異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

安倍官邸が天皇“お気持ち表明”に報復人事! 宮内庁に子飼いの公安警察人脈を送り込み天皇を監視、封じ込め〔リテラ 2016.9.28〕

2016-09-30 00:17:38 | 昭和天皇 平成天皇 天皇制

LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見

http://lite-ra.com/2016/09/post-2589.htmlより転載

安倍官邸が天皇“お気持ち表明”に報復人事! 宮内庁に子飼いの公安警察人脈を送り込み天皇を監視、封じ込め

2016.09.28
 
kunaichou_160808.jpg
宮内庁「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」より


「まるで安倍官邸が『天皇封じ込め』のために、刺客を送り込んだような人事だ……」

 こうつぶやいたのは、元宮内庁詰めのベテラン記者。宮内庁は9月23日、風岡典之長官が26日付で退任し、山本信一郎次長が長官に昇格、後任の次長に内閣危機管理監だった西村泰彦氏(第90代警視総監)を充てる人事を発表した。宮内庁長官は通常、70歳の節目に交代し、次長が昇格する。風岡氏は今月70歳を迎えたのでその意味では通例通りのようにも見えるが、先のベテラン記者はそうではないと言う。

「通例という意味では、宮内庁幹部の異動は春に行われるというのが通例です。風岡さんも来年3月までは長官を務められると誰もが思っていた。この人事はどう見ても異常です。西村さんの次長就任も極めて異例で、警察官僚が就くのは22年ぶり。次長はまさしく『次』の宮内庁長官ですから、事務次官経験者がどこかの省の顧問などを務めてから就任するのが普通です。官邸のバリバリの危機管理監から直に宮内庁入りというのは聞いたことがない。生臭すぎる」

 生臭いどころではない。これは明らかに安倍官邸による「生前退位」問題への“報復人事”だった。その辺の事情をズバリ書いたのは、9月25日付の時事通信だ。風岡長官の退任が早まった理由について、「お気持ち表明に関し、誰かが落とし前をつけないと駄目だ」という政府関係者のコメントを紹介していた。

 たしかに、今年7月、NHKが天皇の「生前退位の意向」をスッパ抜いた際、官邸はこの動きを事前にまったく知らされておらず、「宮内庁の幹部のリーク以外にありえない、いきなり報道でぶつけてくるとは何事か」と激怒していた。その後、天皇自身による「お気持ち」の表明があった後も、官邸周辺からは「(宮内庁は)陛下が思いとどまるよう動くべきだった」(時事通信)、「宮内庁が政府の一員として動いているかどうか分からないところがある」(朝日新聞)といった声が上がるようになっていた。

 しかし、この間の生前退位をめぐる官邸と宮内庁の舞台裏を取材してみると、これは完全に八つ当たりとしか思えない。怠慢なのはむしろ安倍官邸のほうだからだ。

 実は、天皇は2010年頃から生前退位の意向を口にしており、宮内庁も2014年頃に官邸に非公式で生前退位の検討を要請していた。しかし、安倍官邸はこのとき要請に取り合わず、握り潰してしまっていたのだ。

 当時、要請を握り潰したのは、風岡長官の官邸サイドのカウンターパートで、“官邸の情報将校”の異名をもつ杉田和博官房副長官(元内閣危機管理監)だったと言われる。

 杉田氏は1966年東大法学部卒業後、警察庁に入庁。ほぼ一貫して警備・公安畑を歩み、警察庁警備局長を務めた公安のエリートだ。1997年から内閣情報調査室長を務め、2001年1月に初代内閣情報官、同年4月に内閣危機管理監になるのだが、この時の官房副長官(政務担当)が安倍晋三だった。そして、2012年の第2次安倍内閣誕生とともに杉田氏は官房副長官(事務担当)として官邸入り。以後、日本のインテリジェンスの中枢を牛耳る存在として、官邸に君臨している人物だ。

「安倍首相が側近に公安警察出身者を配置し、公安情報を使って謀略政治を展開しているのは有名な話ですが、その元締め的存在が杉田さんです。外交のための情報収集からマスコミ対策、野党対策、反政府活動の封じ込めまで一手に仕切る一方で、官邸に優秀な公安人脈をどんどん集めてきた。首相の右腕と言われる北村滋内閣情報官も元々は杉田さんの部下で、杉田さんの強い推薦があったと言われています。官邸では菅官房長官も一目置く存在で、政権の最大の要ともいう声もあるほどです」(全国紙政治部デスク)

 その杉田官房副長官は、2014年頃、風岡宮内庁長官から天皇が生前退位の意向をもち、かなり意思が固いこと、15年の誕生日記者会見でその「お気持ち」を表明する希望があることを伝えられていた。ところが、杉田官房副長官は憲法上、退位の自由が認められていないことを盾にこの要請を一蹴。風岡宮内庁長官に対して公務負担の軽減などで乗り切れ、と突き放し、15年末のお気持ち表明の計画も潰してしまったのだという。

「もちろん、杉田官房副長官は事前に安倍首相、菅官房長官に相談もしていたはず。検討拒否は、その意向を受けてのことです。ようするに、官邸は天皇陛下を甘く見ていたんですよ」(前出・元宮内庁ベテラン記者)

 実際、天皇の意思の固さは想像以上だった。この官邸の冷たい姿勢に、天皇の周辺は逆に「もう時間がない」「このままでは陛下の意向が官邸によってなきものにされてしまう」と危機感を募らせ、その結果、NHKのスクープとお気持ち表明という強硬手段に出ざるをえなくなったのだ。

 ところが、官邸はこの天皇の身を賭した訴えに対して、逆に激怒し、報復に出た。菅官房長官と杉田官房副長官は、天皇の意向を尊重し、安倍官邸の思惑に反する行動をとったとして、風岡宮内庁長官のクビをすげ替える人事を断行。時事通信に「お気持ち表明に関して、誰かが落とし前をつけないと駄目だ」とコメントした「政府関係者」も杉田官房副長官だと言われている。

 しかも、連中が考えているのは、たんなる報復だけではなかった。それがよくわかるのが、冒頭で紹介した内閣危機管理監の西村泰彦氏の宮内庁次長抜擢だ。

 西村氏は東大法学部卒、1979年に警察庁に入庁した。2013年1月には警察官僚としては警察庁長官に次ぐナンバー2の警視総監に就任するが、わずか1年弱で退官し、14年2月から内閣危機管理監に就任する。これまた、杉田副長官の推薦で安倍首相が「一本釣り」したと言われている。

「今回の人事も杉田官房副長官主導で進められた。西村氏はもともと警視庁の広報課長もやっており、マスコミにも太いパイプをもっている。この間も杉田官房副長官の手足となって、官邸でマスコミ対策も担っていた。その人脈を使って、マスコミをコントロール。天皇サイドからの情報リークの動きをあらかじめ潰そうという意図もあるのでしょう」(全国紙政治部デスク)

 さらに、西村氏の最大のミッションはズバリ「陛下のご意向潰し」だ。安倍政権にとって皇室典範の改正によって天皇の「生前退位」を認めることはもってのほかだ。なぜなら、安倍政権の支持母体である日本会議はじめとする右派の皇室観に反するからである。天皇の意向が表面化してからというもの、安倍応援団である日本会議系の学者が入れ替わり立ち替わり天皇批判を繰り返しているのは周知のとおりだ。

 政権維持のためには、天皇自身の意思を踏みにじってでも、右派勢力の意志には従わなければならない。そこで、安倍首相が着々と進めているのが、特別措置法によっていまの天皇に限って「生前退位」を認める方針だ。宮内庁人事が発表されたのと同じ23日、政府はこの問題を検討する有識者会議のメンバーを発表した。議論をまとめる座長には今井敬・経団連名誉会長が就く見通しだという。今井氏は、首相の側近中の側近といわれる今井尚哉政務秘書官の叔父で、安倍首相とも頻繁に会食を重ねている。

「有識者会議のメンバーを見ても、安倍首相に近い人脈ばかりで、皇室問題の専門家はひとりもいない。明らかに官邸の思惑通りの提言を出させようというのがみえみえです」(前出・全国紙政治部デスク)

 そしてこの有識者会議の事務局には、前述の西村氏が宮内庁を代表して参加する。つまり、有識者会議の議論もすべて官邸のコントロール下に置き、特措法での対応を既成事実化しようという魂胆なのだ。しかし、これは明らかに天皇の意思にも反する行為だ。国民世論にも逆行している。例えば、朝日新聞が9月に実施した世論調査では、91%の人が「生前退位」に賛成し、そのうち76%が「今後もすべての天皇が退位できるようにするのがよい」と答えている。

 実は、こうした天皇と安倍首相の暗闘はいまに始まったことではない。安倍は過去にも警察官僚を使って天皇の意向を握り潰そうとしたことがある。小泉純一郎政権末期の2005年、首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が「女系天皇」も認める報告書を取りまとめた。将来にわたる天皇制の維持を心配する天皇自身の意思を当時の小泉首相がくみ取ったものだと言われ、小泉首相は本気で皇室典範改正を考えていた。しかし、当時官房長官だった安倍氏は「男系男子」にこだわり、なんとか小泉首相を翻意させようと躍起だった。そのとき安倍氏の手足となって暗躍したのが、当時警察庁長官だった漆間巌氏だったと言われる。

 漆間氏は、第1次安倍政権発足後も安倍に乞われて警察庁長官として居座った。安倍政権の下で漆間氏は「北朝鮮への圧力を担うのが警察の役割」などと公言し、朝鮮総連関連など「北朝鮮が嫌がる捜査」に血道をあげた。『日本の公安警察』(講談社現代新書)の著書があるジャーナリストの青木理氏は一連の漆間氏の振る舞いを、かつての特高警察を彷彿とさせる“政治警察宣言”にも等しいと喝破している。

 そして、安倍もこの時、警察を使って政治を動かす不健全な権力運営に目覚めたのではないか。事実、これ以降、政敵や野党幹部のスキャンダルを内閣情報調査室や公安警察を使ってかき集め、メディアにリークするというのが、政権の常套手段となった。最近では、民進党代表選で浮上した蓮舫議員の二重国籍問題なども内調のリークだといわれている。

 いずれにせよ、安倍政権にとっての警察は国民の命と安全を守る組織ではなく、国民を監視・支配するための道具なのだ。

 そう考えると、今回の宮内庁人事もその一環、とみたほうがいいかもしれない。安倍政権に逆らう者をひとくくりに「敵」とみなし公安警察を使って監視する、その対象を天皇周辺にまで広げたということではないか。

 これは決してオーバーな話ではない。安倍はおそらく、憲法遵守の姿勢を鮮明にする天皇を、自分の野望を阻む最大の「敵」だと考えているはずだ。これから先、天皇は生前退位にとどまらず、公安警察出身の新しい宮内庁次長によってあらゆる民主主義的な発言を封印されてしまうことになるかもしれない。
エンジョウトオル

 

 


テレビ大阪、長谷川豊氏の降板発表…透析患者中傷に「報道番組キャスターとして不適切」 2016.9.29

2016-09-30 00:17:00 | 福祉 高齢 障がい

logo

http://www.hochi.co.jp/entertainment/20160929-OHT1T50163.htmlより転載

テレビ大阪、長谷川豊氏の降板発表…透析患者中傷に「報道番組キャスターとして不適切」

2016年9月29日17時20分  スポーツ報知

フリーアナウンサーの長谷川豊氏

  • フリーアナウンサーの長谷川豊氏
 

 テレビ大阪は29日、報道番組「ニュースリアルFRIDAY」(金曜・後5時13分)のキャスターを務めていた元フジテレビのフリーアナウンサー・長谷川豊氏(41)の降板を発表した。

 長谷川氏は9月19日付の自身のブログで、人工透析患者を中傷するようなタイトルの記事を掲載。その後、タイトルは変更されたが、テレビ大阪では報道番組のキャスターとして不適切な行為だと判断した。

 テレビ大阪は「9月19日付けの長谷川氏が自らの公式ブログ『本気論 本音論』で発信した内容に行き過ぎた表現があり、多くの人に著しく不快感を与えたものと考えます。その後タイトルなどを修正したとはいえ、何よりもことばを大切にしなければならない報道番組のキャスターとしては不適切な発信といわざるを得ません」との見解を示した。


<関連記事>

ネトウヨ、差別主義者と全く同じ種類の長谷川豊氏だ!~全腎協の謝罪要求は「断固拒否」 〔長谷川豊 2016.9.25〕

長谷川豊氏に発言の撤回と謝罪を求める抗議文を送付しました。(全腎協 2016.9.23)/ 腎臓病患者の命と生活を守る「全腎協」

「人工透析患者は自業自得、殺せ!」長谷川豊公式ブログ / データ、知識、事実無視の暴論~神奈川身障者施設大量殺傷事件を想起!

 

 

 

 


TPPで「農林水産物の輸出が増える」は悪質な虚偽である 〔高野孟 日刊ゲンダイ2016.9.29〕

2016-09-30 00:16:33 | TPP

 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190669より転載

永田町の裏を読む

TPPで「農林水産物の輸出が増える」は悪質な虚偽である

2016年9月29日

逆に米国からの安い牛肉や乳製品の輸入が激増する(C)AP 
逆に米国からの安い牛肉や乳製品の輸入が激増する(C)AP

 
 9月26日の所信表明演説で安倍晋三首相は「TPPの早期発効を大きなチャンスとして、農林水産物輸出の1兆円目標の早期達成を目指す。おいしくて安全な日本の農林水産物を世界に売り込みます」と強調した。野党の農林系議員がこう言って首をかしげる。

「今国会の最大課題がTPP承認だと言っている割には、それに触れたのはここだけ。しかもこの言い方では、TPPが発効すると日本からの農林水産物の輸出が増えるかのように聞こえる。何を言っているのか分からない」

 確かに、これでは何のためのTPPなのかを国民に説明したことにならない。第1に、TPPが農業との関わりで一番問題なのは、今でさえ農林水産物の輸入が9兆5000億円に達して食糧自給率を39%(カロリーベース)まで押し下げているというのに、今後、米国産や豪州産の安い米、牛肉、乳製品などがドッと入ってきて、輸入額が増えるくらいならまだしも、日本の農業や畜産業の基盤が破壊されかねないということである。そのことを農家も国民も心配しているというのに、安倍はそれには一言も触れない
 
 
 第2に、農林水産物の輸出が増えて、昨年は7452億円に達し、この調子でいけば1兆円到達も遠くないとは思うが、その仕向け先は香港が第1位で24%、台湾が第3位で13%、中国が第4位で11%(以上「大中華圏」計48%)、以下、韓国7%、ヨーロッパ6%、タイ5%で、これらの国々はTPPとは関係がない。上位10カ国でTPP参加国は米国(第2位)、ベトナム(第7位)、シンガポール(第9位)で、その合計シェアは22%でしかない。だから、TPPで農林水産物輸出が増えるかのように言うのは虚偽である。逆に米国からの輸入が激増する。

 個別品目を輸出金額の大きい順に並べると、ホタテ貝、真珠、清涼飲料水、サバ、菓子、日本酒、ブリ、リンゴ、牛肉、茶が上位10品目だ。おおむね、大中華圏を中心にした東アジア共通の食文化圏で日本の高品質の食品がもてはやされていることが分かる。繰り返すが、TPPとは何の関係もない。これら輸出を増やすには、日中韓自由貿易協定(FTA)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を先行させるのが有効である。その中でアジアの農業の実情に即した緩やかな農業自由化の論理を構築した上でTPPに対処すべきだと、私は5年前から提唱してきたが、安倍にその戦略観はない。

 

高野孟著者のコラム一覧

高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

 

 

 


【沖縄・高江】やんばるの森は殺された 2016.9.29

2016-09-30 00:15:42 | 沖縄

高野 チェブ夫のブログ

http://ossanhitorimeshi.net/?p=30270より転載

【沖縄・高江】やんばるの森は殺された

 2016/09/29

やんばるの森は殺された

沖縄・高江でのヘリパッド建設工事にたいする阻止行動はつづいている。安倍首相はヘリパッドの年内完成を国会で明言、沖縄県警のみならず全国の機動隊を沖縄に投入し、力ずくで工事を進めようとしているから、工事を阻止しようとする側との軋轢も増している。

きのうの阻止行動は、まず「水曜大行動」とよばれる座り込みが、高江訓練場のメインゲート前であった。並行して米軍基地内の工事現場での座り込みがおこなわれ、さらに大行動に参加したメンバーも、やはり米軍基地内の別の工事現場で座り込みをおこなった。

僕は大行動と並行して基地内で座り込むグループに参加、朝7時、総勢30名のメンバーといっしょに山に入った。

米軍基地内 座り込み

普段僕は、「運動」といえば街を30分程度歩くきり。30分くらいの行程の、大した上下もない山道でも、歩くのはとてもキツイ。

 

直径100メーターくらいのヘリパッド建設現場の、一角にある谷に到着、そこで防衛局員に「速やかに立ち去ってください」との連呼を受けながら、座り込みを開始した。

米軍基地内 座り込み

ヘリパッド予定地内の木々は大半が伐採され、整地が始まろうとしている。あと残されたのはこの谷で、この3日間というもの、プロテスターが谷の下にいるものだから、切られた木が下に落ちてプロテスターを直撃する危険があり、防衛局は伐採を進められずにいた。

 

座り込みは持久戦だ。僕はおにぎりやらお弁当やらコーヒーやら、リュックにたんまりと入った食料を、腹が減ったらパクついて、食べ終わったら昼寝してとのんびりしながら時間を過ごした。

しかし地元沖縄の人たちは、座り込みの最中は、それとは違った時間の過ごし方をする。近くには防衛局の職員や作業員、警官などがいる。彼らに向かい、コンコンと説教をするのだ。

 

「あなたたち、自分たちがしていることが、日本を戦争に巻き込み、奈落の底へ突き落とすことに手を貸しているというのがわからないの?」

「仕事だからといって、何をしてもいいわけではないの。もっと、人からきちんと尊敬される仕事をしなさい」

「やんばるの森は、こうして一度木を切ってしまったら乾燥し、死んでしまうの。あなたたち、取り返しがつかないことをしているのが分からないの?」

 

相手も人間。こちらも人間。ならば話せば分かるはず。

ただぶつかり合うばかりでなく、きちんと理解してもらおうという試みを、根気強くつづけている。

 

お昼までは、そうして時間が過ぎていったが、午後になって様子は変わった。機動隊が入ってきたのだ。

米軍基地内 座り込み

おびただしい数の機動隊員が谷底へ降りてきて、プロテスターの排除をはじめた。

 

僕も機動隊員に両手両足を担ぎ上げられ、斜面ではロープにくくられて、工事のじゃまにならない場所に拘束された。

米軍基地内 座り込み

 

プロテスターが拘束されているあいだ、チェーンソーの音が鳴り響いた。しばらくすると、谷の斜面に残っていた木々は、すべて切り倒されてしまった。

米軍基地内 座り込み

 

丸裸になってしまった、やんばるの森。

丸裸になってしまったやんばるの森

機動隊が立ち去ったあと、そこにすわって、またそこらを歩いて、落胆する沖縄の人たちの様子は、胸が痛んだ。

 

そう、やんばるの森は、殺されたのだ。しかも殺されたのは、今回が初めてなどではない。

沖縄は、全国で唯一、太平洋戦争時に本土決戦の場とされた。武器を持たない何万という数の民間人が、アメリカ軍に殺された。

それからも、米兵による暴行事件・殺人事件はあとを絶たない。昨年も、元米兵による強姦殺人が起こっている。

 

そのように、沖縄の人たちは殺されつづけてきているのだ。そしてまたいま、太古からつづくやんばるの森が殺され、失われようとしている。

 

やがて誰からともなく、重機が1カ所にまとめた樹木を、そこいら中にばら撒きはじめた。

樹木をばらまく

 

帰り道でも、砂利で整地された道に、道端によけられていた木をばら撒いていく。

樹木をばらまく

 

これは一つには「嫌がらせ」の意味がある。こうして木々をばら撒いておけば、それを片付けるのに時間がかかり、翌日の作業がすこし遅れる。

でも真剣な顔で熱心に、小柄な女性などでも力をふり絞り、重い木を運んでいくさまを見て、僕は単に嫌がらせだけのことではないのかもしれないと、ちょっと思った。

 

やんばるの森は、殺されてしまったのだ。

こうして整地されてしまった場所に、木々をふたたびかぶせていくのは、弔いの儀式であるかのようにも思えた。

 

高野 チェブ夫 

54歳バツイチ独身、一人暮らしのブロガー/フリーライター。「酒は飲み過ぎるまで飲め」が座右の銘。デモや差別カウンターにときどき参加。好きな女優は松嶋菜々子。

 

 

 


【悲惨!】沖縄・高江 機動隊に守れれ、伐採されゆく”やんばるの森”

2016-09-29 14:42:32 | 沖縄

【悲惨!】沖縄・高江・機動隊に守れれ、伐採されゆく”やんばるの森”

     

鈴木 徹一さんFBより

【高江から】今朝6時集合。
H地区現場で伐採阻止行動をしましたがこちらはわずかな人数。昨日は見ているだけだった機動隊が今日は最初から50人。

何回か抗議、阻止の行動を繰り返しましたがかなわない。
何しろ機動隊の壁、壁。...
もう伐採、チェーンソーで切り倒すのでなく重機で根こそぎなぎ倒す。樹々をバックホーでかき集め崖下に放り投げトラックに積み込む。

着々と作業はまさに機械的に進んでいきます。何十年、何百年、いやそれ以上の時を刻んで育まれてきた自然が一瞬のうちに破壊されていく様を目の当たりにすると、そしてその破壊になすすべもなく見守るしかない━たまらんですね。
オスプレイパッドができてしまえばやんばるに住む人々の生活がどうなるかは明らか。

人が足りません。
ぜひ今止めなければ年内には作られてしまいます。今日の作業ペースは速い。もう平らです。

それでも午後から現場に駆けつけた市民を含めれば最終的に60人が参加しました。88歳のオバアも山を越え、沢を渡って現場にお出でです。日毎に工事現場の阻止行動に参加する人は確実に増えつつあります。

今からでも間に合います。どうか全国のみなさん、改めて高江に助けに来てください。全国に呼びかけてください。
私たちは法の手続きさえも無視する日本政府に対して、沖縄の正当な民意を暴力を用いて踏みにじる日本政府に対して抵抗する権利があります。いえ、人として抵抗する義務があります。高江でご一緒しましょう。

 

*************

Makoto YasuさんFBより

まだ森には命が満ちている

路肩に切り落とされた木々の間

ノグチゲラが倒れた巣を探してたよ

子ども探す親の気持ちわかるよね