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(私注: 一読して、すごいと思った絵本です。)
要約 (”は引用しるし)
”「あら、なにかしら。あそこにあるのは」”
めうしのジャスミンは、農場の裏庭で鳥が死んでいるような変なものをみつけます。
ジャスミンは、つのの先で、そっとおしてみたら、”つのをすーっととおりぬけ
、鳥のようなものは、ジャスミンの頭にすっぽりかぶさってしまいました。”
ジャスミンは、いったい、なんなのかと、池の水にうつしてみました。
それは、羽かざりのついた ぼうしで、ジャスミンは、とても気に入り、”いくらみても、みあきないほどでした。” とても、にあうと思いました。
ぼうしをかぶって農場にかえってきたジャスミンを見て、ほかの動物たちは、どんなに笑ったことでしょう。
”「ジャスミン 気がおかしくなったの?とっても まがぬけてみえるよ」”
「ジャスミン、お願い」ひつじのローズがいいました。「自分だけ、みんなとちがっているのは、いやでしょう?」
”「あなたは あなたのおもうように すればいいのよ」と、ジャスミンはいいました。「それでいいんじゃない?わたしは、わたしのおもうようにするわ。だれでも、その人らしくすればいいのよ」”
それからというもの、ジャスミンは、いつもぼうしをかぶって、ほこらしげに農場をあるきまわりました。”ねるときも、ぼうしをぬぎませんでした。
おひゃくしょうの夫婦と、まごむすめのアンは、
「ジャスミンたら、すてきじゃないの。しゃれているわ。とてもにあうわ」
農場の納屋につんでおいた古いぼうしが、ひとつ、ころがりおちたようなのです。
”動物たちは、ぼうしをかぶったジャスミンが気になってしかたがありません。”
”「なかまとちがうことをしたがる めうしなんて、あたし、すきじゃないわ。ろくなめうしじゃないもの」と、めうしのクローバーがいいました。”
「自分のほうがえらいとおもっているのね。」「病気よ。」「うぬぼれているのよ。」
”だれもかれも、こんなふうでした。でも、ジャスミンは、いつもぼうしをかぶり、とてもきにいっていました。”
”「いいぞ、ジャスミン」といったのは、ねこのコットンです。”
”「いつもいうように、人それぞれ、さ。そうするには、勇気がいる。ジャスミンには、その勇気があるよ」”
どうぶつたちは、あつまって、協議しはじめました。昔は、うまは麦わらぼうしをかぶっていた。動物がぼうしをかぶるのも、そうばかなことではないかもしれない。でも、あたしは、かぶらないわ。あたしも、あたしも、と、動物たちは、声をそろえていいました。
でも、みんな、だんだん、ぼうしをかぶりたくなってきました。ぼうしをかぶったほうが、すてきじゃないかと、思うようになってきました。
つぎの日のこと、いぬのノイジーが、裏庭に、納屋にあるぼうしをつみあげました。動物たちは、どっとかけより、てんでにすてきなぼうしをえらび、頭にのせ、よろこんで、おどりまわりました。”それはまるで、ぼうしのお祭りのようでした。”
その夜、ジャスミンは、昼間のできごとを、よく考えました。そして、つぎの翌朝――
”ジャスミンが、ぼうしをかぶっていないことに、最初に気がついたのは、ろばでした。”
”「みてごらん。ジャスミンがぼうしをかぶっていないよ。どうしたっていうんだろう?」”あまり、おどろいたので、あやうく羽かざりのついたぼうしを おとしそうになりました。
”「ジャスミンたら、また!いつでも、みんなとちがうことをしたがるのよ」”
ジャスミンがぼうしをかぶっていないというニュースは、農場じゅうに広まり、そのうわさで、もちきりになりました。
ぼうしをかぶった動物たちは、
”「ほら、いったでしょ。みんなとちがうことをしたがるめうしなんて、ろくなめうしじゃないのよ」”
ぼうしをかぶっていないと、ひどくまがぬけてみえる、とか、ジャスミンはめだちたがりやなのだ、とか、病気だとか、日射病でもっと病気がひどくなるとか、いろいろな意見がでました。
でも、ジャスミンは、毎朝ぼうしをかぶらず、牧場でおいしそうに草をたべています。
”みんな、だんだん、がまんできなくなってきました。”
だれもが思いだしたことを最初に口にしたのは、がちょうのペチュニアで、
”「ほんとういうと、このぼうし、ちょっと重くなってきたのよ。ぼうしをかぶらないほうが、わたしたち、すてきにみえるんじゃないかしら?」”
ぼうしをかぶらないのは、おぎょうぎがわるい、とか、いろいろ協議しあいました。
”「ジャシミンは、ほんとうはそうバカではなく、ぼうしをかぶって人前にでないのかもしれない」”のひとことで、みんな、ぼうしをぬぎすてました。
”さて、つぎの朝、動物たちがみたのは、なんだったとおもいますか?”
ジャスミンが、ぼうしをかぶり、そのすがたを水にうつして、ほれぼれとながめています。
動物たちは、おこってしまい、”牧場にあつまって、ジャスミンをどうしてくれようかと、、相談しました。”
ジャスミンのぼうしを、もぎとろう!もう、ふりまわされるのは、ごめんだ!まっぴらだ!
そうだ、そうだ、と”動物たちは、声をそろえてさけびました。”
”でも、ペチュニアと、ねこのコットンは、べつでした。
「めうしでも、だれでも、自分のすきなかっこうを してはいけないってことは、ないとおもうわ」ペチュニアはいいました。
「ぼくも、そうおもう」コットンが、前足をなめながら、いいました。”
動物たちは、頭をさげ おそろしい目をして 池のほとりのジャスミンお気に入りの草場にむかいました。
”そうして、口々に、こんな歌をうたいました。
「ぬがせろ、ぬがせろ、ジャスミンのぼうし!ぬがせて池に、ほうりこめ!」”
このやかましい行列は、ジャスミンをとりかこもうとおもいましたが、きゅうに静まりかえってしまいます。
”ジャスミンが、あのぼうしを頭にのせ、にっこりしているところを、おひゃくしょうさんのまごむすめのアンが、カメラにおさめようとしていたからです。おひゃくしょうさん夫婦のパンプキンさんたちもいました。
”動物たちをみると、アンがいいました。”
「そうだ。ジャスミンが動物たちにかこまれているところを写真にとろう。ジャスミンは、農場の女王さまだもの!」
”アンが、そういうのをきくと、おこっていた動物たちも、なんだか楽しくなりました。”
”アンが、ジャスミンには、ぼうしがにあうというのですから、きっとそうなのでしょう。”
ジャスミンをまんなかに、動物たちは、写真からはみでないように、くっついてならびました。
”「さあ、わらって!」アンが声をかけました。
みんな、にっこりして――カシャ!シャッターがおりました。”動物たちは、楽しそうに農場へ帰っていきました。
”こうして、みんなとちがっていても へいきなめうし、ジャスミンは、パンプキン農場の すてきな女王さまになったのです。”
完
要約 (”は引用しるし)
”「あら、なにかしら。あそこにあるのは」”
めうしのジャスミンは、農場の裏庭で鳥が死んでいるような変なものをみつけます。
ジャスミンは、つのの先で、そっとおしてみたら、”つのをすーっととおりぬけ
、鳥のようなものは、ジャスミンの頭にすっぽりかぶさってしまいました。”
ジャスミンは、いったい、なんなのかと、池の水にうつしてみました。
それは、羽かざりのついた ぼうしで、ジャスミンは、とても気に入り、”いくらみても、みあきないほどでした。” とても、にあうと思いました。
ぼうしをかぶって農場にかえってきたジャスミンを見て、ほかの動物たちは、どんなに笑ったことでしょう。
”「ジャスミン 気がおかしくなったの?とっても まがぬけてみえるよ」”
「ジャスミン、お願い」ひつじのローズがいいました。「自分だけ、みんなとちがっているのは、いやでしょう?」
”「あなたは あなたのおもうように すればいいのよ」と、ジャスミンはいいました。「それでいいんじゃない?わたしは、わたしのおもうようにするわ。だれでも、その人らしくすればいいのよ」”
それからというもの、ジャスミンは、いつもぼうしをかぶって、ほこらしげに農場をあるきまわりました。”ねるときも、ぼうしをぬぎませんでした。
おひゃくしょうの夫婦と、まごむすめのアンは、
「ジャスミンたら、すてきじゃないの。しゃれているわ。とてもにあうわ」
農場の納屋につんでおいた古いぼうしが、ひとつ、ころがりおちたようなのです。
”動物たちは、ぼうしをかぶったジャスミンが気になってしかたがありません。”
”「なかまとちがうことをしたがる めうしなんて、あたし、すきじゃないわ。ろくなめうしじゃないもの」と、めうしのクローバーがいいました。”
「自分のほうがえらいとおもっているのね。」「病気よ。」「うぬぼれているのよ。」
”だれもかれも、こんなふうでした。でも、ジャスミンは、いつもぼうしをかぶり、とてもきにいっていました。”
”「いいぞ、ジャスミン」といったのは、ねこのコットンです。”
”「いつもいうように、人それぞれ、さ。そうするには、勇気がいる。ジャスミンには、その勇気があるよ」”
どうぶつたちは、あつまって、協議しはじめました。昔は、うまは麦わらぼうしをかぶっていた。動物がぼうしをかぶるのも、そうばかなことではないかもしれない。でも、あたしは、かぶらないわ。あたしも、あたしも、と、動物たちは、声をそろえていいました。
でも、みんな、だんだん、ぼうしをかぶりたくなってきました。ぼうしをかぶったほうが、すてきじゃないかと、思うようになってきました。
つぎの日のこと、いぬのノイジーが、裏庭に、納屋にあるぼうしをつみあげました。動物たちは、どっとかけより、てんでにすてきなぼうしをえらび、頭にのせ、よろこんで、おどりまわりました。”それはまるで、ぼうしのお祭りのようでした。”
その夜、ジャスミンは、昼間のできごとを、よく考えました。そして、つぎの翌朝――
”ジャスミンが、ぼうしをかぶっていないことに、最初に気がついたのは、ろばでした。”
”「みてごらん。ジャスミンがぼうしをかぶっていないよ。どうしたっていうんだろう?」”あまり、おどろいたので、あやうく羽かざりのついたぼうしを おとしそうになりました。
”「ジャスミンたら、また!いつでも、みんなとちがうことをしたがるのよ」”
ジャスミンがぼうしをかぶっていないというニュースは、農場じゅうに広まり、そのうわさで、もちきりになりました。
ぼうしをかぶった動物たちは、
”「ほら、いったでしょ。みんなとちがうことをしたがるめうしなんて、ろくなめうしじゃないのよ」”
ぼうしをかぶっていないと、ひどくまがぬけてみえる、とか、ジャスミンはめだちたがりやなのだ、とか、病気だとか、日射病でもっと病気がひどくなるとか、いろいろな意見がでました。
でも、ジャスミンは、毎朝ぼうしをかぶらず、牧場でおいしそうに草をたべています。
”みんな、だんだん、がまんできなくなってきました。”
だれもが思いだしたことを最初に口にしたのは、がちょうのペチュニアで、
”「ほんとういうと、このぼうし、ちょっと重くなってきたのよ。ぼうしをかぶらないほうが、わたしたち、すてきにみえるんじゃないかしら?」”
ぼうしをかぶらないのは、おぎょうぎがわるい、とか、いろいろ協議しあいました。
”「ジャシミンは、ほんとうはそうバカではなく、ぼうしをかぶって人前にでないのかもしれない」”のひとことで、みんな、ぼうしをぬぎすてました。
”さて、つぎの朝、動物たちがみたのは、なんだったとおもいますか?”
ジャスミンが、ぼうしをかぶり、そのすがたを水にうつして、ほれぼれとながめています。
動物たちは、おこってしまい、”牧場にあつまって、ジャスミンをどうしてくれようかと、、相談しました。”
ジャスミンのぼうしを、もぎとろう!もう、ふりまわされるのは、ごめんだ!まっぴらだ!
そうだ、そうだ、と”動物たちは、声をそろえてさけびました。”
”でも、ペチュニアと、ねこのコットンは、べつでした。
「めうしでも、だれでも、自分のすきなかっこうを してはいけないってことは、ないとおもうわ」ペチュニアはいいました。
「ぼくも、そうおもう」コットンが、前足をなめながら、いいました。”
動物たちは、頭をさげ おそろしい目をして 池のほとりのジャスミンお気に入りの草場にむかいました。
”そうして、口々に、こんな歌をうたいました。
「ぬがせろ、ぬがせろ、ジャスミンのぼうし!ぬがせて池に、ほうりこめ!」”
このやかましい行列は、ジャスミンをとりかこもうとおもいましたが、きゅうに静まりかえってしまいます。
”ジャスミンが、あのぼうしを頭にのせ、にっこりしているところを、おひゃくしょうさんのまごむすめのアンが、カメラにおさめようとしていたからです。おひゃくしょうさん夫婦のパンプキンさんたちもいました。
”動物たちをみると、アンがいいました。”
「そうだ。ジャスミンが動物たちにかこまれているところを写真にとろう。ジャスミンは、農場の女王さまだもの!」
”アンが、そういうのをきくと、おこっていた動物たちも、なんだか楽しくなりました。”
”アンが、ジャスミンには、ぼうしがにあうというのですから、きっとそうなのでしょう。”
ジャスミンをまんなかに、動物たちは、写真からはみでないように、くっついてならびました。
”「さあ、わらって!」アンが声をかけました。
みんな、にっこりして――カシャ!シャッターがおりました。”動物たちは、楽しそうに農場へ帰っていきました。
”こうして、みんなとちがっていても へいきなめうし、ジャスミンは、パンプキン農場の すてきな女王さまになったのです。”
完