とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

『いま、イラクを生きる』リバーベンド ラスト(「ザルカウィー」)

2008年04月24日 03時41分31秒 | 地理・歴史・外国(時事問題も含む)
2006年6月10日
      「ザルカウィー」(全文引用)

 さて、「ザルカウィー」がやっと死んだ。昨日の朝、起きてみたらこのニュースだった(おとといだっけ?はっきり思い出せない.......)。彼の写真や映像を見せられても動揺はしなかった。だって私は、めちゃくちゃにされた、血だらけの死体の画像にはどっぷり浸けられてきているもの。

 受け止め方はそれぞれだった。彼が誰であろうとも、惜しまれるような人ではないというものが、私の家族や友人たちの一般的な意見。疑問が浮かぶ。彼はいったい何者だったのか?そもそも実在していたのか?彼は本当にアメリカ人が言い立てたような大きな脅威だったのか?彼が実際に死んだのはいつ?みんなはもっと前の2003年に死んだって断言してるけど.........。

 このタイミングは絶妙だ。ちょうど人びとが役立たずのイラク政府にほとほと嫌気がさしてきたころあいに、ザルカウィーが殺されて、占領世界の勝ち誇った指揮者としてマリキが歓呼をもって迎えられるってわけ!(イラク人は誰1人街でお祝いなんかしてないのに。電気や水、殺し屋軍団、鑑識、死骸、そしてどんどん勢力を伸ばしつつある過激集者のことを考えるので精いっぱい)

 いろんな反応を聞いてみると――大部分は戦争賛成者の政治屋たちのものだけど、彼らのおめでたさにはまったくあきれかえる。マリキ(いまのイラク首相、ね)は、そのニュースを発表するとき、ほとんど舞い上がっているみたいだった。彼はがんばってなんとかここまでこぎつけたのだ!
 本当に彼らはこれで占領に対する抵抗運動が終わるって信じているのかしら?外国の軍隊がイラクに居る限り、抵抗運動や「反乱」は続く――なぜこんな簡単なことが理解できないの?ほかにどう考えられるっていうの?

「イラクの人びとにとっての新しい日」がイラク操り人形政府やアメリカ人たちのもっぱらの話題だ。たとえば2003年4月9日(バグダッド陥落時)が、「イラクの人びとにとっての新しい日」だったように。彼らがウダイやクサイ(サッダム・フセインの息子たち)を殺したときも「イラクの人びとにとっての新しい日」だった。もう一つの「イラクの人びとにとっての新しい日」は、サッダムを捕まえたとき。それから憲法草案を作ったときも「新しい日」...............なんだか知能テストにある質問にみたいに思えてきたわ。もし「新しい」が「さらなる」と同じ意味で、それから、「日」は「苦しみ」と同じ意味だとしたら、「イラク人にとっての新しい日」って、どういうことになる?(私注:「イラク人にとってのさらなる苦しみ」となります)

 私はどう思っているかって?ザルカウィーのことなんてどうだっていい(ブッシュの呼び方だとザイルカウィね)。彼はアメリカが創り出したもので、アメリカと一緒にやって来た。でも、どうやらもう利用価値がなくなったみたいね。彼の影響力は大きく誇張された。軍隊や警察隊がイラク人の家族を殺すのを正当化するとき、いつだって彼が口実に使われた。

 最初は大量破壊兵器、つぎはサッダーム、そして次はザルカウィー。今度は誰?イラク人拘束や殺害のために、誰が新しい口実に使われることになるの?それとも、もう口実なんか必要なくて、どんなことでもやりたい放題ってことかしら。数ヶ月前のハディサでの虐殺(2005年11月、米海兵隊がハディッサ市において、女性と子どもを含む24人のイラクじんを殺害した事件。米海兵隊は事件を隠藪しようとした)がそのことを証明している。

 「やつらはもうあいつらが要らんのだ」。近所のお年よりは手でハエを追い払うように、ザルカウィー殺害のニュースを一蹴した。「政府のなかにザルカウィーが50人いるからね」

 さて、ザルカウィーは死んだ。ブッシュとわれらがイラク操り人形たちの言うところによれば、イラクのひどい状態は背後に彼がいたことが原因だったから、ものごとは良くなっていくはず。そうよね?自動車爆弾は少なくなるはずだし、民族浄化は終わり、軍隊に攻撃されたり攻囲されたりすることはなくなっていく........
それが私たちに約束されたことなのよね?いいことだわ。じゃあ、内務省の殺し屋軍団と銃をぶっぱなすのが大好きな外国部隊をなくするには、いったい誰が殺されればいいのかしらね?
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