【東京五輪】反五輪団体が集結し「6・23東京都庁包囲」〝世界同時デモ〟を計画
いよいよ〝最終決戦〟だ。東京五輪の主催者サイドに対して「開催中止」を求める反五輪団体がついに最終手段に打って出る。なんと開会式1か月前の23日に過去最大規模のデモ隊が集結し、東京都庁(新宿区)の完全包囲を計画しているのだ。しかも、今回は日本だけでなくパリ、ロサンゼルスなどの反五輪団体と連携した〝世界同時多発デモ〟。ターゲットは、あの「女帝」と「男爵」だという。
五輪開幕まで1か月の23日は、くしくも「オリンピックデー」。1894年にピエール・ド・クーベルタン男爵によって国際オリンピック委員会(IOC)が創設された記念日だ。しかし、現状はお祭りムードとは程遠い。新型コロナウイルス禍は収まらず、いまだ五輪開催に否定的な意見は根強い。その声に押されるように、反対派が最後の抵抗に打って出る。
「6・23」のデモ予告のチラシには「NOlympicDay(ノーオリンピックデー)」のタイトルとともに「やらせるものか 犠牲の祭典」「オリンピックは私たちを殺す!」と過激な文字が躍る。これまで日本オリンピック委員会(JOC)や大会組織委員会のビル前で抗議活動を行ってきた「反五輪の会」をはじめ、国内6つの反五輪団体が連携。過去にない大規模な人数が都庁の前に集結し、同日夕方から東京都の小池百合子知事(68)へ向けて怒りの声を上げるという。
参加予定の男性は「6月23日は五輪推進派にとっても節目の日。だからこそ都庁前という象徴的な場所をターゲットにした。本来は開幕1か月前には中止が決まっているべき。何としても阻止したい」と言葉に力を込めた。
デモの規模は過去最大となる。先月9日に国立競技場周辺で行われたデモ行進には約100人が参加したが、今回はさらに増強。前述の男性は「五輪を強引にやろうとしている人たちの力が強いので100人程度では話にならない。対抗するには1000人、1万人くらいで都庁を取り囲まないといけない」と決意表明。その上で「コロナ禍での開催を批判しながら我々が密になってはダメ。しっかり距離を取って行いたい」と話した。
さらに今回は日本国内にとどまらない。24年大会の開催地・パリ、28年大会のロサンゼルス、18年冬季大会の平昌(韓国)の3都市で活動する反五輪団体と同時間帯にオンラインで連携して「五輪中止」を一斉発信。「時差があって難しいけど、通訳を介しながら世界同時多発で訴えたい」(同)。まさに世界規模の反五輪アクションとなる。
現在来日しているIOCのジョン・コーツ副会長(71)も、反対派がターゲットにしている人物だ。コーツ副会長といえば、先月に「緊急事態宣言が出されていても開催するか?」との質問に「答えはイエスだ」と断言して日本中からブーイングが上がったことは記憶に新しい。
クーベルタン男爵が五輪を創設した「6・23」に〝はったり男爵〟ことコーツ副会長に向けて反対デモが行われるとは皮肉としか言いようがない。五輪開催を巡る闘争は、いよいよ最終局面。その決着の行方は――。
東京スポーツ