1日の豪紙シドニー・モーニングヘラルドは「東京五輪のプランは大惨事を誘発しつつある」との見出しで特集。「日本の状況を考慮すると、東京五輪は巨大なスーパースプレッダーの大会になる可能性がある。審判やボランティアが突然に姿を消し、たとえ低レベルであっても、感染発生がカオスを生む。団体競技は中止され、レストランはシャッターを閉じる」と警告した。 ◆東国原英夫 五輪開催は「選手団を派遣しませんとバイデン大統領が発言するか、しないか非常に重要」
同紙は、日本のコロナ対策が多くの点で不十分だと指摘した。
「実際の感染者は公式発表よりもはるかに多いはずだ。理由は検査率の低さ。先進国では最低レベルで世界基準でも極端に低く、人口1000人当たり、たったののべ52人。豪州は同499人。貧困にあえぐミャンマーが、52人よりわずかに低い数字となっている」
「ワクチン政策も後れを取り、ようやく2月に医療従事者1万人の接種でスタートを切る。(五輪開幕予定の)7月までの日本人の大半への接種は、非現実的」
「経済を回すため、日本は全国レベルのロックダウンを拒否。東京など11の地域が緊急事態を宣言したが、飲食店に午後8時までの営業を“要請”し、人々に屋内で集まらないよう“お願い”。同様のアプローチはスウェーデンで失敗し、効果的に流行をコントロールした国々の政策とは比べようもないレベル」
これらの現状を踏まえ、同紙は7月に開幕予定の東京五輪・パラリンピックについて「考え得る最高のシナリオは、(団体競技ではない)間引きされた競技が、熱狂して叫ぶファンは存在しない静寂のスタジアムで行われる。聖火は誰もいない通りでリレーされる」と予測した