昨日の夜は清水義範の小説『上野介の忠臣蔵』を読み返しておりました。
主人公は吉良上野介。忠臣蔵を本来悪役の吉良上野介側から見た物語です。
ひねくれ者の私はこの手の従来のお話を覆すような物語は大好きです。
忠臣蔵の元となった出来事は、歌舞伎で物語として人名や時代を変えたうえで再解釈をされたのですが、そこから再び元の名前と時代に戻って語られるようになった。だから忠臣蔵という物語はステレオタイプになっているのかもしんない。
吉良上野介は古典的な忠臣蔵では(実際はどんな人だったかは関係なく)悪役にならなくては物語が成立しない。不幸な人なのかも。死んでなお悪く言われ続けるのだから。
でもまあ、忠臣蔵も物語なのだから、吉良上野介はその中に出てくるキャラクターであると考えることもできる。
実在した上野介とは関係ない忠臣蔵の中の登場人物。でもそう考えても嫌だろなぁ。
すっきりとした文章で読みやすく、面白かったです。