福島県南相馬市で、いじめ被害を訴えていた市立中2年の女子生徒が自殺した問題で、女子生徒の父親が14日、取材に応じ、亡くなったのは柳沢樹里愛さん(14)と明らかにした。「1月下旬、複数の生徒から『ばい菌』扱いされたと、泣きながら帰宅したことがあった。学校と市教育委員会はしっかり調査してほしい」と求めた。

 市教委は同日、記者会見し、弁護士ら第三者による調査委員会を2月中にも設置すると発表した。一方で阿部貞康教育長は「いじめだけが自殺の主要因だとは考えていない」との見解を示した。

 父親によると、女子生徒は1月、教室で複数の生徒に囲まれ「ばい菌が付く」などと悪口を言われた。2月に入り、登校しても保健室で過ごすことが多かったが、亡くなる前日の10日は放課後まで教室で過ごし「今日は一日教室にいた。頑張った」と話していたという。

 父親は「14年間育ててきたものが一瞬でなくなったことが、まだ信じられない」と目を真っ赤にしていた。

 市教委によると、女子生徒は昨年7月、学校のアンケートに「いじめを受けたことがある」と回答したが、10月のアンケートでは「いじめは受けていない」と答えたという。

 市教委は「複数の生徒を指導した後はいじめの兆候もなく、女子生徒も明るく生活していたので、学校は収束したと考えていた」と説明した。(共同)