいてすべて2着。その内容は決まって差し届かず、というパターンであり、典型的な「勝ち味に遅い馬」だった。

昨年のエリザベス女王杯では、逃げるクロコスミアをわずかにクビ差捕らえ、悲願のGI初制覇。その後、2度の香港遠征を挟んだ後挑んだ宝塚記念で、大方の予想を裏切る策に打って出た。ハナを切ると予想されたキセキが出遅れたこともあったが、果敢にハナを奪いに行った。結局、出遅れながらも先手が取りたかったキセキに先頭を譲るも、その番手をキープ。直線に入ってキセキを差し、メンバー中、唯一の牝馬ながらも春のグランプリホースとあいまった。

その後、豪州遠征のコックスプレートも勝ち、GIを連勝。今回の有馬記念は、戦前より引退レースと告知されていたが、見事に掉尾を飾った。

アーモンドアイを破ったばかりか、圧勝劇だったため、まだ現役でやってほしい、という声は少なくないだろうが、現在5歳牝馬、ということを考えると、ここが潮時、ということもいえる。今後はいい仔を世に送り出してもらいたい。

・10 サートゥルナーリア・・・後方に待機し、勝負どころの3~4角で一気に番手を押し上げる競馬。リスグラシューにはかなわず、また、右回りコース初黒星を喫したが、2着を確保できた点は来年につながる走りだった。

・7 ワールドプレミア・・・3歳のこの時期にして、キ甲が抜けていないという、「若馬」風情の馬だが、後方待機ながらも、直線だけで3着に追い込んできた脚は秀逸。来年の古馬戦線は、ひょっとしたら、この馬が中心になるかもしれない。

・5 フィエールマン・・・4角で前団にとりつき、直線入り口では先頭をうかがう勢いだったが、その後は思ったほど伸びきれなかった。まだ、凱旋門賞帰りの疲れが取れていなかったかもしれない。

・11 キセキ・・・凱旋門賞同様に、後方からの競馬となったが、徐々に漸進しながら入着を果たした。来年は本格的に差す競馬に転じるかもしれない。

・9 アーモンドアイ・・・直線でまさかの後退。ある意味衝撃的なシーンだった。中身を紐解くと、初手から興奮気味で、ハミを強く噛んでいた。また、1周目のホームスタンド前では行きたがるそぶりを見せてしまった。この地点は、「抑える」ことが有馬記念では『鉄則』。その後は外目を通り、直線で追い出しにかかるも、もう、その時点で脚は残っていなかった。

秋の天皇賞快勝後、当初は香港カップへの出走予定だったものの、熱発が出たため遠征回避。その後は休養に充てるか、ここに出るか、なかなか結論が出なかった様子だったが、ファン投票第一位で選出されたこともあり、出走を決意。だが、常に万全の体勢でなければベストパフォーマンスを発揮できないという、「誤魔化しの利かない馬」であることが、この一戦で露呈した。もちろん、万全の体勢であれば、引き続き、現役最強の競走を披露することだろう。

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思うに、山口敬之を刑事罰しなかったばっかりに、「山口の取り巻き」までもが『とばっちり』の目に遭うことになるだろう

2019-12-23 04:33:15 | 山口敬之関連事件
テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』12月19日放送より



ということだろ。

民事訴訟は、基本的に「どんな訴状であっても」、裁判に打って出ることができるからね。

起訴されなければ裁判すら開かれない刑事事件と違う点は「そこ」。

しかも、伊藤さんのもとには、世界中から寄付が集まっているので、裁判費用にも事欠くまい。

安倍が今、「サクラジャパン疑獄」で行く手を阻まれている最中なだけに、「安倍親衛隊」は一層、窮地に陥っている。

マスコミの連中も、忖度ばかりしていると、「寝首搔かれるぞ」!





「本当にこの2年間、いろいろなことが変わって報道のされ方も大きく変わったなと思っています」

伊藤詩織さんは山口敬之氏との裁判で全面勝訴を勝ち取ったあと、その性暴力をはじめて実名告発したときの反応と比較するかたちでこう語った。

 たしかに、2年前の伊藤さんの告発会見では、裁判所内の司法記者クラブに新聞・テレビ全社が勢揃いしていたにもかかわらず、NHKや読売新聞など、大マスコミの半数近くがこの会見のことを報道しなかった。民放各局も事件発覚直前まで山口氏をコメンテーターとして起用していたためか、積極的にこの問題を取り上げようとしなかった。

 だが、今回、伊藤さんが民事で勝訴したことを受け、さすがの国内マスコミも大きく報道している。全国紙はネット版で速報や会見詳報を打ち、19日朝刊でも判決を伝えた。NHKと民放各局も判決当日にストレートニュースを流したほか、プライムタイムのニュース番組や翌日以降のワイドショーで特集を組むなど大々的に報じている。

 たとえば19日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、事件のあらましを詳しく伝えるなかで、山口氏に逮捕状が出ていたにもかかわらず「上からの指示」によって逮捕が取りやめになったことにも言及。スタジオでは萩谷麻衣子弁護士が「何か働きかけや忖度があったかはわかりませんが、ただ、身柄拘束が必要だと判断して捜査機関が逮捕状を請求した。それを執行する直前で刑事部長の判断で止めたということは、異常なことだと思います」とコメントした。玉川徹氏も直前の逮捕取り止めは異常としたうえで、山口氏と安倍首相の関係の近さについて語った。

「山口さんは安倍総理とものすごく親しいですよ。番組にも何回も出てもらったけども、直接電話できるんですから。直前でも直接話をして情報をとってもらったことも、たしかありました。(普通は)そんなことできないですから、いくら総理番だって言ったって。そこはものすごく近いということ。もうひとつ一方で、安倍総理に関しては、あったことがなかったことになるようなことがいっぱいあるわけですよ。僕はそれを『あったことがなかったことになる症候群』と言ってますけども、そういうふうなことすらもちょっと疑いたくなる結果になったんですね。今回裁判所で(合意のない性行為だったと)事実認定がされたということで。その疑惑は僕ら、もしかしたら追わなければいけない。メディアとして、ジャーナリズムとして追わなければいけないことなのかもしれないと思いますね」

 今回、合意なき性行為だったことが事実認定されたことで、なぜ警察は逮捕を中止したのか追及する必要が高まったのではないか。そして玉川氏は萩谷弁護士に「もし警察が逮捕していたら公判が維持できないようなケースだったんですか」と問いかけた。それに対し萩谷弁護士は、法律家の見地からこのような認識を示した。

「私は民事の裁判のこの判決を見る限り、刑事訴訟でも耐えられたんじゃないかなという印象を持ちます。ただし、不起訴の処分の判断をしたときの証拠がどれだけのものがあったのかということがわからないんですね。被害者が開示請求しても出てくるものは非常に限られているし、出てきても黒塗りになっていることが多いので。どういう証拠があったのかがわからないので、どういう証拠に基づいて不起訴の判断をしたのか、警察審査会で不起訴相当の判断をしたのかがわからないです。ただ、(仮に)その時になかった証拠が民事訴訟で出てきた、それが新たな証拠で重要な証拠だとしたら、捜査するのが相当じゃないかと思いますし、でもそうだとしたら捜査が不十分だったなということを裏付けますよね」

 改めて確認しておくが、この事件の最大の特異性は、2015年6月8日、逮捕状を持った捜査員が成田空港で山口氏を逮捕すべく待ち構えていたところに、突然、上層部から「取り止め」のストップがかかったことだ。指示したのは“菅義偉官房長官の子飼い”である当時の中村格・警視庁刑事部長(現・警察庁官房長)。中村氏自らが「週刊新潮」(新潮社)の直撃に対し「(逮捕は必要ないと)私が決裁した」と認めている。だからこそ、自他共に認める“安倍首相に最も近い記者のひとり”である山口氏と安倍官邸との関係が、捜査に何らかの影響を与えたのではないのかと取り沙汰されたのである。

 しかし、伊藤さんが民事の地裁で勝訴した後も、この点を掘り下げたのはその『モーニングショー』くらいで、国内のマスコミのほとんどは“安倍首相と山口氏の距離の近さ”を報じていない。『モーニングショー』以外のニュースやワイドショーは逮捕が取り消されたことに触れなかったり、あるいは山口氏を「元TBS記者」としか報じず、安倍首相ヨイショ本を出していることなど安倍首相との関係を完全にネグるものまであった。

 むしろ、捜査に政治的な動きが関与した疑惑については、国内マスコミよりも、海外メディアのほうが積極的に報じているくらいだ。アメリカ、イギリス、フランスなど欧米のほか、中国や韓国でも伊藤さんの勝訴は大きく伝えられた。

■ワシントンポストやロイター、BBCは安倍首相との関係に言及したのに……

 たとえば米ワシントンポストは、〈山口氏に逮捕状が発行されたが、その後突然、警察幹部の指示で取りやめになった〉と書き、〈山口氏は事件当時はTBSのワシントン支局長であり、安倍晋三首相に関する複数の本を書いたことがある。野党議員は2017年のヒアリングで、山口氏が安倍首相と親密な関係を築いているがゆえにこの事件は取りやめになったのではないかと質したが、当局はこれを否定し、起訴するには証拠が不十分だったと説明した〉と続けている(「Japanese journalist Shiori Ito is awarded damages in landmark rape case」)。

 ロイター通信も、山口氏について〈安倍晋三首相についての報道で知られるベテランテレビ記者〉と説明し、検察審査会が「不起訴相当」と判断した際、〈野党議員が安倍首相と親密な関係にあるがゆえに特別扱いされたのではないかと疑義を呈した〉ことにも触れた。また、〈伊藤さんは著書で、警察は山口氏に対する逮捕状をとったが逮捕されなかったと書いた。この逮捕は土壇場で警察幹部によって取りやめになったとも書いている〉と伝えた(「Japanese journalist wins damages in high-profile lawsuit over alleged rape」)。

 ほか、BBCは〈53歳の山口氏(彼は安倍晋三首相と親密な関係を持っていると言われる)は〜〉と注釈を入れ(「Shiori Ito: Japanese journalist awarded $30,000 in damages in rape case」)、米ニューヨークタイムズは〈山口氏は元TBSワシントン支局長で安倍晋三首相のバイオグラフィーの著者〉と説明(「Woman Wins High-Profile #MeToo Case in Japan Against TV Journalist」)。英ガーディアンは〈元TBSワシントン支局長で安倍晋三首相と親しい山口氏〉と直接的に表現した(「Shiori Ito, symbol of Japan's MeToo movement, wins rape lawsuit damages」)。AFPなどフランスメディアも同様に、山口氏が安倍首相の本を発表してきたことなど、その繋がりに触れている。

 フランスで生活している辻仁成氏はブログで〈この問題は日本で考えられている以上に欧州では大きな話題になっていることは間違いない〉〈伊藤さんの場合は権力者と対峙する一人の若い女性の戦いとして、世界のメディアが日本のメディアが思っている以上にかなり注目している〉と指摘していたが、海外では明らかに、安倍政権と関係が深いという理由で性犯罪捜査が止まることの異常さが大きな話題になっているのだ。

 しかし、こうした海外メディアの報道に内容をみていると、改めて痛感するのが、日本のメディアのだらしなさだ。国内のテレビマスコミや新聞がこの事件や詩織さんの告発をMeToo運動の文脈で捉え、報じるようになったことはたしかに前進だが、一方で、“安倍首相と山口氏の親密な関係”や“逮捕取りやめの圧力”については、不可解なくらい触れようとしないのである。

 これは山口氏への“配慮”ではなく、明らかに、安倍官邸に睨まれることを恐れているからだろう。もし、安倍首相との距離の近さが逮捕や起訴に影響するのならば、この国はもはや法治国家ではない。そのことをどのくらい深刻に受け止めているのだろうか。まだまだ、この国のマスコミは変わってはいない。

(編集部)




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