第84回アカデミー賞にて作品賞、主演男優賞、衣装デザイン賞、作曲賞最多5部門受賞
試写にて鑑賞。
監督はミシェル・アザナヴィシウス
サイレント映画時代のスター、ジョージを演じたフランスの俳優、ジャン・デュジャルダン。
ワンちゃん、アギーも立派な演技を見せて動物界のアカデミー賞で賞受賞
「風と共に去りぬ」のレッドバトラー、クラーク・ゲーブルを思わせるちょびひげ+タレ目
とにかくカッコイイし素晴らしかった~
そして新人女優からトップスターへ。天真爛漫なペピーを演じたのはベレニス・ベジョ。
お母さんか?ってくらいなんか老けてるジョージの古女房。
あっさりポイ。
フランス映画だけどハリウッドの名優達も出演。
ちょい役だけど「時計じかけのオレンジ」のアレックス、マルコム・マクダウェル。
メタボ止まらずのジョン・グッドマン。
優しい運転手兼お手伝いのジェームズ・クロムウェル。
1927年のハリウッド。映画界屈指の大スター、ジョージ・バレンティンは新人女優ベビーを見初め、人気女優へと導いていく。惹かれあっていく二人・・・。しかし、折りしも映画産業はサイレントからトーキーへの移行期。サイレントに固執するジョージが没落していく一方で、ベビーはスターの座を駆け上がってい くことになり・・・。
7/10(78点)
無駄が一切ない、シンプルでストレートすぎるくらいわかり易いストーリー。
ラブストーリーとしてとるもよし、
コメディとしてみるもよし。
サイレント映画は20年くらい前にキートンやチャップリンなどたくさん観たので
今観ると懐かしい感じ。
今年のオスカーで、「ヒューゴの不思議な発明」と一騎打ちと言われた本作。
だから余計に期待のほうがやや高まりすぎてたかな。わたしはヒューゴの方が好き。
両作品とも映画業界にまつわる話で、こちらは昨今の3DやCG映画全盛期の中で
音も色もない世界、シンプルだけど映画本来の、というか
映画を娯楽として人が楽しみ始めた頃の映画。全てを表情や動作、音楽、テンポから
くみとり、それぞれ観る側が想像力を働かせ受け止める。
そんな当時の映画の存在が、知らずしても蘇ってくるような感覚。
主役の二人は役者という設定もあって、「電撃的な恋」といっても
スター俳優と、もともと想い寄せてたそのファンの子が、という図式にも思えてしまう。
ジョージは独身ではなく いつも自分の載った雑誌や新聞の写真の顔にイタズラ書きをする古女房がいる。
そこに愛はないらしい。
どういうきっかけで結婚したのかはもちろん描かれないけど
単にひと目惚れして出会った若い子に惹かれ始めるという安易な感じがしちゃって
あまり二人の恋を応援したくなるというものではなかった。(いやだからって古女房の肩持つわけじゃないけど)
そこがちょっとひっかかってしまって最高にロマンティックな物語
と絶賛するまでには至らず。
あと、単純な内容のせいかちょっとテンポが悪いかな。101分というのは
ギリギリの長さでこれ以上長かったら飽きがくるように思う。無声映画だし。
有名になるには特徴がないとダメ。とアドバイスして書いてあげた付けぼくろ。
サイレント映画はやがて飽きられて、ジョージは仕事がなくなり落ちぶれて行く一方で
新しい物を求める人たちに受け、ペピーの人気に火がつく。
取材を受けているそのちょうど後にいて
「古いのは新しいものに道を譲るべき」などというセリフを自分のことだととり
自らの企画主演監督作は失敗、妻からも追い出され、
家財道具を全てオークションにかけて売ってしまい、途方にくれる。
そんな時も愛犬の存在は唯一無二。
ワンちゃんがとにかく演技達者で可愛い
火災事故があったあと、力になりたいと引き取ってくれたのは
ペピー。そこである部屋で目にしたのは、自分の家財道具一式で。
ファンが買ったのではなく彼女のお情けにあやかってたと知ったジョージは絶望する。
ストーリー的には本当にシンプル。先も読めるし。
アカデミー賞作品賞だけどわたしの中では思った程というか、そんなにハマらなかったかな~。
ただラストの、共演を提案したペピーがジョージと踊る軽快なタップダンス
ここがもっとみていたいくらい最高でした~。
昔のサイレントムービー、また観直したくなったな★
あと、ペピーの主演した「付けボクロ」って映画いったいどんな内容なんだか
それ観てみたいな~って思っちゃった。
THE ARTIST 2011年 フランス 101min
4月7日より、ロードショー
きっかけはこのカンヌ映画祭。
かわゆい