くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

よもよも

2023-11-14 06:20:25 | Weblog

やれほれ。

日曜に降った雪も

さっさと溶けるかと思ったら、

溶けないで残ってるし・・・。

朝起きて窓から外見たらびっくりだけど、

だからって今シーズン初の雪かきはごめんだよなぁXXX

って事で、

朝一の仕事はストーヴの電源をスイッチオン!!

・・・。

暖まるまでもう一度寝床に戻ります。

 

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王様の扉(38)

2023-11-14 00:00:00 | 「王様の扉」


「どうなってるんだ、これは――」

 と、ジローの口から思わず声が漏れた。
 町の様子を見ながら道を進んでいくと、どこに向かっていくのか、正面を横切っていく人の姿があった。ジローはマコトにサオリをまかせると、見失わないように、急いで通りかかった人の元に急いだ。

「すみません――」

 と、ジローは手を振りながら、追いついた男の人に言った。
「――おや、どこから来なすったね」と、散歩をしていたのだろうか、白い髪をしたおじいさんは、立ち止まって言った。
「すみません。ここは、どこの町ですか」と、ジローは言った。「この先の橋からは、なんにも見えなかったので、町があるなんて、わかりませんでした」
「ほっほ。旅の人だったかね」と、おじいさんは笑いながら言った。「どこから来なすった」
「たしか“あこがれの町”だったと思います」と、ジローは言った。「ここは町ですか? どこか、休める所はないでしょうか」
「――そうあわてることはないさ」と、おじいさんは言った。「あそこにいるのは連れかね?」
 ジローが振り向くと、手を繋いだマコトとサオリが、心配そうな顔をしながら、こちらに歩いて来ていた。
「そうです」と、ジローはうなずいた。「これから、“希望の町”に行くので、できれば子供達を休ませてやりたいんです」
「へぇ。あんた達“希望の町”まで行くのかね」と、おじいさんは感心したように言った。「見てのとおり、静かなだけが取り柄の町で、気の利いた店なんてありやしないよ。休むのなら、私の家に来ればいい。よかったら、食事もご馳走するよ」

「ありがとうございます」

 と、ジローは言うと、やって来た二人と、サオリのそばから離れようとしないアオも一緒に、おじいさんの家にお邪魔して、休ませてもらうことにした。
「――子供達と言っていたが」と、おじいさんは家に向かいながら、ジローに言った。「おまえさんもずいぶん若そうだがな。幾つになるんだね」
 ジローは自分の年齢を思い出そうとしたが、やはりなにも思い出せなかった。と、おじいさんに、これまでの事情を話した。
「そうか、よそから来たのか」と、おじいさんは考えるように言った。「自分の名前くらいは、覚えているんじゃないのかい」
「十七号です」と、ジローは言った。「おれの、名前です」

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王様の扉(37)

2023-11-14 00:00:00 | 「王様の扉」

「もう、さみしくないよね」と、ジローが手を伸ばすと、サオリは黙って手を握った。「この近くに、町があればいいね」
 マコトの肩に止まっていたアオが、歩き始めた二人に近づき、なにも言わずにサオリの肩に止まった。
「――よかった。また棒で叩かれるんじゃないかって、ヒヤヒヤしてたんだ」と、先を行くマコトは振り返って言った。
「そんなに凶暴じゃないだろ」と、ジローは困ったように言った。「沙織を守ってくれてたんだから」
「やだよ」と、マコトは唇を尖らせて言った。「小さくてすばしっこくて、棒で叩かれると、腕が折れたみたいに痛いんだからね」
「わかったわかった。――あんまり恐がりすぎて、転んだりしないでくれよ」
 マコトを先頭に、サオリと手を繋いだジローは、“希望の町”に向かう道から外れ、近くにあるはずの町を探して進んでいった。
 見た目は、枯れた木がところどころ立っているだけの、荒れ野が広がっていた。
 周りの青々とした緑に比べ、明らかに地面が掘り返された跡や、建物の土台があったのか、こんもりと土が盛り上がった場所もあった。踏み固められた道らしい地面が、幾本かに枝分かれしつつ、奥へ奥へと続いていた。
「この先に、なにかはありそうだな――」と、ジローは辺りを警戒しながら進んでいった。

「気をつけろよ、マコト。なにがあるかわからないぞ」

 と、ジローの前を歩いていたマコトが、足を半ば踏み出した所で、はたと立ち止まった。
「――どうしたの」と、急に動きを止めたマコトが心配になったのか、サオリはジローの手をぎゅっと握って言った。
 ジロー達がすぐに追いつくと、
「なにこれ?」
 と、マコトは驚いたような声を上げ、前に進んだり後ろに戻ったり、妙な動きを繰り返した。
 マコトを追い越して進んだジローの目の前に、先ほどまではなかった町の様子が飛びこんで来た。
「――」と、ジローはあわてて後ろに下がり、目の前に広がってる荒れ野をもう一度目で確かめた。
 ジローと手を繋いでいたサオリも、同じように後ろに下がり、信じられないというような声を上げた。
 三人が揃って先に進むと、荒れ野の景色は跡形もなく、どこかの静かな町が目の前に広がっていた。
 まるで、透明な幕が張られていたようだった。音もなく通り抜けると、同じ地面の先にあるとは思えないほど、まるで違う景色が現れた。
 枯れ木ばかりが目立った荒れ野は、もうどこにもなかった。綺麗に踏み固められた道がすらりと遠くまで延び、色も形も違った家々が、道に沿うように立ち並んでいた。

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