我想一個人映画美的blog

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ミヒャエル・ハネケ ドキュメンタリー 毎秒[24]の真実 &コードアンノウン/Code inconnu

2010-12-30 23:54:20 | 劇場&試写★5
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先日、「白いリボン」の公開に合わせて開催された
「映画祭 ミヒャエル・ハネケの軌跡」で日本初上映となった
ハネケを追った約1時間のドキュメンタリー



ハネケ好きとしては、こりゃ行かなくては。と、
映画祭で上映の作品はDVD化しているし全部観てるので、本作だけ観て来た。
「24 WIRKLICHKEITEN IN DER SEKUNDE」の原題で2004年に海外では公開済み。

若い2人の女性監督、ニナ・クストリッツァ 、エヴァ・テストール が
「タイム・オブ・ザ・ウルフ」ができるまでの2年半に密着、鬼才ハネケの素顔に迫った。

日本でも評価を受け話題になった「ピアニスト」の直後作られた「タイム・オブ・ザ・ウルフ」。
同じイザベル・ユペールを主演に起用。


以前ハネケの映画のレビューに書いたように、ミヒャエル・ハネケという人は
観客に観た後の答えを求めていない。
とにかく、解釈は観たひとそれぞれに委ねると言い放つ。

「映画とは、毎秒[24]の嘘だ。
そこに真実が、あるいは真実のヒントが潜んでいる。」
ミヒャエル・ハネケ


映画への姿勢や思いに迫った貴重なドキュメンタリー。
緊張感みなぎる撮影現場、誠実さ溢れるティーチイン、笑いの絶えない取材風景に加え、旅の途中で何気なく始まるやりとりの中にハネケの"真実"を拾ってゆく。
浮かび上がるのは、映画に没頭する一人の"職人"の姿だった・・・。

という解説なんだけど、動くハネケを初めて印象としては
1 渋くて素敵。 
2 決して妥協を許さない、職人気質で真面目。
3 イメージ通り。



「俳優じゃないんだよ」なんて言いながら、少し照れながらカメラマンに写真を撮ってもらうような
素のハネケが見られたのは嬉しかったけど
しかしドキュメンタリー映画としての内容としては、少々内容薄過ぎ。
DVD特典についてくる15分くらいのオマケ映像という感じでお金とって見せるまではいかないんじゃ。


汽車の中での奥さんとの会話で「想像してしまって、怖いから本は読まない」と言った妻に対し、
「自分の脚本から、映像を想像することはない」という言葉が印象的。

「隠された記憶」でのあの残虐シーンでは、奥さんは思わず上映で観てる時に声を上げちゃったらしい。

自分の作品で満足していて好きなのは
「セブンス・コンチネント」「コードアンノウン」「71フラグメンツ」のどれも興行的にはあたらなかった作品が好きだと言ってた。


ハネケが「隠された記憶」の時のインタビューで語っていた
「人間の『罪』を表現したい」
「私は,解釈は提示しない」

この2点はいつもハネケ作品を観る時において、重要。

答えなんてどうでもいい。
肝心なのは、何を感じたかっていうこと。なんだよね。


2004年   オーストラリア   58min






で、前に観たけど印象の薄かった

「コードアンノウン」CODE UNKNOWN / DODE INCONNU
をDVDでまた最近観直したので、この時間のない時だけど 簡単にレビュー残しておこう。

2000年 オーストリア・フランス   111min
出演 ジュリエット・ビノシュ 他  
カンヌ国際映画祭エキュメック賞受賞作品  




冒頭、視覚障害の子供達のカット。手話で思い思いの仕草をして、それが何を意味しているのか当てっこしている。
一人の男が道でホームレスの女性に向かってゴミを投げる。
通りすがりにそれを見た男が「女性に失礼だから謝れ」と文句をつけてきて、警察がくるトラブルになる。
誰かのお葬式のシーン。
女優が映画の吹替えで男優と共に大笑いしてNGを出す。
電車の中、アラブ系の男が女優に絡んでくる。避けようとすると顔にツバをかけられる。

横にいたそれをみて、一言。
女優夫婦が家でいちゃついていると、息子がベランダの外に落ちそうになる。
太鼓を叩く学生たち。

多様な人々のさまざまな日常の断片が、ひとつのシーンごとにいちいち暗転して映し出される。

普通の群像劇だと、それぞれバラバラなシーンが映されたあとで、一つの繋がりに帰結する。
それが、ハネケとなると たくさんの伏線や、このあとどうなる?!となっても
とくに何も起こらず、オチもなく、解決もないまま終わる。
何故それを見せてるのか、不明のまま観客は見入る。
もしくは、ひとつひとつが何も起こらないから ダラダラとしたもののように見え、退屈してしまうか寝てしまいそうになる。

本作、ハネケ自身が気に入ってる作品のひとつ。

わたしにはいまいち理解不能だけど
決して面白い映画ではないことは確か。
それでも何かを訴える作品であることは確か。

それはやっぱり、日常に潜む 悪。
不快なものについて。

作品の初めには、「それぞれの未完の旅物語」の記述。
「コードアンノウン」=未知なる暗号

答えが出たり、分かり易い、もしくは難解な衝撃を受ける作品が好みのわたしには物足りない。
大いにハネケらしいんだけど、映画としての面白さはなくー。


嫌いじゃないけど好きでもない

5/10(57点)



最新作「白いリボン」は、
銀座シネパトス他
拡大公開で新宿武蔵野館でも上映中~。
年明けもう一度観たいな。




ふ~、こんな中途半端な点数の映画で今年のレビューは全て終了!
DVD鑑賞のレビューは書いてないのも多い。どうしても書いておきたいのもあるので、それはまた来年☆

明日はいよいよmig的 2010年ベスト&ワースト映画の発表です





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闇の列車、光の旅 /Sin Nombre

2010-12-30 21:11:40 | 劇場&試写★5

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製作総指揮にガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナ。
サンダンス映画祭で監督賞と、撮影監督賞受賞


ほか、いくつかの映画祭でノミネート。
観客賞受賞だと勝手に勘違いしてた
32歳、長編初監督作、日系米国人のキャリー・ジョージ・フクナガが移民たちの現実を描いた人間ドラマ。

原題の“Sin Nombre”はスペイン語。
“without a name”(名前がない) あるいは”nameless”(名無し) の意。



南米ホンジュラスで暮らす少女サイラ。
よりよい暮らしを求め父と叔父とともにアメリカを目指すことにした彼女は、移民たちがひしめきあう列車の屋根の上でカスペルというメキシコ人少年と運命の出会いを果たす。
彼は、強盗目的で列車に乗り込んだギャングの一員だったが、サイラに暴行を加えようとしたギャングのリーダー、リルマゴを殺しサイラを救う。
組織から追われることになったカスペルと、彼に信頼と淡い恋心を寄せ行動を共にするサイラ。
二人は、国境警備隊の目をかいくぐり、組織の待ち伏せをかわしながら命がけで国境を目指すが・・・。






これ公開してわりとすぐ観たんだけど、レビュー途中まで書いたままupするタイミングなくしてずるずるここまで来てしまった~

日比谷の映画館、前にかなり座高高い人が座っちゃって最初の15分全然観れなかったの
それで集中力削がれたっていうのもあったなー。
段差もろくにないあの劇場、今時ひどい。
どうしても見えなかったので「少し低くなってもらえませんか?」て聞くハメに。

もうすぐ上映終わっちゃうのかな?
(ってここまで書いて保留にしてたの、もうすぐDVD出ちゃう勢いじゃない?)
と思い調べたら、来年2/11にリリースだって

今年劇場で観たのは全部一応upしておきたいので、細部は忘れちゃったけど簡単レビュー。



5/10(55点)



このところ、単館系映画で不法移民を扱う作品がとくに増えてきているように思う。
なんというか、期待していただけにそれほどでもなかったというのが本音。
ロードムービーはあまり好きじゃないので、好みじゃなかったというか。
印象に残ってるシーンも、その後に何本も観た今となってはあまりないような、、、。
シリアスなドラマというよりやや娯楽性重視かな。

「シティ・オブ・ゴッド」などでもまざまざと見せつけられた、
中南米の子どもギャングが本作にも出てくる。貧困から生まれる暴力。

アメリカに不法入国しようとする移民たち、、、。

この物語、2つの別々のストーリーとして始まる。
1つはメキシコのタパチュラという町のストリートギャング集団マラ・サルバトルチャに所属する、10代の少年キャスパーの物語。
ギャングとして生きる事に疑問を持ちながら暮らしていたある日、ボスとともにアメリカに向かう移民達から金を巻き上げにいく。
ボスがある少女を襲った時、咄嗟の自分の意志でボスを殺害してしまう。
そしてキャスパーはマラ・サルバトルチャのメンバーに命を狙われてしまう事に…。




サイラを演じたパウリーナ・ガイタンは意志の強い目が印象的、
メキシコのギャング、カスペル役のエドガー・フローレス

作品を撮るにあたって監督が取材した移民者も誰ひとり、「移民したから楽になる」と考えている人はいなかった、と。
そうまでしても、「移民する」と決意する。
リスクを負ってまで そうするほど追い詰められた状況であるということ。

有名俳優たちをあえて使わずに撮ったところが良かった。

気になる方はDVDでぜひ。

※今回 コメント欄、閉じてます。



公式サイト
SIN NOMBRE    2009年   アメリカ=メキシコ  94min
6月、公開済み。2011年2月11日 DVDリリース





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シチリア!シチリア!/Baarìa

2010-12-30 19:00:00 | 劇場&試写★5

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「ニューシネマ・パラダイス」はじめ、「海の上のピアニスト」「マレーナ」、、、
ジュゼッペ・トルナトーレ監督最新作。




あと2本上げてない映画があるんだけど、今年最後の映画鑑賞がこちら。

初めから長いの知ってて覚悟?だったんだけど

いや~これ長過ぎるでしょ、いくら何でも。 長さを感じる151分!


貧しい牛飼い一家の次男に生まれたペッピーノは、幼い頃から大人たちに交じって懸命に働きながらも、
楽しい思い出の詰まった少年時代を過ごす。
やがて第二次大戦を経て町にも平和が訪れた頃、たくましい青年に成長したペッピーノは、美しい女性マンニーナと恋に落ちる。
しかし、貧しいペッピーノとの結婚にマンニーナの両親は大反対。ついに2人は駆け落ちという手段でお互いの愛を貫き通すのだった。
そんな中、理想を胸に政治の世界へと踏み出すペッピーノだったが…。




5/10(55点)



町の人々に見守られて立派な青年へと成長した牛飼いの息子・ペッピーノは、美しいマンニーナと燃えるような恋の果てに結婚して新しい生活を送るが、戦争の足音が近づく。
愛し合う男と女。家柄の違い、自らの政治活動のせいでうまく行かなくもなるが、
逆境の中、家族として歩き出す。

舞台となるのはイタリア、シチリア
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の生まれ育った美しい町“バーリア”。
そこに暮らす激動の時代を生きた人々の移り変わりを描いている。

2007年にローマで暴漢に襲われ、生死の境をさまようという事件に見舞われたという、ジュゼッペ監督。
あらためて生きる喜びを実感して本作を制作したんだとか。
主人公の“ペッピーノ”はジュゼッペの愛称で、自身の半生を伝記物語の感じはなく描かれる。

3つの岩山に、ひとつの石を連続してぶつけることが出来たら、黄金の詰まった洞窟の扉が開くという伝説を信じて実行するぺッピーノに、奇跡は訪れる?


一つの何かが起こるのではなく、全体がちりばめられたストーリーの寄せ集めから成り立っているような感じで
一つ逃すと途端に理解が難しくなるような映画。



全体的に話の展開は早いけど、ダラダラ観せられている印象もあって、
途中ところどころ眠気も襲ってくるから
後半はもう早く終わらないかな~とその後のランチの事の方が気になっちゃった。(食いしん坊)
市議会議員選挙に立候補するあたりからどうでも良さはピークに達してきたんだけど、
選挙には落ちてももっと嬉しい出来事、
その日家族皆で囲む食卓で、5人目の赤ちゃんを授かったことを子供たちに発表するシーンは微笑ましかった。


宣伝文句には「家族の愛と絆を描く心揺さぶる感動巨編」とあるんだけど
家族ものに弱いわたしでも、感動するほどではなかったたな。

そして 結局夢オチかい!?みたいな印象もあまり好きじゃない
突然話が未来にワープして、未来の自分の話になったと思ったら最後では少年時代に戻るというちょっと
ファンタジックな描き方で、なるほどとは思ったけど 
いくら何でも長すぎる~!という印象だけで今年の劇場映画ラストはあまりパっとしなかった。最後は面白い作品で締めたかったけどザンネン。

エンニオ・モリコーネの音楽は相変わらず素晴らしく、気持ちを盛り上げてはいたんだけど。。。

そういえば ある映画サイトで、モニカ・ベルッチが最初に名前入ってるのみかけたけど、
もちろん主演ではない上に、
カメオでほんの一瞬の出演(しかも胸揉まれてる)だけでした~



監督・脚本  ジュゼッペ・トルナトーレ


これでもジュゼッペ作品はどれもけっこう好き。
前作のほうが面白くて好みだったな~。
2006年の「題名のない子守唄



 公式サイト
Baarìa 2009年   イタリア    151min
12月18日(土)より、公開中~



カンヌにて。





さて、あと残り2本(前に観たもの)も立て続けにいっちゃう!(予定)今日中に出来るかな??!



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