今から30年くらい前によく読まれた詩があります。今もそうかもしれません。当時はアマゾンなどというものもなく、東京に赴任していた私は、その詩の本を買って送ってくれと先輩から頼まれたものの、忙しかったのか、忘れてしまっていました。そして、数か月後、その先輩からその本が送られてきたので、悔悟、恐縮してしまいました。
「青春」という名の詩 ~サムエル・ウルマン (産業能率大学出版部刊)
なんという不徳の後輩でしょうか
先輩への変わらぬ敬愛をこめて、この詩を掲載してみます
「青春」 サムエル・ウルマン
青春とは人生のある期間ではなく、心の持ちかたを言う。
薔薇(ばら)の面差(おもざ)し、紅(くれない)の唇(くちびる)、しなやかな手足ではなく、
たくましい意志、豊かな想像力、炎(も)える情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。
青春とは臆病さを退ける勇気、安きにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。
ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。
年を重ねただけでは人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。
歳月は皮膚にしわを増すが、情熱を失えば心はしぼむ。
苦悩・恐怖・失望により気力は地に這(は)い精神は芥(あくた)になる。
60歳であろうと16歳であろうと人の胸には、脅威に魅(ひ)かれる心、
おさな児のような未知への探究心、人生への興味の歓喜がある。
君にも吾にも見えざる駅逓(えきてい)が心にある。
人から神から美・希望・よろこび・勇気・力の霊感を受ける限り君は若い。
霊感が絶え、精神が皮肉の雪におおわれ、悲嘆の氷にとざされるとき、
20歳であろうと人は老いる。頭(こうべ)を高くあげ希望の波をとらえる限り、
80歳であろうと人は青春にして已(や)む。