実家の解体前に物の整理をしているが、昔は物を捨てるということが今ほどでなく、収納スペースもあったことから大量に残っており、廃棄にあたっては体が動くうちにやって良かったと思う。

しかし、なかなか捨てられない物もある。
捨てられない物第1位は写真。亡くなった祖父母、父母の若き日の写真。また誰だか分からない写真。母が独身時代に仲間とピクニックしている写真もある。
次に古書。昭和4年発刊、装丁のしっかりした文庫本に既知の女性2人の署名がある。叔母から姪に譲られたものと思われる翻訳物。開いて見ると、このような本が一般に出ていながら、どうしてあのような戦争を起こしてしまったのかと残念な"印象"が湧いてくる。大袈裟だろうか。テレビの特集や後に書き下ろした本で当時の事情を伺い知り、解釈することも大事だが、実物の感触から伝わることもあるのだろう。次の人が手に取ろうが取るまいが残しておこうと思う。
