「北岳は古くから名の聞こえた山であり、
わが国第二の高峰でありながら、あまり人に知られていないのは、
一つにこの山が謙虚だからである。
抜きん出て人の眼をひこうとするところがない。
それでいて高い気品をそなえている。
この北岳の高潔な気品は、本当に山を見ることの好きな人だけが知っていよう。」
深田久弥 「日本百名山」より
若い頃は、南アルプスにはあまり興味がなかった。
ほとんどが槍や穂高、劔などの北アルプスを見ていた。
なので、北岳の名をもちろん知ってはいたが、登ろうとしなかった。
しかし、40を過ぎて九州の山を中心に山登りを再開してからは、
山の大きさや「キタダケソウ」など魅力的な、登りたい山の一つとなっていた。
しかし、南アルプスは、アプローチが長く、
体力的にも日程的にも、中々簡単に登れる山ではない。
それが今、3193㍍の頂を目前としている。
6:10 北岳肩ノ小屋を出発。北岳への登頂はもとより、
北岳から間ノ岳の稜線は、富士を常に左手に見ながら歩く。
そしてこの稜線は、高山植物のプロムナードでもある。
イワウメ
ハハコヨモギ?
ミヤマオダマキ
イワベンケイ
15分登って肩ノ小屋を振り返る。いいね!
今日は素晴らしい天気だ!
仙丈も下に置く。
甲斐駒ケ岳も
チョウノスケソウ
イワベンケイ見ながら進むと
北岳の頂を目前に、間ノ岳方面が前面に現れた。
北岳はというと、もう多くの人がその頂に立っている。
あと少しでその頂へ。
7:10 雲一つない快晴の中、北岳に立った。
ここからの景色はまさに絶景だ!
心地よいひと時を山頂で過ごした。
そして日本最高の稜線へ踏み出した。
ミヤマオダマキ
?
ハクサンイチゲ
北岳からの下りを振り返る。
この稜線からの富士は常に絵になる。
ミヤマシオガマ
イワベンケイと富士
八本歯のコルへの分岐
北岳山荘が近くに。
日本最高の稜線を味わいながら歩く。
少し下の方にガスがわいてきた。
360度のパノラマの中、何を見てるのかYさんは?
イワツメクサ
タカネツメクサ
9:45 中白根山(3055㍍)の頂上はだだっぴろいところ。
ここで北岳を振り返る。いいね!
ミヤマキンバイ?
北岳は雪渓が少ないが、この稜線では間ノ岳手前のところに残っていた。
キバナシャクナゲ
チングルマ
11:00 そして間ノ岳(3190㍍)の頂上に着いた。と、その時、
下の方から「雷鳥だ!」の声が。思わずかけ出した。
少し遠めだが取りあえずパチリ。
そして足元には雛の雷鳥!人を怖がらない。
間ノ岳の頂に戻って昼食。そして、記念のパチリ。
大満足の稜線歩きだった。ここに来るまでは、
2度は登ることはないだろうと思っていたが、
是非また訪れたい。そう強く思った。
さぁ、これからは、両俣小屋への高度差1150㍍の下りが始まる。
(続く)
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