このいくさ、どう見ても勝ち目はない。
重臣の松宮剛十郎は叫んだ。
「殿! 早くお逃げください!」
「いや、もはやこれまでじゃ」
その目は、すでに覚悟を決めた目だった。剛十郎は、
胸を熱くしながらも、こう言った。
すると、男の子は、花壇の端に咲いている花を指さ
しながら、目を輝かせてこう言った。
「では、辞世の句を」
「うーむ……」
しばらく時間がたったが、できた気配がない。剛十
郎はもう一度呼びかけた。
「殿、殿! お急ぎください」
すると、殿の声が返ってきた。
「全然思いつかんのじゃ。とりあえず、逃げてから考
えることにしよう」
「記憶にない、記録がない」の答弁をしていた大臣が、
とうとう辞任。「記憶ができない」のも怪しいけど、
いくら何でも1年しか記録がないとはあんまりです。

中日新聞HPの「達人に訊け!」コーナーに、お気楽悩み
相談室」を連載しています。
相談その320「割り勘の端数を支払わされるが、こんな理
不尽な思いをしてまで、付き合いを続けるべきか?」
不尽な思いをしてまで、付き合いを続けるべきか?」
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