やれほれ。
目が冷めたら白一色になってるかと覆ったけど
この時間はまだ雪積もってなかった。。
雪の積もらない地方の人は、
このほっとした気持ちって、
わかんないんだろうなぁ・・・。
くそっ、
うらやましいXXX
やれほれ。
目が冷めたら白一色になってるかと覆ったけど
この時間はまだ雪積もってなかった。。
雪の積もらない地方の人は、
このほっとした気持ちって、
わかんないんだろうなぁ・・・。
くそっ、
うらやましいXXX
ガシャッ、コ。ガシャッ、コン。ガシャシャッ、コ……
ガシャッ、ン。ガシャッ、ンコ。ガシャッンコ……
ゆっくりと、その音の主が姿を現した。木の陰から見え隠れするその姿は、氷のような青い色の鎧を身につけた、二人の騎士だった。
「恐い……」と、マコトの後ろに隠れたサオリが、目をつむりながら言った。
「――しっ」と、木の陰から覗いていたマコトが、頭を引っこめて言った。「17号達にまかせておけば、大丈夫だって。しっかり手を繋いで、離すんじゃないよ」
こわごわ目を開けたサオリは、小さくうなずいた。
と、マコトが再び青騎士の様子をうかがおうとすると、どこに行ったのか、つい今まで姿の見えていた青騎士が、姿を隠してしまっていた。
どこに行ったんだ? と、マコトのポケットに入っていたラジオから、悲鳴にも似たエスの声が聞こえた。
“後ろ――。早く、逃げて”
びくりとして振り返ると、マコトの正面にいるサオリの背後から、聳えるように立つ青騎士が、鈍く光る大剣を振りかぶり、いまにも打ち下ろそうとしていた。
「ごめんなさい……」
と、マコトはぎゅっと目をつむって頭を抱え、思わず叫んでいた。
「――」
と、頭を抱えて膝を突いていたマコトは、何事もないのに気がつき、おそるおそる目を開けた。マコトと同じように、サオリも凍りついたように動かないまま、顔を上げていた。
見ると、頭上高く青騎士を持ち上げたジローが、いとも軽々と、青騎士を遠くに投げ飛ばしてしまった。
抵抗もできず、太い木の幹に叩きつけられた青騎士は、鉄が激しくぶつかり合う音を立て、ばらばらになって崩れ落ちた。
「大丈夫か、二人とも」と、ジローは振り返って言った。
あっけない光景に、マコトとサオリは、ただ目を丸くしているだけだった。
ガシャシャン――。
と、鉄がぶつかりあって壊れる音が、また聞こえてきた。
びくり、として首をすくめていたマコトとサオリの前に、音もなくグレイが降り立った。
「アオって強いんだね」と、グレイは、遅れて肩に止まったアオに言った。「あんな大きな剣を、木の棒で叩き落としちゃうなんて」
「キキッ」と、グレイの肩に止まったアオが、自慢げに鳴いた。
と、みんなの無事な様子を見て、ジローは言った。
「マコトも沙織も、心配しなくていい」と、ジローは落ち着かせるように言った。「おれとグレイがいれば、なんとかやり過ごせると思う」
と、アオが「――キキッ」と、小さな鳴き声を上げた。
「ぼくもいるぞ。だって――」と、グレイは言った。
「そうだ。アオだっているんだ」と、ジローはうなずきながら言った。「やつらが来たら、マコトと沙織は木の陰に隠れているんだ。無茶をして立ち向かわなくたっていい。おれ達にまかせておけ」
「わかった」と、マコトはサオリを見て、こくりとうなずいて見せた。
「――後ろに気をつけながら、できるだけ先に進もう」と、ジローは言うと、先頭に立って歩き始めた。
グレイをしんがりにしながら、五人は道を進んでいった。
後ろを気にしつつ、それでも歩いている間は、ラジオから落ち着いた曲ばかりが聞こえてきた。しかし、わずかでも足を止めると、とたんに速いリズムの曲が、アラームのように聞こえてきた。
そして、とうとう青い鎧の騎士が、姿を現した。
見つけたのは、グレイだった。列の一番後ろからやって来ていたグレイは、ほかの誰にも聞き取れないわずかな音を聞きつけ、素早くそばにあった木に登ると、言った。
「青い鎧の騎士が、こっちに向かって来てる」
すぐに足を止めると、ジローは確かめるように訊いた。「そこから見えるのか?」
と、木から飛び降りたグレイが、うなずきながら言った。
「まだ小さかったけど、あれは間違いなく、ぼく達を追いかけてきてる」
「――そうか」と、ジローはマコトとサオリを見ながら、言った。「少しでも目的の町に近づきたいが、このまま進んで自分達が不利な場所で青騎士と鉢合わせるより、木に囲まれているこの場所で、青騎士を迎え撃った方がいいかもしれない」
「木の上から見た限りでは、この先まだ延々と森は続いていたよ」と、グレイは言った。「でも、迎え撃つなら、追いつかれた場所よりも、待ち構えている場所の方が、戦いやすいと思う」
「――」と、ジローはうなずいた。「ここで、戦おう」
ジローが言うと、円陣を組むようにみんなが集まり、やって来る青騎士に立ち向かう意志を確かめた。
――――
ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ……
ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ……
と、鉄の打ち合う二つの音が、しんとした森の中に高らかに響き渡った。