以下の文は、現代ビジネスの山根 一眞氏の『コロナ「感染拡大のおそれはとても小さい」大御所がパニックを叱る! 過剰反応を広めた「2つの誤算」とは』と題した記事(前後編)の転載であります。
前編 『コロナ「感染拡大のおそれはとても小さい」大御所がパニックを叱る! 過剰反応を広めた「2つの誤算」とは』
新型コロナウイルスの脅威を報じるニュースが後を絶たない。だが、私たちは本当にそれほどこの事態を恐れるべきなのだろうか。
何か根本から誤解しているのではないか。
ノンフィクション作家・山根一眞氏が、呼吸器ウイルス感染症の大御所を直撃。
すると今回のウイルスは「弱い」という衝撃的な事実が判明した!
新型コロナ肺炎の不思議
2019年末、中国・武漢に発したコロナウイルスによる肺炎は、新型コロナウイルス、武漢肺炎、新型肺炎など呼称も定まらないままだったが、2020年2月12日、WHO(世界保健機関)はやっと「COVID-19」と命名した。
大きな混乱が続いているこの「COVID-19」、「なぜ?」と思うことが多々ある。
2月8日には武漢で新型肺炎の疑いで入院していた日本人男性の死亡が報じられたものの(新型コロナウイルスかどうかの検査結果は未確定なままだったという)、日本で確認された感染者およそ200人のうち重症で治療を受けている方はごくわずかにすぎない(厚労省)。
感染したものの肺炎を起こす人の数は、なぜ少ないのか。
約3700人の乗客・乗員が閉じ込められたままのクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、検査が進むにつれて乗員・乗客の感染者数が少しずつ増えており174人の感染を確認(厚労省)、病院に搬送された重症者は4人と伝えられている(2月12日)。
だがやはり、感染しても発症しない方が圧倒的だ。
感染しても必ずしも肺炎を起こすわけではないのはなぜなのか。
一連のコロナウイルスに対する社会的不安の拡大は、どこか間違った認識が恐怖を拡大させているのではないか。
感染性が強いウイルスによる呼吸器感染症の代表はインフルエンザだが、その年間死亡者数は世界で約25万~50万人。
日本では年間、実に約1000万人が感染し、インフルエンザが死因の引き金となった人(「超過死亡」と呼ぶ)も含めれば推定死者約1万人にのぼる(厚生労働省)。
新型コロナウイルスとは比べることもできないほど大変な事態が毎年発生しているのだ。
折しも、アメリカでは今、インフルエンザが猛威をふるっており、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、この冬のシーズンの患者数は2200万人、21万人が入院し、推定死者は1万2000人と公表したばかりだ(2月9日)。
同じ呼吸器感染を起こすウイルスにもかかわらず、日本だけでも死者1万人を数えるインフルエンザに対して社会的なパニックは起こっていないのに、新型コロナウイスルへの社会的恐怖感はなぜこれほど突出してしまったのか。
それに答える報道もない。
世界に広がった過剰反応
だが、その答えを持っているはずの専門家がいる。
1990年代初頭から何度も意見を聞いてきた元・国立予防衛生研究所(現・国立感染症研究所)、呼吸器系ウイルス研究室長の根路銘(ねろめ)国昭さんだ。
現在は生物資源研究所(沖縄県名護市)所長を務める。
根路銘さんは、WHO(世界保健機関)インフルエンザ・呼吸器ウイルス協力センター長として、ウイルスによる呼吸器感染症の拡大を防ぐ闘いを続けてきた経験もある。
その一例が、1997年、香港で発生した新型インフルエンザ(鳥インフルエンザ)だ。
この年の5月、第一号の患者が死亡、ニワトリの市場で新型のインフルエンザウイルスが発見されたが、10月には勢いを増し18名の「ヒト」に感染、6名が死亡した(死亡率33%)。
根路銘さんらWHOの専門家が、「全世界で2億人以上の死亡者が出る」と予測する危機だった。
そこで香港政庁(当時)は飼育中のニワトリ145万羽を一夜で殺傷処分する大英断に踏み切り、大流行を食い止めることに成功した。
その殺処分を強硬に進言したのが根路銘さんだった。
その根路銘さんはすでに80歳。
話を聞くのは11年ぶりだったが、変わらぬかくしゃくたる口調で、怒りも込めて新型コロナウイルスの対応について語ってくれた。
初期対応、2つの大きな誤算
山根 新型コロナウイルス、現状をどう見ていますか?
根路銘 発生地の中国・武漢ではパニック状態となり、その過剰反応が世界に広がってしまったが、その責任は中国にあります。
中国にはコロナウイルスによる呼吸器感染に対して認識深い人がいないからです。
2003年、同じコロナウイルスによるSARS(重症急性呼吸器症候群)の発生時、中国は患者発生数を減らした嘘の報告を行ったんです。
それに対して諸外国から大きな批判を受けました。
今回、その汚点挽回を意識したのか、初動段階で、コロナウイルス由来ではない肺炎様患者をもコロナウイルス感染患者に含めて報告した可能性がある。
この誤算の数字が雪だるま式にふくれ上がったと、私はみています。
山根 中国の対応の悪さがパニックを引き起こした?
根路銘 そうです。
第二の大きな誤算は、コロナウイルスの感染者や肺炎患者を病院に集め隔離し、密閉した部屋に閉じ込めたことです。
その密閉空間でさらに新しい患者を、いわばどんどん培養してしまったんです。
患者を収容した隔離病棟の窓を開けて、コロナウイルスを天空へ、「鬼は外!」と追い払っていたら、患者数の増加を防ぎ、減らすことができたはずなんです。
「鬼は外!」については、後で話しましょう。
根路銘 さらに問題点をあげるとすれば、中国の医療専門家はウイルスによる呼吸器感染症がどう広がっていくのかという「疫学」を知らない。
アメリカ留学で学んだ人が大半だからでしょう。
ウイルスの遺伝情報やミクロのメカニズムには詳しくても、ウイルスが起こす「病気」、その感染がどういう環境でどういう条件で拡散していくのかの「疫学」をきちんと学んでいないし経験も乏しい印象です。
それが過剰な不安を世界に拡大させてしまったんです。
山根 世界での感染者数は約3万人で死亡者数は約600人(2月7日現在)です。
根路銘 これらの数字も怪しい。
ちゃんとした遺伝子診断キットを使い、新型コロナウイルスと特定した患者なのか、疑わしい。
もし、新型コロナウイルスが本当に人々が恐れているような強い感染力を持っていれば、世界ですでに数百万人が肺炎で亡くなっていておかしくない。
世界では、毎年インフルエンザで25万~50万人が亡くなっている。
新型コロナウイルスは、毎年膨大な犠牲者を出しているインフルエンザのウイルスに比べればはるかに感染力が弱い。
この程度の被害者数で、国境を閉ざし、交通網も遮断するようでは、横綱級の新型インフルエンザが発生し、感染者数百万人、死者数十万人という事態になったら世界はたちまち崩壊してしまうのではないですか。
多くの方が、根拠が不確かな怪しい数字に踊らされていると思わざるを得ません。
1メートルも飛べば死ぬウイルス
山根 それは、思いもよらない指摘。
根路銘 コロナウイルスは鼻かぜなどふつうのかぜの原因でもあるので、毎年、多くの人が感染しているが、インフルエンザのように重篤な肺炎を起こすことは少ないでしょう。
新型コロナウイルスは変異によって感染力が強くなってはいるものの、インフルエンザと比べれば、抑え込むことは比較的容易なんです。
山根 日本では、検査によって「感染者」とされても、肺炎を起こした人がほとんどいないのはそのため?
根路銘 コロナウイルスはまず上気道にとりつき少し増えるが、潜伏期は3~4日。
初期症状はあまり出ません。
この段階で終息するのが鼻かぜです。
人によってはウイルスが肺胞細胞にとりついて増殖し呼吸困難を起こす、これが肺炎です。
この感染パターンは、子供に重篤な肺炎を起こすRSウイルス感染症にとてもよく似ています。
そういう意味では「新型コロナウイルスによる新型肺炎」と呼ぶのは正しいが、咳や痰で排出するウイルスは多くはないんです。
山根 感染者の咳や痰に混じって飛散するウイルスへの恐怖が広がっていますが。
根路銘 コロナウイルスは咳や痰で飛び出しても1メートルを超えれば死滅します。
感染者の近くで咳や痰を受ければ、小さな粒子となった飛沫(飛沫核と呼ぶ)を受けて感染するおそれはありますが、インフルエンザのように1回の咳で1万個以上のウイルスが死ぬことなく長時間浮遊し続け10メートル以内のほとんどの人を感染させる「空気感染」は起こらないんですよ。
新型インフルエンザでは、1人の発病者が搭乗した航空機内で40人が感染し、重度の肺炎になったケースがありました。
CDC(米疾病対策センター)が報告している有名な「航空機事件」ですが、これも「空気感染」ゆえです。
一方のコロナウイルスは「飛沫核感染」しかしないので、感染者がしっかりとマスクをしていれば感染拡大のおそれはとても小さい。
これがコロナウイルスというものなんですよ。
米国では、SARSのコロナウイルスの感染力を調べるため、ボランティアによる人体実験を行ったことがあるんですが、驚いたことに30%は感染しなかった。
また感染した人の50%は上気道感染のみで肺炎には至らず、症状も軽いことが確かめられています。
つまり、呼吸器感染症では、インフルエンザウイルスは横綱級、コロナウイルスは関脇以下程度だと私は言っているんです。
強い危機宣言をしないWHOに対して、トップの辞任要求の動きが広がっていて、それに乗じた著名人すら出ていますが、WHOの認識は正しいんです。
観光バス内で運転手さんとガイドさんが感染したと報じられましたね。
もし、インフルエンザウイルスのような強い「空気感染力」があれば、バスの乗客の大半も感染したはずです。
2人だけだったのは「弱い」コロナウイルスゆえなんですよ。
すでに対応策は存在していた
2003年にコロナウイルスによるSARSが流行したとき、CDCは根路銘さんにワクチンの開発を要請、ワクチン開発用のSARSウイルスも送られてきたという。
だが根路銘さんは、すでに試験用ワクチンも作っていた。
新型コロナウイルスによる新たな感染拡大が起こるのではと予想していたからだったという。
根路銘さんが主張するコロナウイルスの弱点と対応策は、2003年にアジアで発生した、新型コロナウイルスによるSARSを抑え込むことに成功したベトナム、ハノイの病院での経験があったからでもある。
後編 『コロナウイルス感染拡大は「3月までに終結」と大御所が断言する理由 「1%の界面活性剤」噴霧で殺せます』
コロナウイルスでインフルエンザ?
新型コロナウイルスに関する情報があふれているが、専門家ではない人たちの憶測や誤った情報も多く混じっている。
ワイドショーの看板である某司会者が、「コロナウイルスに感染して肺に入り、インフルエンザが発症した時に……」と口にした。
ニュース番組を仕切る者ですら、インフルエンザとコロナ肺炎の違いがわからないのだから、情報が混乱しているのは当然だろう(いずれも呼吸器感染症だが、発症原因のウイルスがまったく違う)。
そこで、インフルエンザやコロナウイルスによるSARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)との闘いを経験してきたウイルス呼吸器感染症の大御所、根路銘国昭さんに、何が正しい情報かを聞いたインタビューの後編をお届けする。
ハクビシンもコウモリも被害者
山根 2020年2月3日、上海公衆衛生臨床センターや復旦大学公衆衛生学部などが科学誌「nature」に、重度の呼吸症候群を発症した武漢の食品市場就労者から得たコロナウイルスのゲノム(RNA遺伝子、2万9903ヌクレオチド)の解析結果を論文にして発表しましたね。
以前に中国のコウモリで確認されたSARS様コロナウイルスと、89.1%の共通点があったという内容です。
このニュースを受けて、SNSでは「コウモリを食べたから感染が広がったんだ」と書く者も出ました。
根路銘 コウモリはコロナウイルスを媒介しているにすぎず、新型コロナウイルスの元の宿主は他の野生動物です。
2003年12月、コロナウイルスによるSARSの感染拡大時、中国当局はハクビシン(ジャコウネコ科)にSARSウイルスとほぼ同じウイルスが見つかったとして、広東省の食品市場などでのハクビシンの殺傷を実行しています。
たまたま、ヒトに感染したSARSウイルスの塩基(遺伝情報を担う化学物質)数が、ハクビシに感染したコロナウイルスと29違うだけでとても似ていたんです。
しかし、ハクビシンにSARSウイルスが入ったのはごく数年前のことで、SARSはハクビシンから始まったものではなかったようです。
これらのウイルスは、何らかの動物に長い時間潜み続け、出撃の準備(変異)を整えて、動物やヒトへの感染を開始するものなんです。
科学誌「nature」には、最近まで人間に流行してきたウイルスを、たった1mmほどの小さな昆虫が多く保存していることを明らかにした論文が発表されています。
ウイルスはこうやって生物の中に潜み、何らかの意志をもって自らの生き残り策を考えているとしか思えない。
私たちは、数十億年の進化の歴史を辿ってきたウイルスのことを、まだほんの一部しか理解していないんです。
感染者の閉じ込めはウイルス培養と同じだ
山根 武漢では、感染を拡げないために感染者や肺炎を発症した患者を病院の隔離病棟に閉じ込める策をとってきましたが、効果は期待できますか?
根路銘 いや、閉鎖した空間、隔離病棟に閉じ込めたのは大きなミスです。
閉鎖した空間に感染者や発症者を閉じ込めるのでは、ウイルスを培養しているのに等しい。
これは、大きな間違いです。
2月7日、武漢大学中南医院の医療チーム14人が連名で、米医学雑誌「JAMA」のオンライン版に、「40人の医療専門家と17人の入院患者は院内感染が疑われる」という正直な報告を投稿しましたね。
閉鎖した病院が爆発的な感染の元になったことを物語っています。
私が早くから指摘していた通りでした。
山根 病院では、院内感染を防ぐためにどういう対処をすべきだった?
根路銘 病院の窓を全部開け放ち、扇風機でも使って室内の空気を外に排出し、ウイルスを追い出せばよかった。
窓を開けて「鬼は外!」が最良の方策だったんです。
空気中に長時間浮遊し「空気感染」するインフルエンザウイルスと違い、コロナウイルスは「飛沫感染」しかしない。
しかもコロナウイルスは、空気中で1~2メートルも飛べば死滅します。
2003年、SARSが大きな流行を見せたベトナム・ハノイの病院では、病院の窓という窓を開け放ち、扇風機で室内の空気を外へ送り出し、SARSウイルスを空へ放つという思い切った方策をとりました。
これによりベトナムは流行終結宣言を出せたんです。
実に敬服すべき措置でした。
香港では、高層ビル内のエレベーターが、SARS感染者のウイルスを複数の人に拡散させる「スーパー・スプレッダー」となり大流行が起こったんですが、これはベトナムでウイルスを「鬼は外!」で克服したサクセスストーリーとは対象的でした。
SARSを克服したハノイのB病院
根路銘 この意外だが思い切ったコロナウイルスとの戦い方は、2004年2月、重要な教訓として米国の国立生物工学情報センターに記録されました(「Lack of SARS Transmission among Public Hospital Workers, Vietnam」)。
それには、SARSを克服できなかったA病院と克服したB病院の対応の違いとして、「A病院は空調のある狭い病室に感染者を閉じ込めていたが、B病院のSARS隔離病棟は高い天井と天井扇風機を備えた大きく広々とした部屋で、通風のために窓を大きく開いておくよう指示をしていた」と記録しているんです。
これまでのウイルスによる呼吸器感染症では、病院が感染拡大の元となったケースが少なくないという教訓も忘れてはいけません。
クルーズ船は窓を開け放つべきだ
山根 感染者が確認されたクルーズ船内では、3000人以上の乗客は下船できず、しかも船室からも出ないようにと言われていると伝えられています。
根路銘 それは間違いです。
クルーズ船をウイルス培養装置にしてはいけません。
感染者を閉鎖空間に閉じ込めておくのでは、武漢の病院やSARSの時のベトナムのA病院と同じにならないかと心配です。
ウイルスの多くは、外殻(エンベロープ)に覆われたボール状で、外側にトゲ(スパイクタンパク質)をたくさん備えています。
コロナウイルスでは、トゲのタンパク質が健康な細胞の表面の受容体(レセプター)にとりつき、そこから細胞内に侵入します。
ひとたび侵入したあとは、増殖するためRNA(生命設計図)を駆使して細胞内の材料で自らのコピーを大量に生産、それらが細胞の外に出てさらなる増殖へと拡大を続けます。
ところがコロナウイルスの「トゲ」は脆弱で、空気中では脱げてしまうんですよ。
そのため、咳や痰で排出した飛沫に含まれるコロナウイルスは、1メートルも飛べば死滅してしまうわけです。
私は以前、コロナウイルスのトゲの正常な整然とした姿をとらえようと、電子顕微鏡での撮影を試みたものの、とても苦労した経験があるんです。
きれいに精製したコロナウイルスを電子顕微鏡で見たところ、エンベロープは大部分がまる裸になり、トゲが欠失していたからです。
あのトゲは、ウイルスが備える攻撃用の武器ですが、コロナウイルスではとても壊れやすい。
私が、ベトナムのB病院の教訓に学び、「空気中に出たウイルスは窓を開け放って外へ追い出せ」と言っているのは、そういう敵の弱点をつけということです。
クルーズ船も窓をできるだけ開けることですよ。
感染拡大は2月末~3月に終結する
山根 室内で、空気中に出たウイルスを殺す方法は?
根路銘 コロナウイルスは壊れやすいので、1%の界面活性剤を噴霧するだけで殺せます。
特別な消毒剤がなくても、水にごくごくわずかな家庭用の洗剤や石けんを溶かしたもの使うのでも効果があります。
また手洗いでは、水だけで洗うのでは十分ではないので、石けんを使うことです。
石けんはウイルスを作っている膜を溶かしますから。
コロナウイルスは感染力が強いインフルエンザウイルスよりは御しやすいので、感染者、肺炎発症者に近づく時はマスクをするなどを心がければ、いずれ終息します。
山根 感染拡大はいつまで続きますか?
根路銘 テレビで4月、5月にさらに感染が広がるおそれがあると発言している人がいて唖然としました。
コロナウイルスは気温が上がると生きていけないんです。
もともと冬の寒い季節に活発になる風邪のウイルスなので、2月末から3月に入れば自然に終息すると私は見ています。
正しい知恵と対処法をもって向き合あえば、あと1ヵ月で終息するはずです。
恐怖を煽りたてることをやめ、落ち着いて対処してほしいと願うばかりです。
沖縄自生植物がウイルスを殺菌する
山根 根路銘さんは、沖縄に自生する植物、センダンにインフルエンザウイルスを死滅させる効果があることを発見、以前から数多くの論文を発表。
製品化も進めていると聞いていますが。
根路銘 センダンはインドでは薬用植物「ニーム」としてよく知られている植物ですが、沖縄には多く自生しています。
長年にわたりインフルエンザウイルスと戦ってきましたが、感染拡大のためとはいえ、感染した鳥や動物を何万と殺傷する方法はしのびない。
そんなことをせずにすむ効果的なウイルス殺菌方法はないかと、故郷の沖縄に戻ってから研究所を創立、探ってきて到達したのがセンダンによる予防、殺菌方法です。
1月8日に東京でセンダンをテーマにした「インフルエンザ消毒液セミナー」を開催したばかりです。
センダンは、外殻(エンベロープ)を持つウイルスが健康な細胞に吸着する時に働くHA(ヘマルグリチニン)と、細胞内で増殖したウイルスが殻の外に出て離脱すると時に働くNA(ノイラミニダーゼ)という両方のタンパク質を切断する機能があることを解明できました。
そのため、同じ外殻を持ち、HAやNAを持つSARSウイルスやコロナウイルスの消毒液としても利用できるのでは、と考えています。
※記事内「コロナウイルスは「飛沫核感染」しかしない」は、正しくは「コロナウイルスは「飛沫感染」しかしない」でした。訂正してお詫びいたします(2020年2月18日)
転載終わり。