執行草舟のメッセージは:
人生としては失敗でも、人間としては完成を目指せ
だと理解できる。そう受け取っていい。いわば人格主義だ。
そもそも、人生で「成功」を目指すってのが間違いだ。
俗世で成功したいなんてチンケなことを考えてはいけない。
もっと大きな円を描け。壮大な志を抱け。
その全宇宙的な、少なくとも全地球的な壮大な夢に向かって、1ミリでも貢献して、前のめりで死ね。それが人生だ。
だから人生にそもそも成功なんてありえない。未完で死ぬのだ。
たとえば、世界平和を目指すとか。
たとえば、格差解消を目指すとか。
たとえば、完全なエコ実現を目指すとか。
独りでは、そして一生のうちでは、完全に成し遂げることは絶対にできない。
その「絶対にできない」ものへ挑め。ドン・キホーテになれ。未完で死ね。
だから、そもそも人生は失敗でいい。犬死にでいい。
でも、その過程で、人格を向上させよ。立派に生きよ。崇高に生きよ。魂を磨け。生命を燃やせ。
それでいいじゃないか。人生はそれ以上でもそれ以下でもない。
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ここまで言葉を補うと、冒頭で私が「人格主義」と書きましたが、やっぱり執行草舟の思想は単なる人格主義ではない。
いわば「未完主義」ですね。完全へ死ぬまで限りなく憧れよ。それが葉隠にいう「忍ぶ恋」だろう。
執行草舟のいう「忍ぶ恋」の意味が、私にもようやく腹落ちできるようになりました。永遠に、無限に、憧れと夢を抱いておけ。叶わぬ夢をひたすら追い続けよ。
それが人生だ。