わたしの友人に、クラシック・ソプラノをやっているのがいる。
わたしたちは、そうべたべたつきあう時間がないので、普段は、互いに
何をやっているのか、わからない。
が、わたしが、ぐっすりと寝込んでいる真夜中、突如電話のベルが鳴る。
わたしは、はっしと起き上がり、ねぼけながら電話をにぎる。
電話のむこうで、彼女がいきなり言う
「あのね、今度、コンサートで歌う曲を選んでいるところなんだけど
この三曲のうちどれが一番いいか、聴いて意見言ってね」
彼女は電話の向こうで、いきなりグランド・ピアノを弾きながらソプラノを
はりあげて歌いだす。
「さあ、これが一曲目よ。次、二曲目歌いま~す」
また、高らかに、クラシック・ソプラノが電話のむこうで鳴り響く。
こうして三曲を歌い終わると、彼女は聞いてくる。
「どれが一番いいと思った?」
「忘れちゃった。だって、寝ぼけていたから。でも、今、やっと目が覚めたから、その三曲、もう一回歌って」
電話のむこうで、大きなため息。無言。
しかし、曲を選ばなければいけない。はっしと気をとりなおした彼女は、
また力をふりしぼって、三曲歌いなおす。
「どう、ちゃんと聴いた?どれが一番いいと思う?」
わたしは、一曲目をボツにする。
「どうして、だめだというの?」
「イタリア語で歌っているから」
「イアリア語で歌うと、一番はまる」
「あなたが、はまっても、こっちはしらける。なに言ってるのかわからないから」
わたしと彼女は、外国語で歌を歌うことに関してずっと意見対立している。
わたしたちは、そうべたべたつきあう時間がないので、普段は、互いに
何をやっているのか、わからない。
が、わたしが、ぐっすりと寝込んでいる真夜中、突如電話のベルが鳴る。
わたしは、はっしと起き上がり、ねぼけながら電話をにぎる。
電話のむこうで、彼女がいきなり言う
「あのね、今度、コンサートで歌う曲を選んでいるところなんだけど
この三曲のうちどれが一番いいか、聴いて意見言ってね」
彼女は電話の向こうで、いきなりグランド・ピアノを弾きながらソプラノを
はりあげて歌いだす。
「さあ、これが一曲目よ。次、二曲目歌いま~す」
また、高らかに、クラシック・ソプラノが電話のむこうで鳴り響く。
こうして三曲を歌い終わると、彼女は聞いてくる。
「どれが一番いいと思った?」
「忘れちゃった。だって、寝ぼけていたから。でも、今、やっと目が覚めたから、その三曲、もう一回歌って」
電話のむこうで、大きなため息。無言。
しかし、曲を選ばなければいけない。はっしと気をとりなおした彼女は、
また力をふりしぼって、三曲歌いなおす。
「どう、ちゃんと聴いた?どれが一番いいと思う?」
わたしは、一曲目をボツにする。
「どうして、だめだというの?」
「イタリア語で歌っているから」
「イアリア語で歌うと、一番はまる」
「あなたが、はまっても、こっちはしらける。なに言ってるのかわからないから」
わたしと彼女は、外国語で歌を歌うことに関してずっと意見対立している。