昨日の夜は、篠崎紘一の小説『言霊 大伴家持伝』を読んでいました。
大和朝廷以来の武門の家・大伴氏。
大伴氏の氏上である家持は無き父・旅人が発案した古事記・日本書紀の神典と並ぶ国書としての大和歌集を完成させる事業を受け継ぐことになる。
それは、武の力だけではなく文化の力・言霊で世を鎮め、庶民の声を為政者に届けて為政者に道を説く試みであった……。
物語は奈良時代から平安時代の狭間。
朝廷内では凄まじい権力闘争が繰り返し行われていて大伴家持も否応無しに権力闘争に巻き込まれていきます。
当時の死生観や自然観や精神世界が描かれていて面白い、のですが私の好みからすると怪異譚を直接的に描きすぎ。
当時の人達が信じていただろうことと実際に起こったことをごっちゃに書いてもよいけど、小説としての立ち位置は中途半端な気がする。
面白かったですよ。でももっと面白くできたような気がする。
でもそれは私の好みの問題かもしんない。