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モディを理解すれば、インドの今が分かる 日本最速!    2023/9/29

2023年09月29日 13時47分27秒 | 政治

モディを理解すれば、インドの今が分かる日本最速! どこよりも詳しいナレンドラ・モディ評伝

2023/9/29   東洋経済

5月26日にインドの第18代首相になったナレンドラ・モディとはいったいどんな人物なのでしょうか。

モディは、1950年9月17日生まれの6人兄弟姉妹の3番目。中流家庭の出身で、エリート大学を卒業したわけではありません。学生時代は自分でチャイ屋をやって生計を立てた苦労人で、インド人民党(BJP)における地位も、自ら努力して手に入れました。強力なリーダーシップや政治的な手腕は何度も直面した難局で鍛えられたもので、彼の関心はただ一つ「インドの国造り」にあります。

モディが全国区の知名度を持つようになったのは、2001~2014年に自身の出身地であるグジャラート州の州首相を3期務め、州の行政と統治の改善に全力を注いだためです。グジャラート州における成功は2014年総選挙における、モディの最大のセールスポイントになりました。本稿ではモディの政治家としての資質を5つのキーワードで説明します。

の位置を示したインドの地図

グジャラート州

ソーシャルメディアを使いこなす

1.優れた聞き手、優れた語り手

1800回を超える選挙演説で、モディは知識階級、中間層、日雇い労働者などあらゆる層の国民を一つにまとめ上げるのに成功しました。彼の演説を見たアナリストは「ナレンドラ・モディをまともな演説ができる当世インドで唯一の政治家だ」とまで絶賛していました。

彼はほとんどの演説を即興で行い、原稿を使いません。モディが壇上に上がると会場は静まりかえり、いつでも騒がしいことで有名なあのインド人が一斉に口を閉じるのです。

モディは優れた語り手であると同時に優れた聞き手でもあります。一度でも議論したことは覚えていて、それを後にタイミングよく適切に話題に盛り込むセンスは抜群なものがあります。彼は情報の扱い方を心得ているともいえます。

モディは「ソーシャルメディアは社会の情報を集めるものであって、プロモーションの手段ではない」と言ったことがあります。モディはソーシャルメディアからその地域の情報を集めて、演説をする際の参考にしているのです。

2.高い規律

モディの任期中、グジャラート州を「もっともビジネスがしやすい州」と評価を受けるようになりました。グジャラート州は電力や水が滞ることなく供給される数少ない州の一つで、道路インフラは他州の羨望の的です。多くの人がこれはモディの規律に基づく組織運営の成果だと考えています。

規律の正しさは彼の清潔なファッションスタイルにも表れています。モディ自身がデザインした半袖クルタのスタイルは「モディ・クルタ」と呼ばれており、モディを象徴するものです。日課としてヨガを欠かさず、規律正しく生活して健康管理を怠らない。モディは時間の浪費を嫌い、役人に対して期限通りの結果報告を求めます。私生活でも仕事でも高い規律を求めているのです。

3.ハードワークと忍耐

モディは現場で指揮するタイプの指導者で、自身でも認めるハードワーカーです。仕事中毒ともいえるほどの仕事への飽くなき情熱は、6カ月にわたる選挙戦の間に1800もの演説を行ったことでもわかります。彼の1日は朝5時に始まり、終わるのは夜の12時。演説やミーティングで彼を見た人は「モディが全てのことに冷静に対処する、疲れ知らずの人に見えた」と言います。選挙運動中だけでなく、首相になってからもモディは熱心な現場指導者であり続けています。

パテルやヴィヴェカナンダの再来

4.変革者

BJPの創設者であるアタル・ビハーリー・バジパイ首相(任期1996、1998~2004年)がさまざまな自由化を断行したように、モディは首相として多くの変革を断行しようとしています。グジャラート州首相時代には、社会が不安定になるほど怒涛のような変革を行いました。多くのインド人は、グジャラート州で行ったような改革が全国レベルに拡がることを願っています。

5.歴史的なリーダーを継ぐ者

モディ支持者はモディに国家指導者や現代の英雄の姿を重ねるようです。インド共和国の建国の父の1人で、インドの「鉄の男」と称されるサンダール・ヴァッラブバーイー・パテルがその典型。彼はインドの独立と統一に中心的な役割を果たしました。インドが独立した時、500以上あった藩王国もそれぞれに独立をしようとしていたが、サルダール・パテルの説得で考えを翻した。英国が去った後、インドが多くの国に分裂しなかったのは彼の強力なリーダーシップが発揮されたからです。

支持者にとってモディは「第2のサルダール・パテル」、あるいは「鉄の男の現代版」ともいえます。また、モディはインドにヒンドゥー主義を復活させ、植民地時代のインドにナショナリズムを巻き起こしたレイト・スワミ・ヴィヴェカナンダにも例えられます。ヴィヴェカナンダの幼名はナレンドラ。1893年に米国シカゴを訪問する際に日本に立ち寄ったスワミ・ヴィヴェカナンダは、日本の清潔さに感銘を受け、日本人を「地球上で一番清潔な人々」と評したことで有名です。

次回以降、「インドは日本企業を待っている」とのテーマで、個別産業分野を分析します。最初は「鉄道」。17日に掲載予定です。


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