URUK NEWS イラク情勢ニュース (転送・紹介歓迎)
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2008/11/21 (金)
[飛耳長目録 today's news list]
☆公表されない地位協定に米議員が疑義 2008/11/21
☆参考: アラビア語からの非公式英訳 アメリカ・イラク間の軍事協定
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☆★公表されない地位協定に米議員が疑義
イラク情勢ニュース 速報&コメント 11月21日
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イラク政府が閣議で米軍地位協定を承認したことから、その後のイラク議会は
紛糾のなかで休会になったものの、いずれ承認されるものと推測されている。正
式に発効されるまでには、大統領評議会(大統領と副大統領2人で構成。いずれ
も拒否権を持つ)の承認も得なければならない。ところでこの協定には秘密協定
があるというレポートを前に紹介したことがあるが、今の段階にいたるも公式の
英語版が公表されないという不可思議なことになっている。それも「秘密協定」
云々に関係しているのかもしれない。 以下、ロイターの報道から。
※米議員がブッシュを非難、イラクの協定には秘密がある
Lawmaker accuses Bush of secrecy over Iraq deal
Ross Colvin
http://www.reuters.com/article/newsOne/idUSTRE4AI8OT20081119
ロイター/11月19日、ワシントン発 -- 19日に議会の公聴会で明ら
かにされたが、イラクとの間で調印した安全保障協定の全文が既にイラクの新聞
に掲載されたにもかかわらず、アメリカ政府はこの協定を公開することを拒否し
ている。
ゲーツ国防長官とライス国務長官は、17日に調印された協定について米下院
議員に秘密のブリーフィングをおこなった。米軍のイラク撤退期限を2011年
とした協定のことである。
ビル・デラハント議員(国際機関と人権に関する外交小委員会委員長)は、ブ
ッシュ政府が1年もかかった交渉期間中には議会に諮問することを拒否したこと
から、そのブリーフィングの前に、「後になっての思いつきで、侮辱している」
と批判した。
政府はこの協定は議会の承認を必要としないと言ってきた。協定を最終決定す
ることが急がれてきたが、国連決議にもとづく米軍の任務が12月31日に期限
切れになる前に、イラクの議員たちの承認も必要である。
イラクとの二国間協定に調印するより国連決議を更新すればよいとブッシュ大
統領に要請してきたデラハントは、米軍地位協定について8回の公聴会を開催し
た。
彼の話では、ブッシュ政府は「時期的に微妙」として、公聴会出席への招待を
断った。彼の小委員会で証言した専門家は、安保協定の非公式な英訳に頼ること
を強いられた。
「今でさえ、国家安全保障会議はこの文書を証人に提示せず、国民にも公表し
ないよう要求している。現在、信じがたいことに、イラク政府がその文書を報道
機関のウェブサイトに掲載させているのにである」とデラハント(民主党、マサ
チューセッツ選出)は指摘した。
彼が言及したのはイラクの政府系新聞『アル・サバフ』紙のことで、同紙に掲
載された協定のアラビア語文書が非公式の英文訳の原典である。
下院の外交院長であるハワード・バーマン議員(カリフォルニア選出、民主党
)は、「イラク国民に布告されている文書には、なにか変なところがあって、こ
の協定の英語版を配布することはできないと告げられている」と話した。
合同軍センター
非公式の版によると、アメリカとイラクは米軍のすべての攻撃作戦を監督・調
整するために合同委員会を設立することになっている。
翻訳された文書には、「この合意に準じて遂行されるすべての軍事作戦は、イ
ラク政府の同意を得て指揮されなければならない。この種の作戦は完全にイラク
当局との間で調整されなければならない」と書かれている。
カリフォルニア大学バークレー校の法学教授オーナ・ハサウェイは、協定は合
同委員会に米軍の作戦に関する運用指揮権を与えたみたいだと指摘した。もしそ
うなら、「前例のない特異なこと」であろう。
「大統領はみずから合意に踏み込むことができるが、この協定は大統領の独立
した憲法上の権力が及ばなくなる」とハサウェイは言った。
彼女が言うには、協定の合法性を脅かしているのは、その言葉遣いのあいまい
さから生じている。標準的な地位協定は数百ページに及ぶが、イラクとの協定は
わずか20ページかそこらだと彼女は述べた。
議論になっている米軍兵士に対するイラク側の犯罪訴追権について、非公式の
英語版には、「そのような犯罪が任務遂行中ではなく、また合意された施設(基
地など/訳注)の外で発生したとき」、イラクが訴追権を持つだろうと書かれて
いる。そこでは「任務遂行中」という言葉が定義されていない。
しかし、イラク軍に逮捕・拘束されたいかなる米軍兵士も、審理中は米軍の拘
束施設に入れられる、と協定は書いている。
将来においては、米軍はイラク側の承認なしにイラク人を逮捕できなくなり、
そのような被拘束者は24時間以内にイラク側当局に引き渡されなければならず
、その条件は軍事作戦を複雑にする可能性がある--元国務省の法律顧問ミッシ
ェル・マチソンが述べた。
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2008/11/21 (金)
[飛耳長目録 today's news list]
☆公表されない地位協定に米議員が疑義 2008/11/21
☆参考: アラビア語からの非公式英訳 アメリカ・イラク間の軍事協定
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☆★公表されない地位協定に米議員が疑義
イラク情勢ニュース 速報&コメント 11月21日
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イラク政府が閣議で米軍地位協定を承認したことから、その後のイラク議会は
紛糾のなかで休会になったものの、いずれ承認されるものと推測されている。正
式に発効されるまでには、大統領評議会(大統領と副大統領2人で構成。いずれ
も拒否権を持つ)の承認も得なければならない。ところでこの協定には秘密協定
があるというレポートを前に紹介したことがあるが、今の段階にいたるも公式の
英語版が公表されないという不可思議なことになっている。それも「秘密協定」
云々に関係しているのかもしれない。 以下、ロイターの報道から。
※米議員がブッシュを非難、イラクの協定には秘密がある
Lawmaker accuses Bush of secrecy over Iraq deal
Ross Colvin
http://www.reuters.com/article/newsOne/idUSTRE4AI8OT20081119
ロイター/11月19日、ワシントン発 -- 19日に議会の公聴会で明ら
かにされたが、イラクとの間で調印した安全保障協定の全文が既にイラクの新聞
に掲載されたにもかかわらず、アメリカ政府はこの協定を公開することを拒否し
ている。
ゲーツ国防長官とライス国務長官は、17日に調印された協定について米下院
議員に秘密のブリーフィングをおこなった。米軍のイラク撤退期限を2011年
とした協定のことである。
ビル・デラハント議員(国際機関と人権に関する外交小委員会委員長)は、ブ
ッシュ政府が1年もかかった交渉期間中には議会に諮問することを拒否したこと
から、そのブリーフィングの前に、「後になっての思いつきで、侮辱している」
と批判した。
政府はこの協定は議会の承認を必要としないと言ってきた。協定を最終決定す
ることが急がれてきたが、国連決議にもとづく米軍の任務が12月31日に期限
切れになる前に、イラクの議員たちの承認も必要である。
イラクとの二国間協定に調印するより国連決議を更新すればよいとブッシュ大
統領に要請してきたデラハントは、米軍地位協定について8回の公聴会を開催し
た。
彼の話では、ブッシュ政府は「時期的に微妙」として、公聴会出席への招待を
断った。彼の小委員会で証言した専門家は、安保協定の非公式な英訳に頼ること
を強いられた。
「今でさえ、国家安全保障会議はこの文書を証人に提示せず、国民にも公表し
ないよう要求している。現在、信じがたいことに、イラク政府がその文書を報道
機関のウェブサイトに掲載させているのにである」とデラハント(民主党、マサ
チューセッツ選出)は指摘した。
彼が言及したのはイラクの政府系新聞『アル・サバフ』紙のことで、同紙に掲
載された協定のアラビア語文書が非公式の英文訳の原典である。
下院の外交院長であるハワード・バーマン議員(カリフォルニア選出、民主党
)は、「イラク国民に布告されている文書には、なにか変なところがあって、こ
の協定の英語版を配布することはできないと告げられている」と話した。
合同軍センター
非公式の版によると、アメリカとイラクは米軍のすべての攻撃作戦を監督・調
整するために合同委員会を設立することになっている。
翻訳された文書には、「この合意に準じて遂行されるすべての軍事作戦は、イ
ラク政府の同意を得て指揮されなければならない。この種の作戦は完全にイラク
当局との間で調整されなければならない」と書かれている。
カリフォルニア大学バークレー校の法学教授オーナ・ハサウェイは、協定は合
同委員会に米軍の作戦に関する運用指揮権を与えたみたいだと指摘した。もしそ
うなら、「前例のない特異なこと」であろう。
「大統領はみずから合意に踏み込むことができるが、この協定は大統領の独立
した憲法上の権力が及ばなくなる」とハサウェイは言った。
彼女が言うには、協定の合法性を脅かしているのは、その言葉遣いのあいまい
さから生じている。標準的な地位協定は数百ページに及ぶが、イラクとの協定は
わずか20ページかそこらだと彼女は述べた。
議論になっている米軍兵士に対するイラク側の犯罪訴追権について、非公式の
英語版には、「そのような犯罪が任務遂行中ではなく、また合意された施設(基
地など/訳注)の外で発生したとき」、イラクが訴追権を持つだろうと書かれて
いる。そこでは「任務遂行中」という言葉が定義されていない。
しかし、イラク軍に逮捕・拘束されたいかなる米軍兵士も、審理中は米軍の拘
束施設に入れられる、と協定は書いている。
将来においては、米軍はイラク側の承認なしにイラク人を逮捕できなくなり、
そのような被拘束者は24時間以内にイラク側当局に引き渡されなければならず
、その条件は軍事作戦を複雑にする可能性がある--元国務省の法律顧問ミッシ
ェル・マチソンが述べた。