異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

北原みのり「『日韓合意』と『慰安婦』」 連載「ニッポン スッポンポンNEO」 2018.1.18 AERAdot.

2018-01-19 15:50:14 | 戦時中性奴隷 慰安婦

性暴力問題にどう向き合うか(※写真はイメージ)

性暴力問題にどう向き合うか(※写真はイメージ)

 

北原みのり「『日韓合意』と『慰安婦』」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

 産経系とフェミが違うのはその先で、「だから『慰安婦』はお商売だった、日本に責任なし」と言うのが産経系で、「だから、多様な『慰安婦』像を認めるべきだ。韓国の『支援団体』は被害だけを強調し、『慰安婦』を政治利用するナショナリストだ」と韓国の女性団体を批判するのが日本のフェミだ。「慰安婦」問題がここまでこじれたのは、決して安倍さんをはじめとする保守なオッサンたちのせいだけでなく、日本のフェミのダメさもある。


「慰安婦」にも楽しい時間があった、笑いもあった、待ち遠しく感じる軍人もいただろう。だって、生きていたのだから。でも……。

 ここでも何度も書いているけれど、1991年に金学順さんが声をあげた時、それは本当に小さな最初の一歩だった。韓国国内でも「恥」「売春婦のくせに」という批判の声があがり、日本大使館前で行われるデモは本当に小さいものだった。
 その声を大きな声、性暴力を受けた女性たち全ての声にしていき、国際社会まで動かしてきたのが当事者の女性と支援者たちだ。日韓合意は、そんな彼女たちの頭越しに交わされた。正式な文書がない合意や、電話での謝罪を見直す力が日本社会にないのだとしたら、国際社会的に終わっているのは日本のほうだ。


 産経新聞によれば、安倍さんは「お金を払っておいてよかった」ともらしたそうだ。札束を投げつけた「合意」だったことを自ら暴露したことになる。性暴力問題にどう向き合うか、日本社会が問われている。

週刊朝日 2018年1月26日号

 

 
北原みのり(きたはら・みのり)
                        1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

 

 

 


最新の画像もっと見る