昨日の夜は、森見登美彦編『奇想と微笑―太宰治傑作選』を読んでいました。
森見登美彦氏が「ヘンテコであること」「愉快であること」を主眼に選んだ十九編の太宰治の作品集です。
太宰治の小説は今迄ほとんど読んだことがなかったデス。教科書で「走れメロス」を読んだくらいだったかな。
冒頭の「失敗園」で吃驚する。庭の植物達を擬人化した物語。面白い~!!
「貨幣」も擬人化もの。百円紙幣が喋りだす!! 百円紙幣が我が身を嘆いて愚痴を言う!! 面白いっす。
太宰治がこんなユーモア溢れる小説を書いていたとは。今まで知りませんでした。
太宰治の小説は勝手に暗く沈んだ陰鬱な小説と思い込んでた。読まずに決め付けるのはよくないですね。
「この本は、太宰治にも奇想天外で愉快な作品があるよ、ということを、特に若い読者に知らせる本である」と編集後記に書いた森見登美彦の思惑にまんまと乗せられてしまいました。嬉しい発見でありました。