読み終えた本もあるのですが、なかなか感想書けず。
という事で、今回はこの作品。
「ダブルバインド」城山真一さん。
刑事ものの小説で、主人公が色々なトラブルに次々に合いながらも過ごしていく。。。事件が解決していく?という話。
率直に書くと、可もなく不可もなく。
面白いんですけど、これと言った盛り上がりもない。
そもそも「もっとも不幸な刑事」と銘打っていますが、この程度のトラブルの並走なんて・・・私なんて日常茶飯事。
この程度でギャーギャー言っていたら・・・と思いました。
がっ!
よくよく考えてみたら、読者が馴染みやすい事柄を厳選して「トラブル」にした感じがしてきました。
容疑者を取り逃し、警察内部での権力争い、そして警察内部の不正。
そして、家庭の問題と。
そう、読み手に対して馴染みよく、ワクワク、そわそわする題材を選んだのでは?
そう考えると、このシナリオの流れは王道の話で、面白いと感じました。
まあ
「キャラクターが何もしていないのに、偶然の出来事で話が進む」
と言う点は、ちょっと苦手ですが。
それも「トラブル」は、伏線でもサブシナリオでもなく、たんなる寄り道。
ややっこしくもなく、考えさせられる話でもなく、さっさと終わる寄り道。
それゆえにテンポ良く話が進みます。
これが良いかどうかは、読み手が決めることかなと。
読み終えた後で「ふと」思ったことがあります。
以前、某映画で「文章だったら面白いだろう」と書いた作品がありますが。。。
この「ダブルインパクト」。
「映像にしたら面白のでは?」
と。
今は無くなりましたが「サスペンス劇場」というヤツにピッタリな話のように感じました。
難しくもなく、視聴者が好きそうな題材。
そして、トラブルが解決されていく爽快感。
最後に残る、モヤモヤした問題と「サスペンス劇場」にピッタリな感じです。
他の難解な伏線を持ったミステリー、サスペンス小説ではなくサクサク進むシナリオ。
そう考えると、ミステリー初心者にはぴったりの小説ではないでしょうか。
ちなみに「サスペンス劇場」を見ていて、開始30分で犯人がわかります。
それは
「端役なのに、大御所の役者さんが演じている」
です。
確実に犯人です。
これが、映像作品の悲しい性ですかね。。。