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三権分立が崩壊!! 省庁「与党が提出を許可しない森友学園問題の資料は出せない」・・・【動画あり】

2017-04-22 17:04:00 | 立憲主義 民主主義

 森友学園 大塚拓・財務副大臣「与党が許可しない資料は出せない」4/20参院・国土交通委員会


http://buzzap.jp/news/20170421-moritomo-submission/より転載

三権分立が崩壊、省庁「与党が提出を許可しない森友学園問題の資料は出せない」

与党の許可がなければ森友学園問題の資料文書は提出できないと霞ヶ関が弁解している事が判明しました。完全にクロであると自白しているようなものですが、大丈夫でしょうか?


◆与党が許可しない資料は出せない?

大塚拓財務副大臣は4月20日の参院国土交通委員会で共産党の辰巳孝太郎議員の質問に答え、森友学園への国有地売却問題に関する資料の開示には与党の了解が必要だとの認識を示しました。

辰巳議員は、売却価格を不動産鑑定価格から約8億円値引きした根拠となる地下埋設物の確認箇所を記した地図などの開示を求めたところ「国交省や財務省が『与党の許可が得られないと資料を出せない』と言ってきた」という状況を曝露。

「三権分立の観点からもおかしい」「与党による事実上の検閲だ。行政機関と与党が一緒に疑惑を隠蔽しようとしている」と批判しました。

大塚拓財務副大臣は「本件は相当、政治的な問題になっている。一般的に与党の理事に相談するのは普通だ」とし、与党による「検閲」が行われており、それが「普通だ」という、ちょっと信じられないような認識を示しました。

◆三権分立が完全に破壊

これは極めて大きな問題で、自民党は辰巳議員の指摘する「与党による検閲」が行われている事を明確に認めた上で、それを問題ないと正当化しています。つまり、野党の開示請求した資料であっても、都合が悪い資料は与党が許可を与えさえしなければ、省庁は資料を提出できないことになります。

もちろんここにはなんら法的根拠はなく、単に与党が都合の悪いことを勝手に隠蔽しているだけの話。つまりは日本国憲法第41条が国権の最高機関と定めた国会の持つ国政調査権が行政府によって徹底的に握り潰されてしまっている事になるのです。これは三権分離が完全に崩壊した極めて異常な状態。「政治家への忖度は存在しない」と言っていたのも全て嘘ということになります。

◆森友学園問題が完全にクロと認めることに

森友学園問題に限って見てみても、野党の求める「売却価格を不動産鑑定価格から約8億円値引きした根拠となる地下埋設物の確認箇所を記した地図」の開示を与党が許可しないという事実は、森友学園問題が与党にとって都合の悪い事件だということが明確に示してしまいます。

安倍昭恵夫人や迫田国税庁長官、松井一郎大阪府知事らの証人喚問を頑なに拒否し続けた段階で真っ黒でしたが、三権分立を壊し、国政調査権を否定してまで資料の開示を拒否するという状況は、最早「見られなくないものを隠している」以外に考えようがなくなってしまいます。


森友資料開示、財務副大臣「与党の了解が必要」:朝日新聞デジタル

(Photo by Nels Highberg

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野党には資料を出さない官僚:小林よしのりライジング:小林よしのり ...

 

 

 

 


◎重要: 福島第一原発二号機による地球規模の大惨事の可能性

2017-02-14 14:21:15 | 立憲主義 民主主義

東京新聞:福島2号機、格納容器内の高線量確実 カメラ2時間で故障:経済 ...

 今回の調査でも高い線量が推計されたことで、誤差を考慮しても格納容器内が数百シーベルトという高線量であることはほぼ確実となった。

 

福島第一原発二号機が引き起こしかねない大惨事 太平洋と米国への影響や如何?


(翻訳:神学博士 川上直哉)

朝日新聞英語版より

朝日新聞英語版より

事故により破損した福島第一原子力発電所の第二号機格納容器内の放射能レベルは最大で530Sv/hにまで達した。これは2011年3月の事故によって三つのメルトダウンが起こって以来最大の数値であると、東京電力会部式会社(TEPCO)は語った。530Sv/hとは、ごくわずかな時間の被ばくによって人が死亡するレベルである。
 この放射能の数値は、2011年3月に破損した三つの原子炉すべてを解体する困難の巨大さを示している。原子炉取り出しの方法を見出さなければならない日本政府とTEPCOは、まさに困難な現実を突き付けられた格好だ。国立研究開発法人 放射線医学総合研究所(放医研)の公式見解によると、放射線を取り扱うどんな医療関係者も、これほどのレベルの放射能を取り扱うことについては、考えることもできないという。TEPCOはまた、カメラの遠隔操作によって得られた映像を分析したところ、原子炉の第一格納容器の中にある圧力容器の下には、金属製の格子の中に2メートルの穴があった、とも報告した。
放射能、3.11以来最大に」2017年2月3日付 ジャパンタイムス
画像分析によると、福島第一原発二号機内格納容器の中の圧力容器の下にある格子に2メートルの穴が空いている。(画像は東京電力)

画像分析によると、福島第一原発二号機内格納容器の中の圧力容器の下にある格子に2メートルの穴が空いている。(画像は東京電力)

原子力の安全対策を専門とするタナベ フミヤ氏によると、この画像分析によって、廃炉作業の準備とその具体的作業は、当初考えていたよりもさらにずっと難しいものだと分かった、という。なお、タナベ氏は1979年に米国スリーマイル島で起こった原発事故を分析した経験を持っている。 
- "Radiation Level in Fukushima Reactor could kill within a minute", 「福島原発の原子炉内放射能は一分以内に人を殺傷するレベル」
2017年2月3日 朝日新聞英語版

損傷した福島第一原発二号機の格納容器内の放射能レベルは、専門家が信じていたよりも格段に高いものであったことが、今や、明らかとなりました。

二号機の危機を前に、私は一つの恐ろしい記憶をよみがえらせています。それは2011年3月の地震の後に福島第一原発四号機が引き起こしかねなかった大惨事です。四号機は、ヒロシマ型原爆の14000倍に相当する放射能をその内側に蔵していたのでした。

二号機の危険性は今、私たちにいくつもの問いを持って迫っています。

  • 次の大地震が起こる蓋然性はどれくらいなのか?
  • 原子炉建屋の耐震強度はどれくらいなのか?
  • 圧力容器の中にある放射性核物質がどこにあるか、どうやってわかるのか?
  • 二号機建屋が倒壊した場合、適切な避難距離とは何キロなのか?
  • 太平洋の生態系にはどんな損害が加えられているのか?
  • 福島第一原発から大量の強烈な汚染水が太平洋に流れ出ている。その影響を受ける北米西海岸に住む人々、とりわけ子どもたちに、どんな潜在的リスクが生じているのだろうか?

ここに、竹本修三博士(京都大学大学院教授・地球物理学)の協力を得られたことを感謝して記したいと思います。博士は私の疑問への答えを寄せてくださいました。以下、博士の見解を転載します。

松村昭雄

 

福島第一原発二号機による地球規模の大惨事の可能性

京都大学大学院教授 竹本修三

2016年7月28日、東京電力株式会社(TEPCOと略。この企業体が原子炉を取り扱っている公益事業体である)は、ミュオン宇宙線の透過を利用して(それはちょうどX線の利用に似ている)、福島第一原子力発電所第二号機原子炉の画像を公開した。圧力容器の下部に180トンから210トン相当の物質の影が映っていた。TEPCOの出した結論は以下のとおりである。「二号機の核燃料は、そのほとんどが、圧力容器の中に残されていると推定される。」

福島第一原発二号機のミュオン散乱法による原子炉イメージング。コンクリート製の放射線遮蔽体の中に入れた「ミュオン検出器2(FMT-2=Fukushima Muon Tracker-2)」が、原子炉建屋の前面に設置された。一般的なミュオン散乱の角度はごくわずかである。 (訳者註:ミュオン散乱法については http://fukushima.jaea.go.jp/initiatives/cat01/pdf1412/data_04.pdf を参照のこと) 

福島第一原発二号機のミュオン散乱法による原子炉イメージング。コンクリート製の放射線遮蔽体の中に入れた「ミュオン検出器2(FMT-2=Fukushima Muon Tracker-2)」が、原子炉建屋の前面に設置された。一般的なミュオン散乱の角度はごくわずかである。
(訳者註:ミュオン散乱法については
http://fukushima.jaea.go.jp/initiatives/cat01/pdf1412/data_04.pdf 
を参照のこと)

福島事故が解決に向かっている、とは、とても言えない状況である。二号機には、大量の核燃料が残されている。ここから生じる問題は、特別に重大なものとなる。

 第二号機の商用稼働は1974年7月に始まる。2011年3月11日の事故において、建物の破壊なしに、二号機は高温と高圧という過酷な環境の中で持ちこたえた。しかしながら、長い間使用した原子炉である。長期にわたる放射線照射によって、間違いなく圧力容器は劣化している。もし巨大な地震に見舞われたならば、二号機は壊れ、内部に残されていた核燃料とその他デブリが拡散してしまうだろう。その時、首都圏は居住することもできなくなる。2020年の東京五輪など、まったく問題にならない事態がそこに予想される。

冷却用プールに格納されている核燃料棒の数は次のとおりである。一号機=392本。二号機=615本。三号機=566本。通常であれば、電動ポンプによって冷却用の水が送り込まれ、これらの燃料棒は冷やされ続けている。もし、電力に滞りがあった場合はどうなるのか。あるいは、強烈な地震がこのプールを破壊した場合はどうなるのか。そうした場合、いったい何が起こるのか。そうしたことを考えるとき、私たちは不安に満たされるのである。

 

2016年11月22日に、地震があった。震源は福島県沖であり、マグニチュードは7.4であった。2016年12月28日に、地震があった。震源は茨木健北部であり、マグニチュードは6.3であった。これらはすべて、東北沿岸地域沖で起こった2011年の地震の衝撃を受けた地域である。この地域においてマグニチュード7クラスの地震がたびたび起こることを、私たちは予期しておかなければならない。つまり、震度6ないし7の地震によって福島第一原発が倒壊するという可能性はある。このことを無視することはできない。その中でも二号機に起こりうることこそ、最悪の恐怖である。その圧力容器の中には巨大な量の核燃料デブリが封じ込められているのだから。

2011年3月の事故の中で、急激な温度変化と圧力変化があったが、二号機の圧力容器はそれに耐えた。しかし、放射線照射を受け続けた結果の劣化ということをまじめに考えてみると、間もなく起こると予想される新たな大地震によって、二号機は深刻な打撃を蒙るかもしれないのである。

 

 

 

 


<コスタリカ報告⑤> 本当の積極的平和  伊藤 千尋

2017-02-14 02:27:50 | 立憲主義 民主主義

 伊藤 千尋さんのプロフィール写真、画像に含まれている可能性があるもの:1人伊藤 千尋 2月13日

コスタリカ報告、本当の積極的平和

 旅の最後の夕食会で話してくれた平和活動家のマリオ・グランさん(写真右)は、しきりに「平和には社会正義が必要だ」と強調しました。「平和は銃で得られるものではない。過去を許すことはあっても忘れてはいけない」とも。

 これが平和学で言う積極的平和です。平和とは、ただ戦争がない状態を言うのではありません。差別や格差、いじめなど紛争につながる社会の悪を対話によってなくし、正義が実現された社会を創ることです。過去の教訓から学び、過ちを繰り返さないことです。コスタリカは中学2年の公民の教科書でそう教えています。その対極にあるのが、気にくわない相手は武力で黙らせようとする安倍首相の積極的平和主義です。言葉は似ていますが、内容は全く違います。

画像に含まれている可能性があるもの:2人、立ってる(複数の人)

 バルガス先生も平和教育で同じことを指摘しました。先生が挙げた平和教育のキーワードは共生です。その内容が新鮮でした。最初に挙げたのが自分との共生、つまり自分が安心して生きることです。平和の出発点は自分という個人の平穏な生活だと言うのです。

 平和を語る際に日本ではまず国家を考えがちです。国が平和であるためには国民の少々の犠牲は当然だという考えがそこから生まれます。一方、コスタリカの平和の発想の原点は個人です。まず一人一人の国民が平和に暮らしていると感じられてこそ、社会も国も世界も平和であるというのです。大きな違いです。

 小学校で落第があることを知って参加者から驚きの声が出ましたが、落第は本人が知識をきちんと持って自分で考え自分で行動できる人間となることを支援するためです。落第した子は先生方がしっかり面倒を見て卒業時にほかの子と同じレベルまで引き上げます。落第した本人にとってはその時点ではつらいでしょうが、小学校の基礎ができていなければ中学、高校その後の人生はさらに悲惨になるでしょう。授業に出てさえいれば理解してなくても卒業させる日本の方がおかしいのではないでしょうか?どうも日本の教育は形だけ民主的のように思えます。

 また、日本の平和教育は戦時下や原爆の悲惨さを訴えることが中心になっています。日本人も被害者だという意識が先に立ち、加害の事実についてはまったく知らされません。これではアジアの人々との和解は無理でしょう。さらに、時がたって戦中派がいなくなれば、過去の事実は忘れられていきます。これに対してコスタリカの平和教育は現在の問題としてとらえるので、いつの時代になっても通用します。

 次に他人との共生ですが、バルガス先生の幼稚園だけでなくコスタリカは国の政策として、すべての移民や難民を受け入れています。米国が国境に壁を築き、欧州では難民を制限しようとする時代に、人口400万人だったコスタリカは100万人規模の経済難民を受け入れました。これはすごいことだと思います。しかも3年滞在すると国籍まで与えています。移民の多くはコスタリカと領土問題などで対立する隣国のニカラグアからです。いわば日本が中国人の移民を4000万人規模で受け入れるようなものです。コスタリカの寛容な姿勢は驚くばかりです。世界から尊敬されるのは当然でしょう。

 最後に自然との共生ですが、エコツアー発祥の国であり国土の4分の1を国立公園ないし自然保護区に指定したコスタリカの真骨頂です。国立公園に行く途中に、国内唯一のトンネルを通りました。この国は自然破壊をしないためトンネルを作らない方針なのです。ここにトンネルを作ったのは、普通の道にすれば国立公園を分断することになるからです。動物たちが行き来できるように、人間がトンネルで地下を通るようにしたのです。

 トルトゥゲロ国立公園でウミガメを保護しているNGOの活動を聞きました。代表はスペイン人でベネズエラ人の女性活動家もいました。国境を超えて自然保護にかかわっています。ガイドしてくれた原田信也君も日本で環境保護のNGOをしたあとコスタリカの環境保護団体に加わりました。世界中の自然保護活動家がこの国に魅かれて集まり自然を保護しているのです。国籍や文化が違っても共に活動できる寛容性がこの国にはあります。

 素晴らしいコスタリカですが、もちろん天国ではありません。まず経済で難があります。主な産業はパイナップル、バナナ、コーヒーなど農業ですから、理想を実現しようにも先立つ資金が乏しいです。学校が足りず、子どもたちは小さい校舎を2部、3部制で使い分けながら授業を受けています。教科書代も高く、貧しい家の子は買えません。でも、そこは工夫でしのいでいます。先生が独自にプリントをつくって授業を進めます。日本のように検定教科書に従った授業ではなく、教師の裁量に任せられる部分がとても多いし、また教師もそうした努力をしているのです。

 政治家の腐敗もあります。過去に汚職で訴追された元大統領が来年の選挙で返り咲きを狙っています。経済がうまくいかないため、少しくらい汚くてもカネもうけのうまい政治家に任せたいという、背に腹は代えられないと言いたげな国民の声があります。

 犯罪が増えたのも悩みです。南米から米国に麻薬のコカインを運ぶマフィアが、途中経路のコスタリカに入り、仕事にありつけない移民が犯罪組織のメンバーとなっています。それでも移民を追い出せという世論にはならないのがすごいと思います。犯罪への対応のため、かつて警棒しか持っていなかった警官が今やピストルはもちろん自動小銃まで持つようになりました。麻薬組織は軍隊規模の武器を持つため国境警備隊が太刀打ちできず、武装を強化せよという主張も見られます。しかし、再軍備という話にはならないところが、これまたすごい。過去の積み重ねの成果でしょう。
 こうしたマイナス面を知っても、なおプラス面の方が圧倒していることを感じたのが今回の旅でした。

 

 

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<コスタリカ報告④>熱血先生の平和教育  伊藤 千尋

 

 

 


<コスタリカ報告④>熱血先生の平和教育  伊藤 千尋

2017-02-14 00:10:20 | 立憲主義 民主主義

 伊藤 千尋さん    2月10日 

コスタリカ報告、熱血先生の平和教育

 首都郊外の丘にスラムのようなラカルピオ地区があります。ニカラグアからの移民、いえ経済難民がやってきてゴミ捨て場の一帯に勝手に家を建てて住み着きました。ブロックを積み重ねトタン板を屋根とした小屋のような家が連なる一角に幼稚園があります。女性園長のコンスエロ・バルガスさんは自ら志願してここに着任しました。コスタリカきっての熱血先生です。

画像に含まれている可能性があるもの:1人、座ってる 画像に含まれている可能性があるもの:3人、座ってる(複数の人)、子供


 この幼稚園には14人の先生と、4歳から5歳の364人の子どもがいます。ほとんどが隣のニカラグアから親に連れられてきた子たちです。父親は建築現場、母親はバーなどで働いています。シングルマザーの子が7割を占めます。この幼稚園の給食が一日で唯一の食事という子もいます。

 ニカラグアから来た移民にはゴミ箱にゴミを捨てる習慣がありませんでした。幼稚園ではまず子どもたちにごみの捨て方から教えます。いきなりコスタリカの習慣を押し付けるのでなくニカラグアの文化も尊重し、ニカラグアの祝日も祝います。そうして徐々に人間的な生活に引き込むのです。子どもの変化を見て親も変わり、夜間学校や職業訓練校に通う親が増えてきました。子どもの感情が安定すると親も育て方が暴力的でなくなります。家庭崩壊は子どもの健全化から回復するのだとバルガス先生は言います。

 国籍がどうあろうとコスタリカに住む子どもには国が教育、給食、教材費を出すのがこの国のあり方です。この子どもたちの費用もコスタリカ市民の税金でまかなっています。足りない分はNGOから援助を受けています。
 ただ勉強すればいいのではありません。コスタリカの教育が目指すのは、子どもたちが自分を確立し今後の人生を見据えることをバックアップすることです。子どもたちに目標を見つけさせ、自分自身が幸せになることを夢見るように教えています。

 バルガス先生がここで進めているのが「共に生きる教育」です。自分との平和、他人との平和、自然との平和の三つを掲げ、持続可能な発展を目指します。実践を通して仲間と共に生きる価値観を構築し、もめごとを平和裏に解決する方法を学びます。
 平和教育について、バルガス先生はこう語ります。
 「平和とはただ戦争がないだけを指すのではありません。周りの人々と力を合わせ平等で健康な環境のもとで共に生きていくことが平和です。コスタリカの学校では、まず自分自身の平和をどう築くかを学びます。何か葛藤を持っていても、それをポジティブに使えるようにします。自分が平和でないと他人に平和を与えられません。まず自分を平和にするのです。次に、他人を平和にするには相手の権利を尊重することが必要です。自分の存在が周りにメリットがあるようにするのが平和の基礎です。人はだれも自分たちが住んでいる世界に対する責任があります。自分だけでなくすべての人々に善をもたらすことが必要です」
 「たとえば気候変動です。私たちの行動の結果が気候に影響します。それが自分に跳ね返ってきます。私たちは一人ではなく、つながりあって生きているのです。すべての生き物と調和し自分の責任を感じながら守るべきことは守らなければなりません。共生する地域が広がれば、より大きな未来を創ることができます。子どもがよくなることで次世代、未来がよくなります」

 ここまで聞いて、僕は質問しました。今はヨーロッパの難民制限やメキシコ国境に壁を作ろうというトランプ米政権など世界が移民を制限しようとしているのに、なぜコスタリカはあえて大量の移民を受け入れるのでしょうか?

 バルガスさんは言います。「国境を閉じ移民を閉め出すのが正しい解決策ではありません。人間には住みたいところに住む自由があるべきです。コスタリカは大きな負担を払いながら、それを保証しています。そこでお互いが平和に暮らすには、移民した人もただ困っているからカネをくれという姿勢ではダメです。社会のお荷物になってはいけない。相手の社会の法律を尊重することが必要です。お互いが相手の文化を尊重することです」
 トランプに聞かせてやりたい!

 

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おしどりマコ“原発”追及のジャーナリズム精神に改めて感動! 会見500回、東電との闘いを描くドキュメントが 〔リテラ 2017.2.8〕

2017-02-10 15:46:59 | 立憲主義 民主主義

★「お笑い芸人VS原発事故 マコ&ケンの原発取材2000日」2017.02.06  
動画 ⇒http://www.dailymotion.com/video/x5ap37v

再放送日 お笑い芸人VS.原発事故
マコ&ケンの原発取材2000日
2月12日(日)11:00~ BS日テレ

2月12日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」


おしどりマコ・ケンの情報発信サイト.  
OSHIDORI Mako&Ken Portal / おしどりポータルサイト

「写真 おしどりマコ」の画像検索結果 関連画像



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おしどりマコ“原発”追及のジャーナリズム精神に改めて感動! 会見500回、東電との闘いを描くドキュメントが

2017.02.08
NNN_170208.jpg
『NNNドキュメント』公式サイトより


 おしどりマコ・ケンをご存知だろうか。妻のマコはアコーディオンを、そして夫のケンはパントマイムや針金を使って夫婦漫才をする芸人カップルだが、それ以上に注目されているのが福島第一原発事故に対する取材活動だ。2人は3.11の原発事故以降、取材活動をスタートさせ、東電の会見にも出席、その結果をメディアに発表してきた。

 そんなおしどり夫妻だが、これまで原発の取材活動をめぐり、度々バッシングや炎上騒動の標的にされてきた。たとえばネットでは“放射脳の虚報”“芸人のくせにジャーナリスト気取り”“エセ科学の金字塔”などといった批判が踊り、中には“売れない芸人が原発問題をウリにしている売名行為だ!”などという非難まであった。

 しかし、実はおしどり夫妻の原発問題へのアプローチはそういった誹謗中傷とは真逆、むしろ、非常に客観的で精緻な調査に基づいており、ジャーナリスティックなものだ。そのことを改めて再確認させられたのが、2月5日深夜放送の『NNNドキュメント'17 お笑い芸人VS原発事故 マコ&ケンの原発取材2000日』(日本テレビ)だった。

 そもそもおしどり夫妻が原発取材を始めたきっかけは、3.11の原発事故直後から、政府や東電が繰り返した「直ちに影響はありません」という説明に違和感を感じたことだった。2人には原発に関する知識はなかったというが、しかし妻・マコはかつて医学の世界を目指し、鳥取大学医学部生だった経歴があった。被曝による健康被害について、関心や知識的バックグラウンドもあったのだろう。

 加えて医学の道を断念し芸人になった理由も“震災”に関係がある。神戸出身のマコは、学生時代に阪神淡路大震災を経験している。その際、被災地での惨状を目の当たりにし、“医学では人は救えない、お笑いこそが癒しだ”と感じて大学を中退、お笑いの道に入ったという異色の芸人なのだ。そんなおしどり夫妻が東日本大震災、そして原発事故に遭遇したのは、東京に移住した3カ月後のことだった。そして事故直後から東電や政府の説明に疑問を持ったマコは、猛然とネットで情報収集を開始する。同時に事故の状況を把握するため東京電力の会見をチェックし、その内容を書き起こす作業も開始したという。だが、そこで感じたのもまた違和感だった。それが東電と一部記者との馴れ合い、癒着だ。

 会見では特定の記者たちだけが東電から指名され、マコにとっては歯がゆく的外れな質問ばかりする。一方でマコが聞きたい疑問をぶつけてくれるが、しかし東電から“滅多に当たらない”記者がいた。しかもその記者が、“たまに”当てられると、別の記者(おそらく大手の御用記者)から「ひとりよがりの質問はやめろよ!」「あなたの質問だけじゃないからさぁ」と質問を遮るようなヤジが飛んでいた。こんな会見では真実などまったくわからない。自分たちが会見の場に行って、きちんとした質問をする記者を擁護したい。そして真実を知りたい。そんなマコの熱意にケンは喜んで追随した。

 こうして2人の東電通いがスタートしたが、同時にマコは原発に関する猛勉強を開始する。そのきっかけも東電会見にあった。ある時、原子力設備管理部課長(当時)だった黒田光氏がこうつぶやいたという。

「どうせ女の人にはわからないと思いますけどね」

 この言葉を聞いたマコは、悔しさを感じたと同時にこう奮起したのだ。

「なんだ、この野郎、この中で一番(原発に)詳しくなってやる!」

 番組で映しだされる2人の自宅は、原発に関する書籍で部屋を埋め尽くされていた。マコは「これまでに15メートル以上の本を読んだ」と語っているが、その中には原子工学や甲状腺ガンなどの専門書もある。会見で質問するため、原発事故の真実を取材するため、原発に関する科学的根拠を求め、猛勉強の日々をマコは過ごしたのだ。番組ではその様子が克明に映し出されるが、その熱意に夫のケンは「どこでもいっつも勉強していて、ちょっと寂しかったなぁ」と語っているほどだ。

 2人の現在までの東電会見出席は500回以上にのぼるが、しかしおしどりの取材活動はそれだけではなかった。2人は被災地にも頻繁に足を運び、現地でも精力的に取材している。そこで出会い、親しくなった人々は “生の情報源”ともなった。飯舘村の学校関係者、子どもの被曝を心配する福島の母親たち、そして何人もの原発作業員たち———。そうした人々の証言は東電のインチキ会見の反証の材料ともなった。実際、番組では、原発内の事故で被曝した作業員の除染について、ネタ元の作業員からの詳細な状況を聞き、東電の「問題がない」との説明が“ウソ”だったことを暴いてもいる。

 何か疑問があれば、即行動する。地元病院や行政にも問い合わせることも厭わず、福島の人々からの取材や情報をもとに、東電会見での数々のウソやごまかしを暴くマコ。また当初、非公開でマスコミがさほど関心を寄せていなかった「県民健康調査」検討委員会を取材し、数々の国際会議やシンポジウムにも出席。そこで専門家と知り合いになり、“日本政府は異常な対応をしている”ことを引き出す。

 実際、マコが会見で質問し、追及したことで、東電や政府が隠蔽しようとした事実が次々と明るみに出ている。原発敷地内から放出された莫大な量のセシウム、子どもたちの甲状腺被曝についてのデータ、原発作業員の被曝、1、2号機の排気筒亀裂状況、行政による初期被曝測定が行われていないこと、県民の健康調査における内部被曝に関する項目の不十分さ、甲状腺癌について放射線被曝とは無関係との根拠にされたチェルノブイリと福島の“比較グラフ”の欺瞞、国が定めた積算線量の基準“年間20マイクロシーベルト”問題、除染を被曝した住民に押し付けさらにそれをモデルケースにしようとしていること――。

 こうして番組から浮かび上がってくるマコの取材活動は、東電に飼いならされた職業記者たちに比べても、公正でジャーナリスティックな追及をしていることがわかってくる。

 事実、こうした活動によりマコは、2016年の「平和・協同ジャーナリスト基金 奨励賞」を受賞、海外でもドイツの「核戦争防止国際医師会議」にジャーナリストとして招かれるなど高い評価を得ているほどだ。

 一方、今回のドキュメントから浮かび上がってくるのは、東電のデタラメさや、情報の隠蔽、そして事故の矮小化だ。たとえばおしどり夫妻が初めて東電の記者会見に行った2011年4月19日、マコはその前日に原発施設内から立ち上った“白煙”について質問している。もちろん放射性物質が含まれているのではとの疑念からだ。しかし東電は「(放射性物質は)完全にゼロというわけではございませんが、含まれていると思います」と数字を提示することなくごまかそうとした。だがマコはその後もこの問題を繰り返し追及、そして3カ月後に出てきたのは驚愕の事実だった。

 それは“白煙”によって1〜3号機合わせてセシウム134と137が合わせて毎時10億ベクレル放出、さらに遡って4月4日から9日まででは毎時2900億ベクレルというとてつもない量の放射性物質が出ていた事実だ。当初東電が説明した「完全にゼロ」どころの話ではなかったことがマコの追及によって、判明したことになる。

 さらにマコの最大の功績ともいえるのが福島県の子どもたちの健康被害、甲状腺ガンについてだろう。2011年5月末の会見でマコは甲状腺について、原子力安全委員会でこう追求している。

「3月30日に飯舘村の小児甲状腺サーベイ検査ですが、電話で確認したのですが、直接お母様方はご存知ではない。これは人体実験だったのかと怒っているのですが、それぞれお子様の値がいくつだったのか教えて下さい」(マコ)

「現地対策本部では行ったと直後も、全体の結果の発表はされています」(原子力安全委員会審議官・加藤重治氏)

「その発表はみなさん基準値以下だったという発表だけで、お母様方は
どれくらいの基準値以下だったのかご存知ないんです」(マコ)

 当時、子どもたちの甲状腺検査は行われているが、それは単にサーベイを当てられて「大丈夫」と言われて帰されるだけのもの。その検査が何なのか、検査の数字が何なのかは保護者には一切伝えられていなかった。そのことを地元の関係者や母親への取材で知っていたマコは、疑問を委員会の会見でぶつけたのだ。

 その後、安全委員会は「数値は書いていない」とその発言を訂正、ようやくデータが示されたのは5カ月後のことだった。つまり委員会による検査データ隠蔽をマコが阻止した形なのだ。それだけでなく、マコは、子供たちの甲状腺ガン発症をスクープしてもいる。そのことは「週刊文春」(文藝春秋)2012年3月1日号に「衝撃スクープ 郡山4歳児と7歳児に「甲状腺がん」の疑い! 福島からの避難民11人に深刻な異常が見つかった」として記事化された。

 原子力や放射能について猛勉強し、お笑いで鍛えたセンスで東電のインチキを鋭く見抜き、そして普通の感覚で素朴な疑問を質問する。マコのこうした姿勢は、これまで広告や様々な便宜供与でメディア支配し、御用記者ばかりを相手にしてきた東電にとっても“想定外”だったのだろう。番組ではマコの追及に対し、不快感や困った表情、時にはぎょっとした顔をする東電担当者たちが随所で見ることができる。またある時には東電担当者の机に「マコちゃんは適当なとこでカットしてください」とのメモがあったというが、これも東電がマコの追及を恐れ、たじたじとなっていたことの表れだろう。

 ところが、これだけの真摯な調査や追及を行っていても、ネット界隈では、「芸人を名乗るデマゴーグ」などおしどりたちへの卑劣な誹謗が続いている。その手口は、ほんの小さなミスや用語の使い方を針小棒大にあげつらい、言ってもないことをでっち上げてそれをデマだと攻撃し、すべてをデマだとして葬ってしまう例の手口だ。しかも、その攻撃はこのドキュメントが放映された後も続いている。

 明らかになった真実を無視して、原発の危険性を否定するという目的のためにだけ、デマ呼ばわりするネトウヨと原子力村応援団連中の卑劣さには辟易とさせられるが、それはこれまでマスコミが原発事故の“その後”をきちんと報じてこなかったことも大きい。

 マスコミは豊洲新市場問題ではあれだけ大騒ぎしているのに、もっと危険な事態が進行している原発事故については、ほとんど報道しようとしない。今回、おしどりマコ・ケンを取り上げたこのドキュメントも、放送されたことは評価に値するが、しかし、放映時間は日曜日の深夜帯。芸人が大企業を追及していくというドキュメントはエンタテインメント性もあるのに、キー局で大量に放映されている社会情報番組では触ろうともしない。マコは番組の最後にこんなメッセージを残している。

「自分で知って調べて考えること。それはいつでもどこでも誰でもできること。大切なのは中立ではなく独立すること。そういう方が増えてくださったらなと思います」

 中立ではなく独立。この言葉を多くの人々が受け取ってくれることを願いたい。
伊勢崎馨