中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

水のいのち

2013年08月10日 | 自然環境・脱原発
合唱をしている人なら誰でも知っているといわれる1964年に作られた「水のいのち」(高田三郎作曲)を聴きました。
アカペラを楽しむ会のKさんがメンバーに入っている、男声合唱団お江戸コラリアーずの演奏会で。

50代までは合唱とは無縁できましたので(音楽は子供の頃から好きでしたが)、私は初めて聴く曲でしたが歌詞(高野喜久雄)を聞き漏らすまいと目を閉じて聴いていました。
『1.雨 2.水たまり 3.川 4.海 5.海よ』の組曲になっています。

曲もいいのですが、詩のもつ力が当たり前だけれど凄くて、
断片的に思い出される言葉が家に帰ってからも頭にこびりついてしまいました。
特に最初の“雨”が好きです。


日本にはこんな素晴らしい詩を作る人がいて(たくさんいると思いますが…)曲をつけ、
歌い継がれていることにも感動します。
お江コラの力量も加わりとても素晴らしかったです。

他の曲も良かったです。
「特攻隊員戦死者の手記による(信長貴富作曲)」も胸迫るものがありました。
「死にたくない!生きたいんだ!」という特攻隊員の叫びが表向きの言葉に反して聞こえてきました。
始めに観客に背を向けて並び立つ演出もハッとしました。
歌だけではなく演技もよかったです。

さて昨年のお江コラ定期演奏会の「大漁唄い込み」(斎太郎節変奏曲)がYouTubeで聴けます。
これも生演奏は迫力が凄かったです。興奮しました!
男声コーラスならではの曲ですね。

また、震災前の2010年に郡山で歌った『くちびるに歌を』。これは歌う方も感極まってくるそうです。
そしてこの時聴衆の拍手は鳴り止まなかったということです。
そして震災直後にその録音をアップされたのですね。


もう一つYouTubeで見つけたこの曲は実際には聴いていませんがPikse litaania (雷鳴への連祷)も大好きです!
声という素材を組み合わせ音を添え、何か造形作品を見せてもらうような感じさえします。


若い人が中心ですがKさんのような高齢!?な方もいて、声にも幅があります。
指導者、リーダーのレベルも高いのだと思います。品格を感じます。
これからも世界の、日本の良い曲を選んで聴かせてもらいたいです。
一般に知られてない曲でも、古典、現代問わず、私はよいものなら聴きたいです。

染織品も美術品も良いものは普遍性をもっていますから。

お江コラのHPはこちらです。
「モノ・語り」もご参考まで。


東日本大震災以降の日本の状況を思うと胸が塞がれます。
放射性物質を含む汚染水は止まりません。

今年になって東京の放射性降下物質も増えていたようです 。
あまり報道されてませんが、天気予報の中でやっているどうでもいい洗濯物情報はやめて、
風向きなどによる放射性物質の情報を伝えて欲しいです。
風の強い日はマスクをしたほうがよいとか、マスク情報に…。


放射性物質は海へ、空へ、そして大地へ舞い降り農作物に降り注がれ、赤ちゃんや子供、若者の体内にもいつのまにか取り込まれ体内被曝する。
そんな循環は嫌です!!

ただちには死なないかもしれないけれど10年後か20年後か50年、60年後か病が発症する可能性があります。


私たちは水なしに生きられないし、魚を食べる文化を捨てることもできない。
空気を吸わないわけにはいかない。

日本の四季、自然、日本人の感性、文化を壊していくようなことは絶対にしてはならない。
子供の頃「天に唾をはくようなことはしてはいけない」と聞かされましたが、
今が正にその状況です。

少しでも自分に出来ることで水や自然を汚さないようにと心がけていくしかありません。
染色でも、日々の暮らしに使う水でも汚さないよう、工夫し、大切にしているつもりです。


お江戸コラリアーずが歌った『水のいのち』はいのちの水のことを改めて強く考えさせてくれたのです。








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