昨日の夜は、米原万里の小説『オリガ・モリソヴナの反語法』を読んでおりました。
舞台は、ソ連崩壊直後のロシア。
子供の頃に留学生として1960年代のプラハでソビエト学校に通っていた主人公は、30数年後のソ連崩壊直後のロシアで、プラハ・ソビエト学校にいた個性的で魅力的で謎に満ちた舞踊教師オリガ・モリソヴナの半生を追う。
天才ダンサーの数奇な人生とは?
スターリン時代をオリガ・モリソヴナはどうやって生き抜いたのか?
お、面白い……。
冒頭の女教師のオリガ・モリソヴナの強烈なキャラクターに一気に引き込まれてしまう……。
こんな恐ろしくて奇妙で面白い教師がいたら、学校に行くのは楽しいだろうなぁ……。
そんな魅力的な教師の謎。少女時代に解けなかったその謎を主人公が追っかけていると、謎が謎を呼ぶ展開。
ソビエトの権力者達の権力闘争と粛清の嵐。その中でとばっちりを受けて犠牲になる民衆。
話がぐるぐる転換する。約八十年のロングスパンを一気に駆け巡る。
重厚でキツイ話と軽妙で笑ってしまう話と爽やかで心温まる話が絶妙のバランスで進んでいく……。
スターリン時代のソビエトを綿密な調査を基に描いた涙と笑いの物語。
とても面白かったです。
私の中では、ここ最近で読んだ小説の中ではベストかもしんない。