異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

元裁判官が赤裸々に暴露「この国の司法では良心を貫くと挫折する」 ~いびつな日本の権力構造

2016-11-22 03:30:43 | 自由 思想 信仰

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50212より転載

 2016.11.20
元裁判官が赤裸々に暴露「この国の司法では良心を貫くと挫折する」

いびつな日本の権力構造

 

リアルな裁判官の姿

――知られざる裁判所腐敗の実態を元裁判官が告発したとして、著書『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社現代新書)は大きな話題となりました。今回刊行された『黒い巨塔』は最高裁判所を舞台にした小説仕立ての一冊です。

司法、裁判所や裁判官の問題については、一通り書いてきました。でも、ノンフィクションでは、やはり限界があるんです。日本の司法権力の特異で歪んだ形、その本質を描くには、自由な小説の方がいいと考えたんです。

新書では、実感がもちにくい、難しいという声もありました。裁判所はどんなところで、どんな人が裁判官を務めていて、最高裁長官の権力、また、日本の司法の権力構造はどのようなものか。

それらについての具体的でリアリティーのあるイメージを、面白く興味深い物語の中で実感してもらいたいということです。

 

――今回描かれているのは、裁判をする裁判官というより、一般の人にはなかなか見えてこない、行政官としての裁判官のリアルな姿です。

日本の裁判所の特殊性は、裁判官が行政官でもあることです。言ってみれば、「役人」。だから、良心的な裁判官でもない限り、行政、政治を追認する役人のような裁判をしてしまうんです。

戦後もなお裁判所の力は弱く、権力とのつばぜり合いの中で、政治の方を見るようになっていった。さらに、組織を強くするという名目のもと、本来、裁判所ではあるべきではないピラミッド型ヒエラルキーを強化した。そこで際限のない出世競争が行われているんです。

アメリカでは法曹一元で裁判官に上下関係などありませんし、出世もない。最高裁判所の判事に、地方裁判所の判事が最敬礼するなんて日本だけ。上下関係は本来、あってはならないんですよ。

良識人が異端とされる世界

――本書では、最高裁判所の事務総局という権力の中枢ともいうべき場所で、そうした強烈なラットレース、能力のない上司による愚行、理不尽な人事などが次々に展開されていきます。

主人公は特段、反権力というわけではないんです。裁判官のあるべき姿として、自由主義、法の支配を貫きたいと思っているだけ。でも、そういう人が異端になっていく。

出世一辺倒の日本の裁判所は、良心があればもちろん、出世志向に迷いややましさを感じてしまうだけでも、挫折するか、上にはいけない。良心を貫こうとすると、左遷されたり、自殺に追い込まれたりする。

でも、行政、大企業、マスメディアだって、日本の組織は、だいたいこうなっているでしょう。ほぼ相似形ですよ。本作は最高裁を描いていますが、実はこれは日本の権力の普遍的な形なんです。

――その結果、何が起こるのか。結末に本当に驚かされる、原発差し止め訴訟の統制とその暗い結末が描かれていきます。

日本の権力構造の最大の問題は、客観性がないこと。原発行政とその差し止め訴訟を調べるとはっきりわかります。私は元裁判官ですから、中立的な立場から見ていったんですが、日本の原子力行政は確かにおかしい。

これは本書にも出てきますが、原子力ムラでは、3つの前提が語られていたんですね。「30分以上の全電源喪失は続かない」「日本ではシヴィアアクシデントは起きない」「日本の原発の格納容器は壊れない」。

これらの言明には何の根拠もないんです。そして実際に東日本大震災によって、福島原発の事故が起きてしまった。

でも、この3つの言明について、日本を代表する原子力学者たちがお墨付きを与えていました。福島原発事故のあと、欧米人と話していて、何度も驚かれました。どうして専門家がそんなことを言ったのか、どうして人々はそれを信じてしまったのか、と。

説明しようがないんです。そして今またしっかり精査せずに再稼働させようとしている。欧米なら絶対ありえないと言われました。

――日本は権力構造に大きな問題がある、と。

権力というのは必ず腐敗するものなんです。そして、本来、司法というのは権力をチェックするのが役割です。人が支配するのではなく、憲法や法律が支配する仕組みにしないといけない。

だから、個々の裁判官だけが悪いんじゃないんです。日本人はそういう問題の立て方をしがちですが、それは違う。「権力構造」に問題があるんです。いい人がいても、押し流されてしまう。基本的な構造こそがまず問題にされるべきなんです。

 

権力は放っておけば腐敗するから市民が監視しないといけない。その視点が日本人には不足している。だから、根本的なところで誤る。戦争しかり、原発しかり。

細かなところでは、日本人は立派です。電車だって遅れない。製品も丁寧に作られる。でも、大きなところで間違っていたら取り返しがつかないんです。

――権力小説は多々ありますが、どんなところが本書の特徴になりますか。

たくさんの本が権力の非情なメカニズムを描いています。が、多くの場合、それらは、外の人が情報を手に入れて書いているんですね。中の人間の目ではない。でも、私は、本物の権力を間近で見てきました。その意味で、この小説は、私にしか書けないと思います。

1年がかりで書きましたが、興味深く読みやすいものにするために、編集者の厳しい指摘を得て3度も書き直しました。まずは小説として面白くないといけないですから。これを読んで司法、裁判所、裁判に興味を持ったら、ぜひ新書や専門書も読んでみてほしいです。

(取材・文/上阪徹)

最高裁中枢を知る元エリート裁判官が描く、あまりにもリアルな、司法荒廃と崩壊の黙示録!

週刊現代』2016年11月26日号より

 

 

 


※ 自民党による、許されない、学校教師への思想調査だ!密告の勧めだ~自民党「学校教育における政治的中立性についての実態調査」

2016-07-09 18:13:03 | 自由 思想 信仰

※ 自民党による、許されない、学校教師への思想調査が始まった!まさに戦前、戦中と同じだ!!

 

https://ssl.jimin.jp/m/school_education_survey2016より転載

 
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全角入力 例) 山田
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フリガナ <input id="e_7895" type="text" name="e_7895" size="50" /> 
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全角20文字以内
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半角入力 例) 03-1234-5678
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半角入力 例) 03-1234-5678
連絡先のご住所 <input id="e_7902" type="text" name="e_7902" size="50" /> 
E-mail <input id="e_7904" type="text" name="e_7904" size="50" />

●確認用

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※以下、政治的中立を逸脱するような不適切な事例を具体的(いつ、どこで、だれが、何を、どのように)に記入してください。
政治的中立を逸脱する
ような不適切な事例
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フォームの入力情報は暗号化(SSL)され送信されます。SSLに対応していないブラウザの場合送信できません。予めご了承ください。


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NEVERまとめ

自民党が「学校教育における政治的中立性についての実態調査」で「密告」をお願い
→批判殺到し削除?→復活 

 

 

 

 


瀬戸内寂聴 現在は戦前昭和16年頃の感じ、軍靴の音が聞こえ(NEWSポストセブン 2016.5.4)

2016-05-05 15:29:41 | 自由 思想 信仰

瀬戸内寂聴 僧 尼 日本人 和みの画像(プリ画像)

にゅーすぽすとせぶんhttp://www.news-postseven.com/archives/20160504_409028.htmlより転載

瀬戸内寂聴 現在は戦前昭和16年頃の感じ、軍靴の音が聞こえ

2016.05.04 16:00   NEWSポストセブン

 

「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログが話題になった。市民の声が政治の力を動かす象徴になっている。実際に、党派や会派の壁があっても、議員に直接頼めば、超党派のネットワークで問題が解決することもある。

 過去には女性議員の議員立法で成立した法律がある。2001年に施行されたDV防止法だ。法案を主導した元千葉県知事の堂本暁子さん(83才)が振り返る。

「最初は市民団体から申し出があり、女性議員が集まって超党派で法律を作ることになりました。当時、男性議員は“日本の男が暴力をふるうなんてありえない”と話して、あまりの認識の乏しさにショックを受けました。

 当時はマドンナブームで当選した女性議員が女性被害者の立場から、議員立法で法案が成立しました。今も貧困や非正規労働など女性はさまざまな問題を抱えています。政治ができることは多いはずです」

 直接的なデモ、議員への陳情、フェイスブックやツイッター、ブログなどインターネットへの投稿…今はあらゆるツールを使って、私たちは簡単に自由に政治活動ができる。そして7月には参議院議員選挙が行われる。日本経済が混迷し、世界が大きく変わる中で、憲法改正も争点になる大きな選択の選挙だ。稲田朋美議員(57才)が語ったように政治が生活そのものならば、私たちの生きづらさや不満、あるいは“こうだったらいいのに”という希望など、生活していく上での実感を発信していくことが明日を変える第一歩になるかもしれない。

 安保法案に反対し、老骨に鞭打って国会前でのデモにも参加した瀬戸内寂聴さん(93才)はこう語気を強めた。

「昔を知る人はほとんどいなくなりましたが、今の状態は戦争が始まる前の昭和16年頃と同じ感じで、軍靴の音がドッドドッドッと聞こえてくる恐怖感があります。戦争は怖いものです。

 これはいい戦争だ、例えば私たちの時代には東洋平和のために、日本国民のために、天皇陛下のためにとか、そんなふうに教えられたのです。しかし、世界中にいい戦争なんてものは一つもありません。男と違い、女は子供を産み、命を続けていくことができます。そのことを忘れてはいけません」

※女性セブン2016年5月12・19日号

 

 

 

 


療養のはずが…甘利前大臣は元気に選挙運動&飲み会三昧(日刊ゲンダイ2016.5.3)

2016-05-04 03:44:19 | 自由 思想 信仰

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/180482/1より転載

2016年上半期 アノ事件の“今”追跡

療養のはずが…甘利前大臣は元気に選挙運動&飲み会三昧

2016年5月3日

甘利氏が支持者に送った手紙(左)/(C)日刊ゲンダイ 

「国民に恥じることをしていなくても、秘書に責任転嫁することはできない」――唇を噛みながら辞任の理由をこう絞り出した甘利明前経済再生担当相(66)。1月28日の辞任会見から3カ月以上過ぎたが、睡眠障害で「自宅療養中」なんて理由で、国会を欠席している。

 本紙は神奈川・大和市の甘利氏の自宅マンションを訪ね、インターホンを鳴らしたが返答はなかった。同じマンションの一室に住む住民は、「週刊文春の報道後、姿を全く見なくなった」と話した。一体どうしているのか。

■大手メディアの記者たちと飲み会

「3月に入ったころから、議員宿舎内での目撃情報が少しずつ出てきています。ある政界関係者は、エレベーターホールで白いキャップにマスク、白いジャージーの上下の“白装束”に身を包んだ甘利さんを見かけたそうです。健康管理のため宿舎の周辺でジョギングしていたなんて話も出ています」(政界事情通)

 健康管理のかいもあってか、今ではすっかり飲み歩くまでに体調が回復しているようだ。

「睡眠障害? いやいや、本人は元気そのものですよ。最近は地元周辺で、関係者たちと一杯やっているというし、都内でも大手メディアの記者たちと飲み会三昧だそうです」(永田町関係者)

 さらに、4月22日には甘利氏を支援する議員21人からなる「さいこう日本」の勉強会が開催された。

「『さいこう日本』のメンバーが、失脚した甘利さんをいくら支援しても大臣ポストが回ってくるわけもなく、メリットは小さい。甘利さんは当日、欠席でした。このタイミングで勉強会を開いた理由がよく分かりません」(メディア関係者)

 3月ごろから体調が回復した甘利氏が、徐々にうごめきだしたのには理由があるらしい。

「当時はダブル選挙の機運が高まっており、自民党内も浮足立っていた。解散に備え、選挙事務所の確保に動きだす衆院議員もいたほどです。甘利さんも相当、焦っているのでしょう」(前出の政界事情通)

 本紙の元には、甘利氏が3月と4月に支援者に送った2通の手紙がある。共に内容はほぼ同じで、〈初当選以来の私の33年間の歩みを信じて頂き、引き続きご支援を頂ければと切に願う次第です〉と呼びかけている。金銭授受問題の説明責任を棚に上げ、選挙運動に邁進とは、すっかり睡眠障害は治ったようだ。

 

 

 

 


没後7年 今「忌野清志郎」が求められる理由(dot.)

2016-05-02 16:47:58 | 自由 思想 信仰

http://dot.asahi.com/wa/2016042800266.html?page=1より転載

没後7年 今「忌野清志郎」が求められる理由

(更新 2016/5/ 2 07:00)
 「狂ってきたこの世は騒がしいぜ」没後7年。キヨシローの不在を何度でも嘆く……(2004年12月9日、撮影/遠藤智宏)

「狂ってきたこの世は騒がしいぜ」没後7年。キヨシローの不在を何度でも嘆く……(2004年12月9日、撮影/遠藤智宏)

 

左から、アサミカヨコさん、片岡たまきさん、三宅伸治さん(撮影/太田サトル)

左から、アサミカヨコさん、片岡たまきさん、三宅伸治さん(撮影/太田サトル)

 世代もジャンルも超えて愛されたミュージシャン、忌野清志郎が亡くなって7年。今でも、テレビで、ラジオで、街で、彼の歌声が響く。いつまでも愛される理由は何か──。

 ユーチューブで人気の動画がある。昨年9月4日の国会前で、脳科学者の茂木健一郎さん(53)が学生団体「SEALDs」の求めでマイクを握ったときの映像だ。茂木さんは、夜空を見上げてこう語る。

「清志郎さん、見ていますか」

 拍手が沸くと、激しく体を揺らして歌い始めた。

「安保法案、腐った法律! 安保法案、ダメな法案! 何でもかんでも強行採決さー!」

 1980年代末、忌野清志郎率いるザ・タイマーズが、民放の生放送で歌って物議を醸した曲「FM東京」の替え歌だった。

清志郎は51年、東京生まれ。70年にRCサクセションでデビュー。「スローバラード」「雨あがりの夜空に」などがヒットした。派手なメイクと衣装に加え、反原発の楽曲を含むアルバム「カバーズ」が発売中止になるなど、社会問題を作品に取り込むことでも知られた。2009年5月2日、がんのため58歳で亡くなった。

【故・忌野清志郎さん2005年のインタビューはこちら】

 死後も、原発や安保などの問題をめぐり、清志郎は何度もクローズアップされる。おそらくそれは88年発表の「カバーズ」、その直後に結成したタイマーズの活動に起因しているだろう。タイマーズや忌野清志郎のソロ活動に参加した三宅伸治氏、RC元マネジャーの片岡たまき氏、RCのアルバムジャケットのデザインを手がけたアサミカヨコ氏に思い出を語ってもらった。

*  *  *
──「カバーズ」は洋楽の名曲に日本語の歌詞をつけたアルバムでした。

三宅伸治(以下三宅):87年暮れにはもう構想があったと思います。ボス(清志郎)から「こんなカバーをやりたいんだ。♪なにいってんだ~(ラヴ・ミー・テンダー)」って歌うのを聞かされましたから。

──核や原発をテーマにした曲が収録されていたため、レコード会社の親会社から圧力がかかり、発売が中止されました。

片岡たまき(以下片岡):チェルノブイリ事故があって、広瀬隆さんの本を熱心に読んでましたよね。

三宅:「三宅、大変なことになってるぞ」と、ボスが本を貸してくれました。

アサミカヨコ(以下アサミ):当時、ワインのラベルを見て、年代や産地を気にしていましたね。

──別のレコード会社から無事に発売されたわけですが、怒ってましたか?

アサミ:そりゃあもう、あのころはステージのMCでも怒ってましたね。

三宅:ラジオ番組でも「頭にきた」的なことを言ってました。

片岡:訳詩の許諾も下り、発売日も決まっていたのに、何がダメなんだって話ですよね。普段はいたって穏やかな人、ギリギリまでためてから爆発する、そんな面もありましたね。

アサミ:そういえば、ボスの家族と一緒に山梨の温泉に行ったとき。私は助手席に乗ってたんですけど、帰り道に塩山の駅前で降ろされて、「じゃアサミ君は電車で帰りたまえ!」って置き去りにされたことがあって。

三宅:ひどい(笑)。

アサミ:後でイシイさん(奥さん)に聞いたら、私が助手席でおせんべいを食い散らかしたり、山道で酔って吐いてポルシェをちょろっと汚したりしたことに、ボスは相当ムカついてたらしく。2泊3日ニコニコしてたのに最後にズドン。それはともかく(笑)、ボスの場合、怒りが歌になることは多いですね。

──「カバーズ」でためこんだ怒りがタイマーズでの活動につながっていくわけですね。ステージで土木作業員のような格好をし、強烈な社会風刺を歌う。

三宅:ラジオ番組の放送の合間に、僕が持ち込んだ歌本を見ながら(米国の)ザ・モンキーズの曲を歌ったりして。そこからですね。ある夜、ボスから送られてきたファクスに「タイマーズ」って書いてありました。名前は(GSの)タイガースのパロディーです。

片岡:楽屋はRCのときとは違った興奮状態でしたね。新聞を広げて、歌にできるニュースを探したり、ガラの悪い言葉遣いで話したり。

三宅:いつも叫びながらステージに向かうんです。学園祭では、実行委員の女の子がびっくりしてた。地下足袋を履くあたりからスイッチが入るんですよ。

──ステージが終わったときは「やってやったぜ!」みたいな感じ?

三宅:まさにそれです!

片岡:興奮した様子で、「やったな!」と。

アサミ:後でビデオを見て、自分のことを「この人すごいな」「すごいだろ、俺なんだけどネ」とか、何度も絶賛して(笑)。

──89年、テレビの生放送で、リハーサルと全く違う、しかも放送禁止用語満載の曲を歌って話題になりましたね。

三宅:タイマーズの「土木作業員ブルース」って曲や、山口冨士夫さんとボスが一緒に作った「谷間のうた」って曲がFM東京などで放送禁止になって。

片岡:怒ってましたねえ。

三宅:番組に出るときに「ボス、何かやらかしますか?」って言ったんです。

アサミ:伸ちゃんが言ったの?

三宅:そのときに作ったのが「FM東京」という曲で。ボスが作った「お◯◯◯野郎」って過激な歌詞を見てびっくりしました。

片岡:さすがに「それはダメじゃないの?」って言わなかったの?

三宅:最高でしたね(笑)。演奏しながら、テレビカメラの向こうに、いろんな人が走り回ってるのが見えた。あんな光景は見たことなかったです。そのときも、やっぱり「やったぜ!」でしたね。

片岡:態度悪そうにガムかんでたりもしてたね。

三宅:そのガムを買ってきたのも俺です。

片岡:日ごろ静かな人が、ここぞとばかりに無理やり不良になったみたいで、ちょっとかわいいんですけどね。

三宅:俺がRCのスタッフをやめるときに悩んでいたんですが、「俺は友達になりたいんだ、三宅」と言ってくれたんです。

アサミ:私も、もめごとがあったとき、ファクスで「ちっぽけな人間より」って謝ったことがあって。そしたら、そこを消して、「いやいや大きな友だよ」と返信してくれたことがあって。

片岡:対等でいてくれる。あったかい人ですね。

──タイマーズは94~95年にも活動しました。

三宅:阪神大震災やオウム真理教事件をはじめ、毎日いろんなことが起きた時期で。その日の出来事をその場で曲にして、その日のステージで歌ってました。

アサミ:ラブソングが得意だからか、「恋バナ」もメチャメチャ好きで。ちょっと離れたところで寝てると思って、ヒソヒソ恋バナしてると、「何なに?恋の話? ン? ン?」ってガバッと起きて参加してきたり。

片岡:「得意なんだよ俺は」ってね。得意そうには見えないけれど(笑)。

──今でも何か起きると、ファンの間では「キヨシローならどう歌ってくれるだろう」と話題になります。

アサミ:でも、ボスはもういないわけだから、ボスからもらった種を育てて、おのおのが歌えよ、考えろよって思いますね。

片岡:想像しても、答えがないことですからね。

(文・構成・太田サトル)

※週刊朝日2016年5月6-13日号