奈良・佛教大学通信 奈良!奈良!いつもは京都

奈良大通信卒業後佛教大通信へ。日本史を学ぶOLD大学生の記録です。

成田龍一『近現代日本史と歴史学 書き替えられてきた過去』を読む

2020-01-11 00:59:00 | 
佛大の科目で推薦のあった中公新書である。

「歴史を認識し記述するとはいかなる精神の営みか。それを考えるにあたって、まずもって強調しておきたいことは、その原点に歴史家の問いがあるということである。」(二宮宏之「歴史の作法」)


歴史家の問いとは、歴史家の問題意識、あるいは当該歴史家が依拠すべきと考える理論によるもの、といっても良いようである。この本は、近現代史がどのように描かれ、修正されてきたかをたどっている。
時々の政治・社会状況の影響(政治的な強制ではない)を受けた近現代史の解釈の経過である。

特定の主義にもとづく歴史事象の位置付け、後世の事象に対する分析を前時代にあてはめること。史料集約、分析が重視され、それを駆使する段階となっても、解釈においては、歴史家の問いが根底にあり、その相違により、時代像が大きく揺らいでゆく。

証明したいものがあって、歴史を学ぶ。








コメント (2)
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