ムジカ公式ブログ MUSICA Official weblog

オーディオと音楽とすこしマニアック。 MUSICA are a new Hi-Fi brand from Japan.

どれが良い? フォノイコライザーアンプの方式 vol.3

2015-09-30 | 雷鳥 Raicho
『どれが良い? フォノイコライザーアンプの方式 vol.2』の続きです。

次はデジタル方式です。

この方式は斬新です。

カートリッジからの信号をA/Dコンバーターでデジタル化し、

DSPへ入力します。

DSP内でRIAAカーブを作り出すものです。

いくつかのメーカーで実験的に行っています。

当社でも実験しています。

よい所は完璧なRIAAカーブを作ることができます。

位相の問題を考えなくても良いです。

出力もデジタル信号ですので、そのままWAVやMP3ファイルにするこも可能です。

問題点は、

A/Dコンバーターの入力レベルはカートリッジの出力に対して高いので

初段でアナログ的に増幅しなければなりません。

結局はアナログアンプが必要です。

また、24ビットのA/Dコンバーターを使用しても

20Hzの低音域では24ビットで動作しますが

20KHzの高音域では17ビット相当になってしまいます。

また、大きな問題として

アナログレコード特有のダイナミックで味のある音質が再現できるのか?

ということがあります。

しかしながら、今後PCオーディオが発達していく中で

いずれ考えなくてはならない方式だと思います。

当社で実験したときの音質はとても『スマート』で『クール』でした。

次はハイブリッド方式です。

次回に続きます・・・

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ご質問がありました。

『小型ブックシェルフなので低音を補うため低域増強アダプターを使っていますが

現在連載中の12dB/oct 2WAYチャンデバと併用して使えるのでしょうか?』

ありがとうございます。

低域増強アダプターは小型スピーカーの低域を補うもので

チャンデバとは異なる機能です。

併用してもまったく問題ありません。

私の知り合いでチャンデバの調整によって低域を補っている方がみえますが

この場合4WAY以上でないとうまくいきません。

低域の補強は専門の回路に任せたほうがうまくいくと思います。
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どれが良い? フォノイコライザーアンプの方式 vol.2

2015-09-29 | 雷鳥 Raicho
『どれが良い? フォノイコライザーアンプの方式 vol.1』の続きです。

次はCR型です。

この方式は最も歴史ある方式です。

初期のフォノイコライザーアンプはCR型でした。

その後ハイゲインのアンプが簡単にできるようになると

NF型が増えていきました。

現在でもマニアの間では人気があります。

当社のフォノアンプではiris-phonoがCR型です。

真空管時代はインピーダンスが高かったので

ハムが問題になりました。

当時のフォノアンプは必ずと言って良いほど

『ブーン』という音がスピーカーからしたものです。

電子回路的にはとても判りやすく、

素直な特性を出すことができます。

音質は繊細、綺麗、線が細いという言い方もあります・・・。

線が細い部分を真空管の力強さで補ってやると

とてもバランスの良いフォノアンプとなります。

真空管回路と相性が良いのです。

室内楽や弦にとても合います。

女性ヴォーカルにも良いと思います。

CR型の仲間にLCR型という形式があります。

これは抵抗、コンデンサーの他にコイルを使用するものです。

ちょうど良いコイルの入手が難しく、

価格も高くなるためあまり作られることはありませんでした。

私も作ったことがありますが、

CR型と同様の性格の回路でした。

次はデジタル方式です。

次回に続きます・・・

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どれが良い? フォノイコライザーアンプの方式 vol.1

2015-09-28 | 雷鳥 Raicho

ムジカでは5機種のフォノアンプを発売しています。

それぞれに特徴があります。

フォノアンプの主要な回路はフォノイコライザー回路です。

アナログレコードは

米国レコード協会(RIAA)が策定した再生カーブ(RIAAカーブ)によって録音されています。

このレコードを正常な音で聴くためには

RIAAカーブをもった特別な増幅回路を経由しなければなりません。

そのための回路がフォノイコライザー回路です。

フォノイコライザー回路にはいくつかの方式があります。

大きく分けると4つ

NF型

CR型(LCR型)

NF型とCR型のハイブリッド

デジタル方式

です。

これらにはそれぞれに音の傾向があります。

ここではそれぞれの特徴をお話してみたいと思います。

まずはNF型です。

この方式は最もポピュラーで、

現在発売されているフォノアンプの90%以上を占めると思われます。

当社のフォノアンプではiris-phono以外のフォノアンプがNF型です。

ノイズが少なく作りやすい方式です。

ただし、とても利得が高い増幅回路のNFBにコンデンサーがはいりますので

そのことを嫌う方もいます。

音質はダイナミック、力強い、キレが良い等々。

アナログレコードの特徴と重なる部分があります。

JAZZやポップスにはよく合うと思います。

次はCR型です。

次回に続きます・・・




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レコードクリーナー2

2015-09-27 | オーディオ部品のうんちく

『レコードクリーナー』の続きです。

レコードクリーナーについて書きましたが

たくさんの反響をいただき驚いています。

レコードクリーナーの使用方法について思い出したことがあります。

私はディスクウォッシャーという湿式のクリーナーを使用していますが

多くの方は乾式だとおもいます。

湿式と乾式の違いはクリーニング面に水分があるかどうかです。

あるカートリッジメーカーの方によれば

湿式のほうが汚れがよくとれて

レコードを傷めることも少ないので

湿式がお勧めとのことでした。

ただし、注意点があります。

湿式でクリーニングした後に

レコードの表面に液体が残ってはいけないとのことでした。

水分がある状態で針を落とすと

レコードとスタイラス両方に良くないとのことでした。


また、そのかたはレコード針は減らないとも言ってみえました。

スタイラス(針の部分)はダイヤモンドでできており

塩化ビニルでいくらこすっても減る訳がないとのこと。

確かにそうです・・・

ではなぜ針が減るのかというと

針が磨耗するのではなく

欠けていくのだそうです。

スタイラスによってレコード盤は削れていきます。

その削りカスの一部がスタイラスに付着します。

その状態でレコード再生すると

スタイラスとレコード盤との間に発生した摩擦熱によって

削りカスが燃えてしまうのだそうです。

もちろん目には見えない程の小さな炎です。

その炎によってダイヤモンドが欠けるとのことでした。

ガラスコップに沸騰したお湯を注いだときに

ガラスが割れるのと同じ理屈だそうです。

つまり、スタイラスの削りカスがなければスタイラスは減らないということになります。

真偽の程は私の専門外なのでわかりませんが、

有名なカートリッジメーカーの方なので事実なのでしょう。

あまり公になっていないのは

針交換の注文が減るからかもしれません・・・
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レコードクリーナー

2015-09-25 | 雷鳥 Raicho

アナログレコードが復活してきています。

当社が製作に関わっている

毎週月曜エフエム岐阜で放送の『ムジカスタイル』や

毎週金曜にケーブルテレビ局CCNで放送の『針の奏で』でも

アナログレコードは人気です。

ある方から当社で使用しているレコードクリーナーについての

ご質問がありました。

当社で使用されているレコードクリーナーは

米国ディスクウォッシャー社のdiscwaherです。



このクリーナーは20年程使い続けています。

当時、ダイレクトカッティングで有名だった

アメリカのレコードレーベル『シェフィールド』指定のレコードクリーナーでした。

4000円ほどでレコードクリーナーとしては高価でしたが

私の周りにも愛用者が多く、

レコード会社のエンジニアや

アナログプレーヤーのメーカーの方も使用されていました。

このクリーナーにはD4というクリーニング液が付属しています。



D4はレコードの表面にやさしいとレコード問屋の方も薦めてみえました。

現在はRCA社に買収され、

米国では同様の製品がRCAブランドで発売されているようです。

スタイラスクリーナーはデンマークのMBを使用しています。



このクリーナーはカートリッジメーカーのエンジニアのお勧めでした。

その方によると

カートリッジの感知レバー(棒の部分)とスタイラス(針の部分)は

なんと接着剤で固定されているそうで

この部分に有機溶剤がかかると針がとれてしまうことがあるそうです。

スタイラスクリーナーの主成分はアルコールですが、

アルコールも種類によっては危険なものもあるとのこと。

その点、MBは針がとれるといった事故を聞いたことがないと言ってみえました。



これらはいずれも現在日本には代理店はないようです。

残念です。
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