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日本の大メディアは安倍政権の9年間ですっかり牙を抜かれてしまった。

2021年10月24日 | 社会・経済

嘘つき自民党は公約以前 大メディアが公約を並べて論じる愚

日刊ゲンダイDIGITAL 2021/10/23

 

 10・31総選挙の投票日まで1週間。自民党が真っ青になっている。

 岸田政権の“バケの皮”がはがれる前に解散・総選挙になだれ込んだ自民党は、「これで勝てる」とほくそ笑み、不意を打たれた野党は慌てふためいていた。ところが、いざ選挙戦が始まってみると自民候補と野党候補が各選挙区で接戦をくり広げている。

 読売新聞は「自民減 単独過半数の攻防」と伝え、毎日新聞も「自民 議席減の公算大」と報じている。

 まさかの状況に焦った自民党は、甘利明幹事長と遠藤利明選対委員長の連名で「急告 情勢緊迫」と題した通達を各陣営に送付。「多くのわが党候補者が当落を争う極めて緊迫した状況にある」と危機感を募らせている。毎日新聞によると、全289選挙区のうち63選挙区で接戦になっているという。

 この総選挙の最大のポイントは、選挙結果がまったく見通せないことだ。たとえば、毎日新聞は「自民 議席減の公算大」との見出しは掲げているが、自民の獲得議席を224~284と60議席も幅を持たせて予測している。自民党の大勝も大敗もあるということだ。公示前の276から50以上も減らす224議席だったら惨敗だが、284だと公示前より増え圧勝ということになる。

 自民党関係者がこう言う。

「過去2回の総選挙は、序盤から<与党300議席超><自公で3分の2うかがう>と自民圧勝が伝えられ、分かりやすい選挙でした。ところが、この総選挙はまるで読めない。自民苦戦と伝えられていますが、読売新聞の調査によると自民党の比例区の獲得議席は、2014年衆院選の68、17年衆院選の66を上回る70議席台に達するといいます。もし、自民党に逆風が吹いていたら比例で70議席も取れるはずがない。不気味なのは、自民にも野党にも風が吹いておらず、熱気もなく、有権者がなにを求めているかさえ伝わってこないことです。それだけに、岸田首相や甘利幹事長の失言など、ちょっとしたことで投票日の直前にどちらかに雪崩を打つ恐れがある。非常に心配です」

■問われるべきは「未来」ではなく「過去」

 自民と野党のどちらに軍配が上がるのか。この先、大手メディアの報道で情勢は大きく変わる。

 ところが、公平、中立のつもりなのだろうが、大新聞テレビは、さも重大事のように各党の選挙公約を同列で並べているのだから、カマトトにも程があるというものだ。

 もちろん、政策を見て一票を投じるのが大原則だが、日本の場合、選挙公約など、ただのお題目に過ぎないことは有権者の多くが分かっていることだ。そもそも、自民党に公約を語る資格があるのか。これまで自民党が掲げた公約で実現できたものがいくつあるというのか。

 前回17年の衆院選の時、「GDP600兆円経済の実現」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」――と夢のような公約をいくつも掲げたが、実現したものはひとつもない。19年度のGDPは550兆円、20年度も530兆円だった。20年の出生率は1・34、19年の特養の入所待ちは29万人に達している。

 

 政権を担っていない野党の選挙公約に耳を傾けるのは必要だが、9年間も政権に就いてきた自民党に問うべきは、選挙公約ではなく過去の実績だろう。

 作家の適菜収氏が、本紙のコラムで〈だまされてはいけない。問われているのは未来ではなく過去である。安倍晋三―菅義偉政権の9年間をどう評価するかである〉と指摘していたが、まったくその通りだ。

 しかも、岸田首相は「政策」がブレまくっているのだから、国民だって判断のしようがないはずである。総裁選前は「成長だけでは人は幸せになれません」と、分配を重視していたのに、総裁選が終わると「成長を目指すことは極めて重要」と正反対のことを訴えている。主張している「成長と分配の好循環」も、どうやって実現するのか具体的な中身を示そうとしない。看板政策だった「令和版所得倍増」も、いつの間にか消えてしまった。

 政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

「昔から自民党にとって選挙公約は、実現できるかどうかは二の次で、初めから“空約束”なのが実態です。なのに大手メディアは、実現できるのかどうか検証もせずに垂れ流しているのだからどうかしています。選挙公約について報じるなら、岸田首相のブレや、過去の実績を検証して国民に伝えなければ、判断材料を提供したことになりませんよ」

 自民党の選挙公約をデカデカと報じている大手メディアは、ナンセンスの極みだ。

争点はハッキリしている、“アベ政治”だ

 この選挙の争点はハッキリしている。国民生活をぶっ壊した“アベ政治”を続けるのか、それとも決別するのかだ。

 この9年間、日本で何が行われたか。

 森友事件では公文書が改ざんされ、加計疑惑では“腹心の友”に便宜が図られ、桜疑惑にいたっては、安倍元首相は国会で118回も虚偽答弁をしていた。しかも、いまだ疑念を解消する説明もしない。この9年間で政界に広がったのは「逮捕さえされなければOK」という空気だ。大臣室で50万円を受け取っていた甘利まで復権している。日本の政治は腐り切ってしまった。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。

「森友も、加計も、桜も真相が解明されないまま、ウヤムヤにされています。自民党の総裁選では、財務省の公文書改ざんについて、候補者4人のうち3人が“再調査はしない”と答えている。この9年間で日本の政治から、当たり前の正義も道徳も自浄作用も消えてしまった。岸田首相は“政治とカネ”の問題を抱える甘利さんを幹事長に起用する始末です。その一方、アベノミクスによって国民の実質賃金は下がり、貧富の格差も拡大してしまった。本当にこのままアベ政治を続けるのか、それこそ総選挙で問われるべきです」

 いったい大新聞テレビは、9年間のアベ政治をどう考えているのか。まさか、評価しているわけじゃないだろう。なのに、各党の公約を同列で並べているだけなのだから話にならない。

「日本の大メディアは安倍政権の9年間ですっかり牙を抜かれてしまった。とくに選挙報道は腰が引けている。やはり14年の衆院選の時、自民党から『政治的公平性』を求めるという圧力のような文書を渡され、受け取ってしまったのが大きかった。本来、メディアは、あんな圧力文書は突き返さなければならない。とくに、NHKの権力への忖度は目にあまります。米国のメディアは、トランプ前大統領からどんなに攻撃をされても一歩も引かずファイティングポーズを取り続けた。権力側と対決するのは当然のことです。日本の大メディアは、国民の代表であるという気概を失っているように見えます」(本澤二郎氏=前出)

 このまま選挙が終わるまで大手メディアは動かないつもりなのか。

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菅前首相の式典でのあいさつ原稿読み飛ばしを「のり」のせいと報じた共同通信に問い合わせた その回答は

立岩陽一郎InFact編集長

YAHOO!ニュース(個人)10/24(日) 

 政府は菅義偉前首相が広島市の平和記念式典で挨拶文の一部を読み飛ばしたことに関し、「原因または経緯を調査しない」とする答弁書を持ち回り閣議で決定したという。この問題では挨拶文にのりが付着していたという苦しい言い訳が「政府関係者」の話として報じられた。実はこの問題の深刻さは、それを報じたメディアの側にある。そこで、報じた共同通信に質問を出したのだが、その回答は日本の現状を物語るものだった。

反響を呼んだ「総理の挨拶文」報道

 この問題は、8月6日に行われた被爆者慰霊の式典で菅義偉前首相が挨拶の一部を読み飛ばしたものだ。その日のうちに、一部の報道で「政府関係者」の話として、「挨拶文にのりが付着していたために起きたもの」として前首相を擁護する話が報じられた。

 これについて広島在住のジャーナリスト、宮崎園子さんが広島市の保管する挨拶文の現物を開示請求して直接見た上で直に挨拶文に触ってのりが付着した痕跡さえ無かった事実を確認。私が編集長を務めるInFactでその事実を「総理の挨拶文」として報じた。

 その記事は多くの人に読まれ、加藤勝信前官房長官は記者会見で「のりが付着していたとの話は報道ベースの情報で事実関係は確認されていない」と述べて、「のり付着」の報道を事実上否定した。

問題は確認もせずに報じたメディア

 朝日新聞等の報道によると、政府は10月22日、菅前首相が原稿の一部を読み飛ばしたことに関し、「原因または経緯を調査しない」とする答弁書を持ち回り閣議で決定した。 立憲民主党の熊谷裕人参院議員の質問主意書に答えたものだという。答弁書は「のりが付着していた事実の有無について回答は困難だ」としている。

 この閣議決定も苦しいのは、現在も広島市が保管している挨拶文を確認すれば「のりが付着していた事実の有無について回答は困難」とはならないからだ。挨拶文の構造上も無理な説明であることを宮崎さんの取材が明かしている。

ただし、この一連の流れで最も問題なのは、誤った情報を流した「政府関係者」ではない。その発言を確認もせずに報じたメディアだ。なぜなら、政府は嘘をつくからだ。それはジャーナリストなら知っている筈のことだ。もし、「政府が嘘をつくわけない」と思っているジャーナリストがいれば、その人は職業を変えた方が良い。

 そこで、本題に入る。この「のり付着」の報道を行った1つが共同通信だ。8月6日の21時過ぎに次の記事を配信している。

「政府関係者は6日、菅義偉首相が広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式でのあいさつの一部を読み飛ばした原因について、原稿を貼り合わせる際に使ったのりが予定外の場所に付着し、めくれない状態になっていたためだと明らかにした。『完全に事務方のミスだ』と釈明した。 原稿は複数枚の紙をつなぎ合わせ、蛇腹状にしていた。つなぎ目にはのりを使用しており、蛇腹にして持ち運ぶ際に一部がくっついたとみられ、めくることができない状態になっていたという」

共同通信への質問

この報道について以下の質問を共同通信にメールで送った。

①この「政府関係者」の情報を報じる際に、どのような事実確認をしたのかお教えください。その際、「政府関係者」がどのようにその「事実」を確認したのか、取材の中で確認はされたのでしょうか?もたらされた情報を複数の情報源に確認するというのが基本的な報道に際してのルールですが、そうした確認作業はされたのでしょうか?

②InFactの取材でその「政府関係者」の情報は誤りの可能性が高く、加えてInFactの報道を受けた加藤勝信前官房長官が「のりが付着していたとの話は報道ベースの情報で事実関係は確認されていない」と話して共同通信の記事を事実上、否定しています。これについて共同通信は記者に再度取材の内容を確認されたでしょうか?また、それについて記者はどう答えたのでしょうか?

③共同通信は現在も8月6日の御社の記事が正しく、InFactの記事や加藤前官房長官の会見が事実ではないと考えているのでしょうか?

④結果的に共同通信の記事は政府のフェイクニュースの拡散に加担するものになったと言えるかと思いますが、如何お考えでしょうか?

⑤「政府関係者」という極めて曖昧且つ無責任なクレジットで政府の見解を報じることの危うさはかねてより指摘されてきました。こうした「政府関係者」などというクレジットの利用について再考する考えは有りませんでしょうか?

「お答えはできない」

送ったのは10月6日。feed-back@kyodonews.jpに送った。これは共同通信が設定している問い合わせ先のメールだ。ところが何の「フィードバック」も無いので直接問い合わせの電話をしたのは一週間後の10月12日。対応した編集局幹部が「質問状が見つからない」と言うので口頭で説明した上で「質問状を再送する」と伝えると、受け取りを断った上で次の様に話した。

「記事に書かれた内容以上にお答えはできない」

それはコメントかと問うと、「そうです」と言った。「これだけフェイクニュースの問題が指摘されている中で、その回答で良いのか?」と問うたが、回答は変わらなかった。

 恐らく共同通信はこの「のり付着」の報道を誤報ともフェイクニュースとも認識していない。官房長官が否定し、誤報の可能性が極めて高いにも関わらず。それはなぜか?「政府関係者」が語ったという事実が有るからという理解になる。平たく言えば、「我々は『政府関係者』が語った内容を伝えただけだ」ということになる。つまり、「政府関係者」が仮に嘘を言った場合でも、それをそのまま流すことは全く問題無いという認識だ。

これでは独裁国家と変わらない・・・とは考えないのだろう。それが日本を代表する主要メディアの見解ということだ。

 宮崎さんの報じた「総理の挨拶文」を多くの人が様々な思いを持って読んだ。私の問題意識は一面的かもしれない。しかし政府の嘘をそのまま流すメディアの存在は、私たちにこの国が既に健全な民主主義社会でないことを語っている。

 勿論、このままで良いわけはない。私を含めて多くの仲間がファクトチェックの取り組みを進めているのは、この共同通信の回答のような姿勢を問題にしているからだ。得られた情報をそのまま流すのではなく、情報の真偽を検証する。それが今、求められている。

 きょう(10月24日)の午後3時から総選挙での各党党首の発言を検証するファクトチェックのイベントを開催する。主要メディアは勿論、一般の人も是非関心を持って参加して欲しい。


 反共攻撃がますます盛んである。一昔前はある程度効き目もあったかも知れないが、今はブーメランで自分に跳ね返ってくる。
こんな嘘つき政治、身内政治、金権政治、腐った政治はもうたくさんだ。