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チャールズ国王戴冠式で紀子さまとイギリスへ…「象徴天皇制を担うのは、あくまで天皇」と語った秋篠宮さまの“真意” 文春オンライン / 2023年5月6日 11時0分

2023年05月08日 21時38分51秒 | 皇室
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秋篠宮さま ©JMPA

 

 秋篠宮夫妻が、5月6日に開催されるイギリスのチャールズ国王の戴冠式に参列するため、4~7日にイギリスを訪問している。

 今回、この訪問は天皇が差し向ける「差遣(さけん)」という形で戴冠式に出席する方式を採る。前のイギリス国王であるエリザベス女王の戴冠式(1953年)の時は当時の皇太子であった現上皇が、昭和天皇の名代として参列した。名代とは天皇の代理という意味である。

秋篠宮さまが戴冠式に参列する意味

 これまで、イギリス国王の戴冠式はすでに即位した王や女王は参列しないという慣例があった。それもあって、エリザベス女王の戴冠式では、昭和天皇ではなく皇太子が参列した。ちなみに、その前のジョージ6世の戴冠式(1937年)の時は明仁皇太子ではなく、昭和天皇の弟である秩父宮が天皇の名代として、妻である勢津子妃とともに参列している。明仁皇太子が1933年生まれでまだ幼少であったがゆえに、この時は天皇の弟である秩父宮が参列した。

 実はこの差遣と名代の二つには微妙な差異があるように思われる。差遣は天皇が派遣するという形式を採る。そこには、天皇が代理であるその人に思いを託したという意味がある。それに対して名代はより正式な代理という形式で、閣議決定を必要とする。今回、あえて秋篠宮が差遣という形でイギリスを訪問し、チャールズ国王の戴冠式に参列することとなった。平成以降、天皇の名代として外国を訪問した皇族はいなかった。その例にならったのだろう。しかし、差遣でも天皇皇后と相談して誰が行くかが決められている。皇室として、その人に自らの思いを託したという意味が強いのではないか。

各国からは即位した王や女王も参列

 とはいえ、今回、チャールズ国王は自らの戴冠式で、これまでの慣例を変えようとしていると報じられている。具体的には、すでに即位した王や女王の参列を求めたという点である。ヨーロッパ各国では、スペインやオランダ、スウェーデンなどの国王が戴冠式に参列すると言われている。チャールズ国王は、日頃から交流のあるヨーロッパの王国の友人たちに、自らの戴冠式に参列して欲しいと考えたのだろう。各国も今回、それに応える形を採った。その点では、日本も天皇と皇后の二人が戴冠式に参列してもおかしくはない。

 しかし、今回は秋篠宮夫妻の参列となった。なぜなのだろうか。上皇が皇太子として戴冠式に参列したとき、象徴天皇の国事行為を代理する法律が存在していなかったため、天皇は海外を訪問することができなかった。戦前に秩父宮が戴冠式に参列したときは、やはり統治権の総攬者である天皇が海外を訪問することはそもそも想定されていなかった。しかし、現在は天皇も海外へ行くことができる。戴冠式に参列できるはずである。では今回はなぜ、天皇ではなく秋篠宮なのかという問題が残るのである。

 上皇がエリザベス女王の戴冠式に出席した際は、教育的効果という側面もあった。英語を勉強している皇太子に、実地訓練としての意味を込めて、海外を訪問させようとする意図があった。社交的な性格ではなかった皇太子に、人と接する機会を与え、今後に備えようとする意味もあった。日本国内で海外事情を学んでいた皇太子に、戴冠式だけではなく欧米各国を訪問させることで、これも実地で学ばせようとする意図もあった。いずれも、若い皇太子への教育として、戴冠式への参列が検討され、実行された。その意味では、すでにこうした側面は今回の秋篠宮の戴冠式への参列にはないように思われる。

秋篠宮ご夫妻の訪英に反対の声も

 こうした理由からだろうか。そして、小室眞子さんの結婚問題以来の秋篠宮家への逆風からなのだろうか。秋篠宮夫妻のイギリス訪問に反対する声がネットや週刊誌などで、正式発表される前から見られた。それでも今回、秋篠宮の差遣が決定された。

 そうした対応が取られたのは、これまでの秋篠宮の位置づけが関係しているのではないかと思われる。徳仁天皇は昭和天皇の時代から、将来の天皇として扱われた。各国王室との交流も、まさにそうした立場で積極的に展開された。しかし、弟の秋篠宮は必ずしも同じ扱いを受けたわけではなかった。同じ皇族として生まれても、チャールズ国王の次男であるハリー王子の言葉を借りるならば、弟はあくまで「スペア」であって、秋篠宮もまさにその扱いであった。

「象徴天皇制を担うのは、あくまで天皇」の真意は?

 しかし現在の皇室典範の規定に基づいて、徳仁天皇の次の皇位継承者は秋篠宮となり、皇嗣という立場になった。つまりもはや「スペア」ではなくなったのである。これまでのように次の皇位継承者ではないと、自由気ままでいることはできなくなったとも言える。一方、イギリスは単純な長子相続となり、ウィリアム王子の3人の子どもたちがその後の王位継承を担う立場となった。秋篠宮と同じ次男であったハリー王子は「スペア」ですらなくなったのである。そのため彼は、王室との間で軋轢が生じている。

 つまり、秋篠宮が、これまでは担っていなかった皇位継承者としての各国王室との交流を行う場が、今回のチャールズ国王の戴冠式なのである。各国王室の人々が一堂に集うこの場が、皇嗣としての秋篠宮のお披露目の場となり、そして交流を図る第一歩となる。そうした場への差遣が、天皇から秋篠宮に与えられた。

 江森敬治『秋篠宮』では、「皇嗣殿下としての心構えや決意を教えてください」という質問に対して、秋篠宮は「象徴天皇制を担うのは、あくまで天皇であり、私は兄を支える、助けることに徹するのではないでしょうか」と答えた。天皇を「支える、助ける」ために、国際的な親善の場に立つ秋篠宮。天皇を中心として、皇嗣はそれを支えつつ皇室の親善を担う存在となる。そうなるために、今回のチャールズ国王の戴冠式で秋篠宮はどう振る舞うのだろうか。

(河西 秀哉)

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