とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

「老い」生きることの意味

2006年03月20日 22時01分49秒 | 児童文学(絵本もふくむ)
「老い」をテーマにしたガブリエル・バンサンの大型絵本『老夫婦』をじっとながめる。
★シャンソン歌手ジャック・ブレルは歌う。
 「年老いたふたりには、いまはもう話すこともなく、ときおり、おたがいにそっと目をやるばかり。お金があろうとなかろうと、みじめさはかわりなく、もうゆめもなく、思いやりがあるばかり。.............」

★バンサンは友人に手紙を書く。
 「私は、絵を描いています。ずっとブレルを聴きながら、描いています。ブレル『老夫婦』というシャンソンを絵にする--というこの一連のデッサンの仕事は、とても順調に進めています。ブレルの歌を聴かずには、一筆たりとも描いたり塗ったりすることなどありません。...........ブレルのシャンソンの何がそんなに心をゆさぶるのでしょうか。教えてほしいものです。ブレルって、どんな人物なのか。.....」

★前書きを書かないクリスチャン・コンバは前書きを書く。
「....こんな表現をできる人は、生きることの何たるかをご存知だ、とすぐに気づきました。ぎりぎりの表現に到達することには、愛をこめた凝視が必須のこと。......................老いたものにとっての哀しみは、外見ばかりにこだわる世間が、老いを醜いとしていることなのに、あなたくらいデリケ-トに、老いという主題を扱えることのできる方はいないでしょう。本当に、この世での姿は老婦人であろうと、心の奥に秘めたもう一つの「現実」ではまだ10歳の少女なんですよね。 ....」

「老い」について、これ以上の言葉が要るだろうか?

「老い」をここまで愛をこめて凝視し、あますことなく描ききったデッサンが他にあるだろうか?

私も 人間というものを 愛をこめて凝視しつづけたいと思って生きてきました。
が、どこまで できるか.........自信がなくなってきています。
  

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