舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

劇団ハンニャーズ『モノキリガタリ』を観劇したので感想を書いていきます!

2016-10-03 20:31:52 | Weblog


はい、前の記事でも書きましたが、最近の思い出でまだブログに書いてないものを、どんどん更新していこうと思います!
と言うわけで、まずは劇団ハンニャーズ「モノキリガタリ」の感想を書いていきます!

劇団ハンニャーズ「モノキリガタリ」は、9/17~24に月潟稽古場で行われた公演です。
僕は9/19(月)に観に行って来ました。

と言う訳で、「モノキリガタリ」の感想、あんまり時間がないので手短に行きます!
それでは、どうぞ!





と言いつつ、「モノキリガタリ」の感想を書いていく前に、俺が観劇前にハンニャーズという劇団に対して持っていた印象を書かせてください。
さっそく手短じゃないぞ!

えーっと、俺がこれまで観てきたハンニャーズの作品のほとんどは、「ウルトラリップス」シリーズです。
そもそも最初に観たハンニャーズは2011年のコント公演で、続けて2012年に演劇公演「ゴールデンハンモック」を観ていたんですが、その時点ではまだそこまで思い入れがある劇団ではありませんでした。

そして、2013年に観た「ウルトラリップス」は、最初はそこまで好きではなかったのですが、何故か嫌いにもなれず、観劇後に少しずつ愛着を持っていってしまったという不思議な作品です。
特に、最初の続編「ウルトラリップスⅡ」を観た時は「またあのキャラクター達に会えた!」という感動があった気がします。

このように、僕にとって「ウルトラリップス」シリーズは、観続ける中で徐々に好きになっていったシリーズであり、それと同時にハンニャーズという劇団も好きになっていきました。
実際、「ウルトラリップスシリーズ」はシリーズを重ねる毎に徐々に面白くなっていったシリーズだと思います。

面白くなっていったというのは、個人的な思い入れももちろんありますが、単純にストーリーや演出のクオリティが上がっていっていると思います。
特に、2014年に月潟稽古場が劇場として完成してからの「ウルトラリップス0」以降のシリーズでは、演出の自由度がぐっと上がって、作品全体の面白さもかなりパワーアップした印象があります。

個人的には、2015年の「ウルトラリップスZ」は最高に大好きですし、また、2015年は「ウルトラリップスZ」「ウルトラリップスⅢ」「ウルトラリップスI[aI]」の3作はどれも面白かったです。
あと、今年観劇した「メガミノコンセント」も面白かったです。(過去の再演らしいですね。ナンセンスコメディ、笑いました。)



と言う理由で、劇団ハンニャーズという劇団は去年で結成20周年の劇団なんですけど、ここにきてかなり成長している劇団なのではないだろうか、という印象を持っていました。(いや、ここ3年くらいしか見ていない俺が言うのも変な話ですが。)
そんな中で、今回はウルトラリップスシリーズとはまったく違う新しい作品ということで、一体どうなるのだろうか…?という期待を持っていました。

実を言うと、今回の「モノキリガタリ」のチラシに載っていたあらすじを読んだ時点での印象は、結構ウルトラリップスと似てる作品になるんじゃないだろうかと思っていました。
と言うのは、中嶋さんがウルトラリップスのシリーズでやってきた、ダークファンタジーな物語をミステリーとして解いていく、という流れを、ウルトラリップスとは違う設定の中で新しく行おうとしているように思え、だから中嶋さんの得意分野で結構期待できそうだぞと思いました。

ちなみに、モノキリガタリのあらすじはここから読めるよ!
http://hannyas.hanamizake.com/ura.html



そんなことを考えながら観劇した「モノキリガタリ」は、果たしてどうだったのか…!?
はい、ここまで前置きです!全然手身近じゃねえな!長かったけどここからいよいよ感想だよ!





えーっと、「モノキリガタリ」の感想、アンケートにも書いたことなので正直に言いますと、一番思ったことは、物語が飲み込みづらかったことです。
いや、とは言え面白かったところはたくさんあるし、嫌いな作品では決してないんですけど、単純に、ストーリーが分かりにくかったと思います。

考えてみれば、今までのウルトラリップスはシリーズものなので、過去の作品を見て設定さえ理解していれば、新しい作品を見たときもそのストーリーをすんなり受け入れらてきたんだなあ、ということに気付かされました。
しかし今回は新作なので、物語の設定を0から説明していくのって、当たり前だけどやっぱり難しいんだなあ、などということを、あらためて考えさせられました。

分かりにくかった理由は、台詞の言い回しが独特だったからそっちに気を取られたとか、人物関係がわりと複雑だったからそれを考えている間にストーリーがどんどん進んでしまったとか、色々ある気がします。
そして、なんとなくこういう設定かな…ってのが分かった頃にはクライマックスになってしまっていた、という印象でした。

クライマックスでは、色んな過去の謎が明らかになり、今回の事件の真相も明らかになり、そのとき彼らの取った行動とは!?みたいなことが一気に起こって、やっぱりウルトラリップスみたいな展開だなって思いました。
いや、それ自体が悪いとは全然思っていないのですが、やっぱり思ってしまったのは、ウルトラリップスシリーズに比べて盛り上がりに欠けるなあということです。

ウルトラリップスシリーズのクライマックスでは、まずミステリーとしての謎解きの快感があり、さらにそこから演出や役者さんの演技であっと驚かせるような展開がすごく好きでした。
しかし、今回「モノキリガタリ」は何しろ物語が飲み込みづらかったので、謎解きの快感がちょっと弱かったなあ、そこはやっぱりすごく勿体ないよなあ、って思いました。



しかし!しかしである!じゃあ、俺がこの「モノキリガタリ」という演劇を嫌いなのかと言うと、決してそんなことはないのである!
何故なら、さっきも言いましたが、面白いところはたくさんある演劇なのである!

まず、役者さんたちは皆さんいい演劇していたと思います。
また、そんな役者さんを活かす演出も手が込んでいて良かったです。

役者さんで一番好きだったのは、祐天を演じた山田さんです。
あの、すごく達観してるっぽくて格好いいけど絶対過去になんかあるんだろうな…寧ろ、過去になんかあったからこそ達観してるんだろうな…っていうのが、余計な説明がなくても伝わってくる演技は、本当に素晴らしかったと思います!

一番好きだったシーンは、ひなたさんが傘音という役で登場するシーンです。
あの絶妙すぎる表情、なんじゃこりゃああ気持ち悪うう!!(褒めてる)っていう不気味さ、個人的に一番のヒットです!

ウルトラリップスZの風間愛恵さんが幽霊役で登場した時の感動に近いなあと思いました。
こういう、人ならざるものをちゃんと人ならざるものに見えるように演じるのって物凄く難しいと思うんですけど、ハンニャーズはこういうの本当に上手いなー!って感動しました。

また、久世を演じたげんぱさんの死に際のシーンは、げんぱさんの鬼気迫った演技に加えて、白い幕の後ろで最期の叫びを上げるげんぱさんのシルエットが幕に写るという演出も格好良かったです。
なんとなく俺は、横溝正史の「犬神家の一族」の真犯人の最期みたいに思えて、迫力あるなー!って思いました。

そしてやっぱり、謎の人物でありながら事件を解決する主人公・あかり屋を演じた和田さんと、事件が起きる屋敷で働くお葉を演じた松井さんの演技も、息が合っていて良かったと思います。
最初はお葉があかり屋のことを胡散臭い奴だと思っているものの、徐々に一緒に事件の謎に挑むバディものぽくなっていくという王道中の王道展開は、見ていて楽しかったです。

と、まあ色々書いてきましたが、やっぱりいいところはすごくいいんですよ!
だから、そういうシーンは見ていて単純に楽しかったです。



…しかし、と言うか、だからこそ、それだけ良かったからこそ、ストーリーが分かりにくかったのは、本当に勿体なかったなあーー!!って思います。
これだけいい演出や演技を見ることが出来たのだから、これでストーリーを楽しむことも出来れば、本当にとても素晴らしい作品になっていたと思うので、本当に勿体無いとしか言えないです!

そもそも俺は、演劇でも映画でも何でも、ストーリーを楽しむことが一番好きなのです。
素晴らしい演技も演出も、ストーリーを楽しむために存在するものだと思っているので、いくら演技や演出が良くてもストーリーが楽しめなかったのはやっぱり残念でしたね…



とは言えですね、観劇後にこうして色々良かったところとか悪かったところとか思い返す中で、徐々にこの公演に対して愛着がわいていく、と言うのは、まあ、いつものことな訳で…(笑)
一番思ったのはですね、良くなかったところも含めて、やっぱり俺はハンニャーズって何だかんだ嫌いになれない劇団だなあ…ってことです。

「モノキリガタリ」は、パンフにはっきり書いてあるんですけど、中嶋さんが「モノノ怪」というアニメに影響を受けまくって、そのオマージュとして作った作品なんですね。
で、俺は「モノノ怪」を見たことがあるので断言しますが、本当に似ています!いくらなんでも似すぎです!

で、それってアリなのか…?っていう議論はさておきですね…
俺が思ったのは、完全に中嶋さんの「俺が考えた最強のモノノ怪!」って感じが全開だったので、なんか可愛げがあっていいなあ…ってことです(笑)

なんて言うか、俺の考えた最強のアレやっちゃおうぜ!っていうノリが、ベテラン劇団だけど中身は俺ら若手と全然変わらないんだなあ…っていう(笑)
って言うか、皆さん楽しそうだったし、何だかんだそういうノリって好きだなあ…っていう。

あと、役者さんだけじゃなくスタッフさん含め、月潟稽古場に入った時から帰る時まで、すごく歓迎されてるなって温かい雰囲気だったのも良かったです。
と言う訳で、色々書いてきましたが、何だかんだでハンニャーズは可愛いげがあって嫌いになれない劇団というのが俺の結論です!







劇団ハンニャーズ「モノキリガタリ」の本編はなんとYouTubeで見られるぞ!







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