桜庭一樹には白い桜庭一樹とピンクの桜庭一樹と黒い桜庭一樹がいて、白とピンクと黒の桜庭一樹が共同で作品を書いている-と(勝手に)想像して遊んでいる。
昨日の夜は、桜庭一樹の小説『荒野』を読み返していました。
読んでいたのは文庫版のほうで三冊に分割されていました。三冊一気読みでありました。
白い桜庭一樹に可愛らしいピンクの桜庭(少女)一樹が時々顔を覘かせ、黒くて恐ろしいダークサイドの桜庭一樹が顔を出しそうで出さなかったお話でありました。初読みの時は、黒くて恐ろしいダークサイドの桜庭一樹がまぢで怖くてもしかしてこの作品にも出てくるのではと読み終わるまでドキドキでありましたよ。
主人公の少女・山野内荒野は小説家の父親と暮らしている。
自堕落で女誑しの父親の大人な恋愛騒動に巻き込まれたり、自身の恋心の芽生えに戸惑ったり……。
文庫版では一巻目の副題が「12歳 ぼくの小さな黒猫ちゃん」、二巻目の副題が「14歳 勝ち猫、負け猫」、三巻目の副題が「16歳 恋しらぬ猫のふり」でありました。
思春期の少女の成長を描いた爽やかで可愛らしい物語です。
面白かったですよ。
黒桜庭の作品を読んで桜庭一樹の作品を苦手に思ったお方、『荒野』では黒桜庭は出ないので御安心してお読み下さいませ。