川塵録

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弁護士は着手金をもらわないといけない

2024年10月31日 | 法律・海外法務
弁護士は着手金をもらわないといけない。改めてそう思う。

え、タダで、手弁当でやってくれる弁護士の方が、依頼者目線だとやさしくていいよね、って思うのではないでしょうか。

たしかにそういう側面もあろう。

しかし。

私は昔、新人弁護士時代、先輩弁護士から「どんな案件(友人からの案件)でも、しっかり着手金を取りなさい」と言われました。

それは、「お金をしっかりいただくことで、プロとしての自覚が出てきて、丁寧な仕事になる」という文脈でした。

弁護士になって20年目、ほんとうにそう思います。いい先輩に巡り合って幸せでした。

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最近、もう一つの別の文脈・ロジックから、「弁護士はしっかり着手金を頂戴するべき」と思っています。

それは、霊感弁連に出会ったからです。

(ネオ)霊感弁連は、安倍元首相事件後、多くの「被害者」を発掘してきて、総額53億円の「集団交渉の調停」をしています。この調停について、おそらく基準の着手金を(ほとんど)もらわず、成功報酬を多めにしているはずです。

各人の請求額に基づき仔細に精査していませんが、仮に一般的な基準をもとに着手金を計算すると、弁連さんはすでに2億円の着手金を受領しています。

この2億円に満たない、5000万円か1億円くらいの着手金を弁連さんは受領しているはずです。もしかしたらもっと低いかもしれません。

仮にそう(一般の基準よりだいぶ着手金しか受領していない)だとして、弁護士倫理には抵触しないと思いますが、これはあまり誉められた/推奨できるオペレーションではありません。

なぜなら、仮に、依頼者がタダで(着手金なく)依頼できるとすると、

 → 依頼のハードルが下がる
 → 弁連の言いなり(=弁連が書いたナラティブに基づく)の法的手続開始が容易 
 → 弁連のプロパガンダ・社会運動に「利用される」

というロジックが成り立つからです。

弁連さんが、結成から2年近く経って、証拠を一つも出していないことや、家庭連合側の主張に反論できていないなどから、私は、弁連さんは、「被害」アピールの「プロパガンダ」としてこの「集団交渉の調停」という手段を取っていると踏んでいます。

ほんとうに被害者のことを考えれば、集団交渉する必要はないからです。
ほんとうに被害者のことを考えれば、調停なんかしないで提訴した方がいいからです。

実際、ネオ霊感弁連による「集団交渉の調停」から抜け出して、個別交渉をして解決に至っている方もいらっしゃるようです。

このように、弁連さんのやっていることから学んだのですが、「弁護士主導の社会運動・プロパガンダに利用されない/そういう運動を抑止する」ためにも、弁護士が裁判活動をするときには、着手金を僅少でもしっかり依頼者からもらうべき、と思っています。
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