「終わってみれば毎年ほぼ納得?」毎年当代を代表するメンバーになる有馬記念だが
今年もこうやってじっと馬柱を眺めてると決してあの馬が◎とは言えなくなりそうな好メンバーですな
【有馬記念】レース展望
22日の中山競馬場では競馬の祭典、有馬記念(GⅠ、芝2500メートル)が行われる。今年はファン投票10位以内のうち8頭が参戦を表明。グランプリにふさわしく、GⅠホースが10頭も顔をそろえる豪華な一戦だ。
ファン投票で史上最多47万8415票を集めたドウデュース(栗東・友道康夫厩舎、牡5歳)が主役だ。2歳からGⅠを勝ち、日本ダービー馬にも君臨した逸材は、勝利も敗戦も糧にして磨きに磨かれ、5歳秋にして真の本格化を迎えた。※取り消し→引退
これがラストランで、当日には引退式も控える。2002年&03年シンボリクリスエス以来、史上5頭目の連覇、そして、00年テイエムオペラオー、04年ゼンノロブロイ以来3頭目の天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念の同一年3連勝のダブル偉業で有終を飾りたい。
過去10年で3歳馬が16年サトノダイヤモンド、18年ブラストワンピース、21年エフフォーリア、22年イクイノックスと4勝と強いレース。中でもダノンデサイル(栗東・安田翔伍厩舎、牡3歳)はドウデュース、シャフリヤールとの日本ダービー馬3頭対決で注目を集める。ダービー以来となった前走の菊花賞6着は難しい展開にはまって力を出し切れなかった印象。世代の頂点を制した末脚は本物で、暮れの大一番で前走のうっぷんを晴らす。
アーバンシック(美浦・武井亮厩舎、牡3歳)はこの秋、セントライト記念、菊花賞を連勝と充実著しい。右回りでは【3・1・0・1】で5着以下なしの安定感で、2戦2勝のルメール騎手とコンビ継続も頼もしい。菊花賞、有馬記念を連勝となれば、サトノダイヤモンド以来になるが、当時もルメール騎手が手綱を取っていた
レガレイラ(美浦・木村哲也厩舎、牝3歳)は1年前のホープフルSを勝って以降、勝ち星から遠ざかっているが、スローペースだったり、直線で進路が窮屈になったりと不運な競馬も多かった。展開に左右される面はあるが、前走のエリザベス女王杯(5着)ではそれまでよりも前で運んだように脚質に幅が出たのは収穫。牡馬にも通用する決め手は持っている。勝てば、1960年スターロッチ以来64年ぶりとなる3歳牝馬Vの快挙だ。
※1ちゃく
5歳牝馬スタニングローズ(栗東・高野友和厩舎)は前走のエリザベス女王杯を2馬身差で完勝し、丸2年の長い連敗のトンネルを脱出した。ムード最高潮で迎えるラストランは、ムーア騎手との初コンビで牡馬勢に立ち向かう。
米国遠征から帰国した組も侮れない。ローシャムパーク(美浦・田中博康厩舎、牡5歳)はブリーダーズCターフでそれまでGⅠを6勝していたレベルスロマンスのクビ差2着という接戦を演じた。折り合いの難しさはあるが、リズム良く走れればGⅠに手が届いていい実力馬。中山コースも産経賞オールカマーVを含め【3・0・1・1】と得意だ。
シャフリヤール(栗東・藤原英昭厩舎、牡6歳)はGⅠは日本ダービーの他、一昨年のドバイシーマクラシックをV。その後も国内外でレベルの高いレースを続けている。昨年は香港ヴァーズを目標にしたが、現地の馬体チェックに引っ掛かって出走できず、急遽、有馬記念に切り替えた経緯があっての5着。それに比べれば、調整過程は順調そのもので、さらに上のパフォーマンスが期待できる。
※大外枠克服の2ちゃく
今年の大阪杯を制したベラジオオペラ(栗東・上村洋行厩舎、牡4歳)は暑さに弱い面があり、今の寒い気候は合っている。距離延長に課題はあるが、天皇賞・秋6着よりもさらに状態は上向いてきそう。
宝塚記念との春秋グランプリ制覇を狙うブローザホーン(栗東・吉岡辰弥厩舎、牡5歳)は京都大賞典11着、ジャパンC12着と近況が良くないが、ひと雨降るか、激流になるか、タフな消耗戦になれば台頭があっていい。
昨春の天皇賞馬ジャスティンパレス(栗東・杉山晴紀厩舎、牡5歳)は勝ち星のない中山コースがポイントとなるが、昨年以降、重馬場だった宝塚記念10着を除けば、国内外で全て5着以内という安定勢力。展開次第で上位争いも十分だ。
一昨年の2冠牝馬スターズオンアース(美浦・高柳瑞樹厩舎、5歳)はドバイシーマクラシック8着、ジャパンC7着とらしくない負け方が続いているが、昨年2着の実力派。これまでの成績から叩き良化型の印象もあり、ここで一変があっても不思議ではない。
ハヤヤッコ(美浦・国枝栄厩舎、牡8歳)は白毛馬として史上初の参戦で注目度が大きい。前走のアルゼンチン共和国杯で重賞3勝目を飾ったように、8歳でもまだまだ元気いっぱいだ。