=お借りして来た=
【2024年注目馬】スワーヴリチャード産駒レガレイラは歴史的名牝へ 牡馬クラシック戦線に挑戦も
※牡馬を負かしたとはいえ、この時期から牝馬が牡馬混合クラシックを云々するとは珍しい現象ですな
牡馬はまだこれから成長するのが出て来るかもだから、甘い話では無いと思うが※
2023年の最後のG1ホープフルSを制したレガレイラ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎、父スワーヴリチャード)を、追い続けたい。
同レースがG1となって以降、牝馬で制したのは史上初の快挙で、すでに歴史的な馬になってはいるが、函館に滞在したデビュー前に取材した時から注目してきた1頭だ。
その前走は、スタートで後方になり4角でも大外に持ち出さなければならなかったりと決してスムーズとは言いがたかったが、メンバー最速の上がりで直線をぶっこ抜いた走りは、規格外と言える強さだった。思えば、新馬戦でも、のちの札幌2歳Sを制するセットアップに1馬身半差をつける勝利。450キロ台とは思わせない大きなフットワークで走る姿に、「将来性は抜群」とノートに大きく書き記したことはいまでも覚えている。
曾祖母は言わずと知れたディープインパクトを生んだウインドインハーヘア。一族にダービー馬レイデオロなど活躍馬がズラリと並び、半兄ドゥラドーレスも菊花賞で4着するなど、日本が誇る名血ファミリーの出身で、血統背景からもその未来は明るいと言える。
2歳の頂点に立ったその日、ノーザンファームの吉田勝己代表が、「リバティアイランドみたい」と言えば、サンデーレーシングの吉田俊介代表は「皐月賞の選択肢をとる可能性は高いと思います」と牡馬戦線への挑戦を示唆した。牡牝の枠を超えて歴史に挑むスワーヴリチャード産駒の逸材が、どこまで上り詰めるのか、見ていたい。
【2024年注目馬】大物感たっぷりのエリカエスティーム 3歳マイル路線の主役候補に期待
新年早々に手前みそな話で恐縮だが、昨年の当コラムではソールオリエンスをイチ押しした。その後の活躍はご承知の通りで、今年は王道の牡馬ではなく、あえてここから駆け上がりそうな牝馬をプッシュしてみたい。昨年のソールオリエンスと同じく現時点では「1勝馬」でも、大いなる将来性を秘めていそうなのがエリカエスティーム(牝3歳、美浦・宮田敬介厩舎)だ。
6月の東京での新馬戦は好位3番手から運び、直線では伸びそうで伸びないフワフワした走りで4着に終わった。その後は夏の札幌を使うことも検討されたが、ひと頓挫あって仕切り直しとなり、デビュー2戦目となる12月2日の未勝利戦(中山・芝1600メートル)で1番人気に応えて初V。好位から危なげなく抜け出して1馬身1/4差の完勝だったが、宮田調教師が「もっとはじけるかと思ったんですが…」と控えめに振り返ったのは期待の大きさの裏返しと言えるだろう。
今後はエルフィンS(2月3日、京都)を視野に始動戦を考えており、改めて宮田師に期待をほどを聞くと「能力はもともと高くて、もっと走れると思います。メンタル面と体の面のバランスを無理せず整えながらやっていきたいですね」という答えが返ってきた。当面はマイル路線を歩んでいきそうだが、500キロ以上という恵まれた馬体は胴もそれなりに長く、指揮官は「馬格をみたら、もう少し伸ばしても」とイメージを口にする。
母メチャコルタはアルゼンチン1000ギニー大賞典(芝1600メートル)を勝ったG1馬で、底力と爆発力を秘める父モーリスとの血統背景からも大物感は十分に伝わってくる。POG的にも注目していきたい一頭だ。
【2024年注目馬】ルメール騎手が惚れ込む良血チェルヴィニア
※馬より騎手wルメはもう最盛期だな。騎乗馬もトップレベルが次々舞い込んで来る無王状態~選り取り見取り※
チェルヴィニア(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎、父ハービンジャー)はデビュー前から評判になっていた良血。母チェッキーノ、祖母ハッピーパスは重賞ウィナー。他にも多数の活躍馬が出ている母系だけに当然と言えば当然だが、この馬は早い段階から調教の動きにも光るものがあった。
新馬戦は2着に敗れたが、勝ち馬ボンドガールは男馬相手のサウジアラビアロイヤルCで2着。3着のコラソンビートは京王杯2歳Sを制して阪神JFでも3着と、かなりレベルが高い一戦だった。前走のアルテミスSで難なく重賞タイトルを手にしたが、2着サフィラは阪神JF4着。いち頓挫あって2歳G1に駒を進めることはできなかったが、これまで戦ってきた相手との比較から、世代トップクラスの力があるのは間違いない。
前走のレース後、ルメール騎手は「牝馬G1でも戦っていける馬」とキッパリ言い切った。今年の牝馬クラシック路線の中心はこの馬だ。
【2024年注目馬】抜群のレースセンスと切れ味を武器にショーマンフリートがクラシック街道を歩む
新馬戦の前から調教の動きに素質を感じたショーマンフリート(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎、父スワーヴリチャード)を指名する。デビュー戦はスタートを決めるとスッと好位につけ、4角から馬なりのまま進出し、直線は颯爽と突き抜ける快勝劇。しかもムチを使うことなく、レースのラスト1ハロン10秒9を記録し、中身も秀逸だ。
当初は2歳のうちにもう一戦使う予定だったが、熱発し次走はシンザン記念になったが、相変わらず調教の動きは反応、切れ脚ともに見ほれてしまうほど抜群。
担当の松本助手も「元々細身で体のラインはシュッとしているけど、その中でも幅が出てきました。素直で乗りやすいし、センスは良さそうですね」とトーンも上々。重賞の壁を突破し、クラシック戦線に名乗りを上げてくれるに違いない。
【2024年注目馬】オークス路線で期待大のルシフェル 陣営「秘めてる能力はかなり高い
昨年10月の萩S・リステッドを制したルシフェル(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎、父ハーツクライ)。サートゥルナーリア(18年)やダノンスコーピオン(21年)など、のちのG1馬を輩出する出世レースで、1800メートルになった02年以降、牝馬が勝ったのはが初めてだ。テン乗りの川田将雅騎手が「まだ精神面で幼く、急に進めなくなったりします。色々な面が徐々に成長してくれば」と指摘したように、道中でハミを取ったり取らなかったりと幼い面を見せながらの勝利だった。
そんな気性でもあり、戦前から忙しいと思われたマイル戦で迎えた阪神JF。あおるようにスタートし、道中は包まれて少し窮屈な競馬だった。直線はエンジンがかかったところで前が詰まり、外に切り替えるロス。スムーズなら4着はあったレースだった。それでも担当の嶋津助手は「ハミは取っていました」と収穫はあったことを明かす。
クロノジェネシス、キラーアビリティ、ジェラルディーナとG1馬を間近で見てきた斉藤崇厩舎のスタッフが「秘めてる能力はかなり高い」「いい心臓をしている」と絶賛する素質馬。成長した姿でオークス路線を戦うのが今から楽しみだ。