韓国当局、尹大統領の逮捕状執行に着手－捜査チームが公邸に到着
2025/1/3
（ブルームバーグ）： 韓国の尹錫悦大統領を内乱の疑いで捜査している合同捜査本部が３日午前、尹氏に対する逮捕状の執行に向け動いた。大統領公邸付近には、逮捕を阻止しようと抗議者が集まっている。
聯合ニュースによれば、高位公職者犯罪捜査庁（公捜庁）の捜査チームを乗せた車両が大統領公邸に到着した。現職大統領の逮捕という前例のない試みに反対する尹氏の支持者たちが集結しており、警察は公邸周辺に約2700人の警官を配備した。公捜庁はコメントの要請にすぐには応じなかった。
韓国のソウル西部地裁は先月末、尹氏が同月宣布した「非常戒厳」を巡り合同捜査本部が請求していた逮捕状を発付した。尹氏は国会で弾劾訴追案が可決され、大統領権限が停止されている。
【速報】尹大統領官邸で治安機関と軍部が対峙、逮捕状執行 - [MBCニュース速報] 2025-01-03
2025/1/3
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「非常戒厳」を出した韓国の尹錫悦（ユンソンニョル）大統領の拘束に向け、捜査当局が3日朝、内乱容疑の拘束令状を執行するために公邸の敷地内に入った。捜査当局は「執行を始めた」としている。拘束令状はソウル西部地裁が捜索令状とともに発付していた。現職の大統領が拘束されれば、初の事態となる。
聯合ニュースによると、捜査員らは公邸の警備を担っているとみられる軍部隊と一時対峙（たいじ）したあと、大統領警護処長に令状を示して執行への協力を求めたが、警護処長は捜索を拒否したという。
警護処は警察とは別の組織で、これまでも大統領府の家宅捜索などを拒んできた。根拠としているとみられるのが、「軍事上の秘密を要する場所」は、責任者の承諾なしに押収や捜索ができないなどとする刑事訴訟法の規定だ。
韓国メディアによると今回の捜索令状には、こうした刑事訴訟法の規定を適用外とすると記されているという。捜査当局はこれをもとに令状執行に協力するよう求めているとみられるが、警護処は応じていない模様だ。
韓国の聯合ニュースによると、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領が「非常戒厳」を宣言したことをめぐり、内乱を首謀した疑いで大統領の拘束令状をとった合同捜査本部の捜査官たちが3日朝、ソウル市内にある大統領公邸の敷地に入り、公邸玄関で拘束令状を執行しようとしている。
公邸の周辺には尹大統領の支持者や報道陣が大勢集まっている。大統領の支持者たちは、尹氏の名前を連呼し、支持を表明している。警官隊は、公邸に向かう歩道に警察車両を並べるなどして、群衆を統制しようとしている。
尹氏の弁護士は、拘束令状に執行差し止めを請求する方針だと声明で述べた。
大統領の弁護団は昨年12月30日、非常戒厳の宣布は、憲法が定める大統領権限の範囲内だとし、捜査当局には尹氏を逮捕する権限はないと述べている。
尹大統領について、警察や政府高官などの捜査を担う「高位公職者犯罪捜査処」の合同捜査本部は12月29日、内乱を首謀した疑いで大統領の拘束令状を請求し、ソウルの地裁は同31日に令状を発付した。韓国の現職大統領に拘束令状が発付されるのは、憲政史上初めて。
尹大統領は12月3日夜に「非常戒厳を宣布する」と発表したものの、与野党議員がこれに反発したため、翌朝には非常戒厳を解除。14日に弾劾され、職務停止となっている。
尹氏はその後、内乱と反逆の疑いで捜査されているものの、これまで捜査当局による再三の出頭要請に応じていない。
尹氏は同12日のテレビ演説で、非常戒厳を宣布したことの正当性を訴えた。民主主義の「崩壊を防ぎ」、野党による「国会の独裁」に対抗するための合法的な判断だったと主張し、「弾劾されようが、捜査されようが、私は断固として対抗する」、「最後まで闘う」とした。一方で、「法的および政治的な責任」を回避するつもりはないと述べた。
尹氏の弁護人、尹甲根（ユン・ガプグン）弁護士は、大統領が3度の出頭要請に応じなかったのは「正当な懸念」があるからだと述べていた。大統領は出国禁止となっている。
「警察の特別捜査団関係者は３日、聯合ニュースの取材に対し、「軍部隊が捜査官らの令状執行を阻止している」と伝えた。軍部隊は公邸の警備を担う陸軍の首都防衛司令部とみられる。同司令部は大統領直轄の命令体系にある」
「ソウル西部地裁が尹大統領に対する拘束令状を発付してから４日目となるこの日早朝、公捜処は令状執行に乗り出した」
「令状を執行するのは公捜処だが、共に合同捜査本部を設けて尹大統領の「非常戒厳」宣言を巡る内乱事件を捜査している警察も捜査官を派遣している。令状を執行する関係者は公捜処３０人、警察特別捜査団１２０人の計１５０人。このうち、公捜処３０人と警察特別捜査団５０人が公邸内に入り、残りは公邸前で待機している。」 聯合ニュース
