「老い」をテーマにしたガブリエル・バンサンの大型絵本『老夫婦』をじっとながめる。
★シャンソン歌手ジャック・ブレルは歌う。
「年老いたふたりには、いまはもう話すこともなく、ときおり、おたがいにそっと目をやるばかり。お金があろうとなかろうと、みじめさはかわりなく、もうゆめもなく、思いやりがあるばかり。.............」
★バンサンは友人に手紙を書く。
「私は、絵を描いています。ずっと . . . 本文を読む
どこかで、以下のような記事を読んだことがある。
★ 文章への恋
文章に恋をするということがある。文体に惹かれるとか、
レトリックに酔わされるといったものではない。その人
の文章の向こうから伝わってくる心の息吹のようなもの
に魅せられ、文字どおり恋をしてしまうのだ。
恋だから、相手は異性の場合が多い。同性だと、伝わって
くる心の息吹に官能の甘さを感じない。不思議だと思う。
たまさか同性の文章に恋を . . . 本文を読む
公園の高台のベンチにすわり 草のにおいをかぐ わたしは だまって 公園をみおろす わたしの目に 野球をする少年たち 散歩をする犬たち 運動のために 公園を歩く人たちがみえるしかし わたしは それらの風景のむこうに過去をみている かつて この公園で遊んでいた少年たち 散歩をしていた愛犬をわたしは 感慨深く 存在しつづける公園をみつづける 消えてしまった過去を みつづけ . . . 本文を読む
無邪気な小人は躍っていた
仲間に愛情を感じていた だから躍っていたんだ
小人めがけて飛んできたガラスのかけら
たおれた、そのとき はじめて小人は目が覚めた
小人はたおれたまま うめく
心臓から血が流れつづける 真っ赤な血が
世の中なんて こんなものさ
小人は うそぶいて 必死にたちあがる . . . 本文を読む
北風が吹きぬける冬 それは、あらゆるものが凍りつく季節 あらゆるものがじっと動かず春を待つ 寒さ 雪、世界が白で塗りつぶされる驚き 色が音が消える待ちこがれた春風、温かさが嬉しい、花が、花が、咲いてゆく。 太陽が勢いづいてゆく、空が青くなってゆく 色がもどってくる 葉っぱが木立が緑になってゆく さわやかな風、燃えあがる太陽、青い海 流れ浮く白い雲、 夏のた . . . 本文を読む